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病気・障害×仕事をテーマに事業を作ろうと決めた3つの体験

私は現在、ネクストワンという会社で障害者雇用に関する新しい事業を作っています。

この仕事をしているのも、今までの経験があったからこそです。
今日は障害者雇用、病気をかかえながら働くというテーマに取り組もうと考えるきっかけとなった三つの体験について書いていきます。

一つ目は自分の幼少期の体験です。
私はアレルギーと喘息のある、いわゆる体の弱い子供でした。
みんなが遊んでいるときに、風邪で寝込んでいることもよくありました。

一番つらかったのは、頑張ろうと思ったときに限って体調を崩してしまうことです。
何かに取り組もうとしたとき、頑張ろうとしたとき、
それができない環境がとてもつらく、もどかしかったのを今でも覚えています。

そんなもどかしさから、多くの人が頑張りやすい、
頑張れる世の中づくりに貢献したいと思う気持ちが芽生えました。

二つ目は、北海道浦賀町にある福祉施設「べてるの家」での経験です。
(キリスト教の教会を改修したことから、この名前がついているようです。)

「べてるの家」は福祉業界では有名な施設で、
・東京大学の熊谷先生が障害者福祉の当事者研究を行っている
・「べてるの家」ができてから、その街にあった精神病の入院病棟には患者がいなくなった
・通所者の体調が改善し、服薬量が減っていく
などで注目されています。
ご興味を持たれた方はぜひ調べてみてください。

あるきっかけがあって、「べてるの家」を訪れたことがありました。
そこでみた話し合いの場は衝撃的で、今でも忘れることができません。
病気、障害のある当事者の人が円になって、
自分の悩みと解決策を話し合っていたのです。

ある人が幻覚でユニコーンがみえている話をすれば、
またある人は夜中に電気で攻撃されるという悩みを話しています。
みんなで真剣に、ときにユーモアも交えながら、
各個人の経験を引用しつつ解決策を話し合っていました。
そこでは症状自体を悩むのではなく、
自分が困っていることを素直に、具体的に解決しようとしていました。

その時に私は
・誰かの経験を誰かのために活かす
・具体的な解決を積み重ねていく
ような事業をしようと決めました。

「べてるの家」での、ここに書ききれない詳しい話は、また別の記事にしたいと思います。

最後のエピソードは前職の話です。
前職で別部署に発達障害のある方がいました。
仕事のやり方に悩んでいたようなので、同じ部署に異動していただき、一緒にやり方を研究しました。
すると、今まで悩みだった提案のスピードや精度もあがり、仕事の幅が広がっていきました。
今まで以上に、活躍できるようになったのです。

その変化は私からみると劇的なもので、
失礼かもしれませんが、すごくワクワクしたのを思い出します。
そのあとも安定して働いているようです。

同じ発達障害といっても、様々な特性がありますので、
私の行ったやり方は、常にうまくいくわけではないでしょう。
しかしこの経験から、何かコツをつかんだりひと工夫加えたりするだけで、
今よりずっと働きやすくなる人は多くいるのだろうと考えるようになりました。
そして、このような体験が増えれば世の中に対する大きな貢献になると感じました。
今でも私はこの考えを信じて、日々の仕事にあたっています。

余談ですが、その彼と研究した仕事の手法を自分で試し、
他の新卒やチームメンバーにも伝えてみました。
すると私も含めて、多くの方の生産性もあがったのです。
実はこういった仕事の工夫は、障害で悩んでいる当事者の方以外にも活用できる、
大きなポテンシャルを持つものなのではないかとも期待しています。

これらのことから私は、
自分の経験とマッチし、課題も大きく、信じられる方向性のある、
病気・障害×仕事をテーマに事業を作っていこうと決めました。

病気や障害の話は、多様性を認めるなどマインドセット的な内容が大半です。
もちろんそのマインドセットも非常に重要なものですが、
それと同時にコツ・ノウハウ・スキルがとても大切になると思っています。

そんな思いを胸に、下記のサービスを運営しています。

病気・障害のある方がどのような仕事の工夫をしているか、
どんな会社で活躍しているかわかる
アンブレ(
https://umbre.jp/

病気ごとに人が何に困り、どんな対策をしているかをDBにして、
それらを活用することで、自己分析・対策をすることができる
トリセツ(
https://umbre.jp/torisetu

全国の就労移行支援施設の特徴や様子がわかる
ジョブレ(
http://jobre.jp/

ご興味がわいた方は、ぜひ一度見てみてください。


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