マガジンのカバー画像

企業研究へのアプローチ

33
企業での広報・IR実務、ビジネススクール留学、2つの大学でのキャリア支援等の経験に基づき、「企業研究」へのアプローチについて紹介しています。また、企業研究に関心を持ち、力を注がれ… もっと読む
運営しているクリエイター

記事一覧

人的資本経営サイトを公開しました

人的資本経営サイトを公開しました

こんにちは、人事の青野です。
先日「サイボウズの人的資本経営」サイトを公開しましたので、今回はサイトのコンセプトや公開の舞台裏をご紹介します。

公開したサイトはこちら👇
『サイボウズの人的資本経営〜チームワークあふれる会社を創る〜』

公開の背景

人的資本情報開示義務化の流れを受け、私達も1年ほど前からプロジェクトを立ち上げて取り組むことになりました。人事に関わる施策やデータがほとんどである

もっとみる
"財務インパクト"をどこまで示せるか?ーー人的資本経営の最大の挑戦

"財務インパクト"をどこまで示せるか?ーー人的資本経営の最大の挑戦

人的資本経営は、経営の取り組みである以上、その成果を何らかの形で投資家に示す必要があります。

しかし、それらを財務諸表などの数字で表現することは極めて困難です。

では、どのような形で示すと良いのでしょうか?

人的投資の成果、どこまで財務的な数値で示せるか?
人的資本経営はどの程度効果があったのかを財務的な数値で示せることが理想です。すなわち、その活動や意思決定が財務状況に与える影響「財務イン

もっとみる
採用面談は「候補者へのキャリアカウンセリングの場」と捉えるべき?旧友・伊達洋駆さんとの対談で得られた気づき

採用面談は「候補者へのキャリアカウンセリングの場」と捉えるべき?旧友・伊達洋駆さんとの対談で得られた気づき

昨年のことになりますが、Indeed Japan主催の「キャリア社員が継続活躍できる組織の作り方」というテーマのセミナーで、ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆さんと対談させていただく機会がありました。

伊達さんとは、実は大学院生時代からの十年来の友人でもあるのですが、こうして外部のイベントでご一緒させていただくのは、この機会が初めて。なんだか感慨深いものがありました。

拙著『問いのデザイ

もっとみる
GPTsとオープンデータを用いた企業研究 横河電機を例にして rev1.2

GPTsとオープンデータを用いた企業研究 横河電機を例にして rev1.2

次世代育成支援対策推進法に基づく「プラチナくるみん」特例認定-2021

厚生労働省2017年11月27日テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰テレワークの導入に当たり、他の企業の模範となる取組を実施特別奨励賞厚生労働省

横川計測と共同のものが多い

特許・実用新案
(1055)

意匠
(274)

商標
(317)

2021年度の防衛省に対する調達額3億5,100万は年間売上高の0.2%に相

もっとみる
人的資本経営の重要指標「eNPS」とは何か?

人的資本経営の重要指標「eNPS」とは何か?

昨今、「人的資本経営」という言葉をたびたび耳にするようになりました。

企業が持つ人的資源を最大限に活用し、企業価値を高めるための経営手法ですが、その中で重要指標の一つとして用いられる「eNPS」について見てみましょう。

eNPSとは何か?
「eNPS(Employee Net Promoter Score)」とは、従業員エンゲージメントを表すことのできる指標です。具体的には、従業員に「職場を親

もっとみる
ブリヂストン銘柄分析 〜タイヤとソリューションビジネスを提供するグローバルメーカーの企業研究~

ブリヂストン銘柄分析 〜タイヤとソリューションビジネスを提供するグローバルメーカーの企業研究~

概略ブリヂストンは東京都中央区に本社を置くタイヤメーカーです。

ブリヂストン、ミシュラン、グッドイヤーの3社がタイヤメーカー世界御三家と言われています。

事業進出国は150を超え、海外売上比率が約8割の日本を代表するグローバル企業です。

事業内容分析タイヤ事業

ブリヂストンの主力事業はもちろんタイヤです。

自動車のタイヤから自転車、バイク、バス、特殊タイヤなどさまざまなタイヤを製造販売し

もっとみる
CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造

CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造

CFOポリシー〈第3版〉: 価値の舞台裏-戦略的財務で未来を演出する

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造
はじめに

企業価値を高めるためには、財務戦略だけでなく、非財務戦略も重要であるというのが、本書の主旨である。著者は、早稲田大学客員教授であり、エーザイの元CFOである柳良平氏である。柳氏は、ESG(環境・社会・ガバナンス)と企業価値の関連性を

もっとみる
高密度・高収益の鉄道事業が強み【就活生向け・決算短信を読む⑮東京地下鉄(東京メトロ)】

高密度・高収益の鉄道事業が強み【就活生向け・決算短信を読む⑮東京地下鉄(東京メトロ)】

この記事では、東京地下鉄(東京メトロ)の決算短信に掲載されている収益の数字や事業構成などを通じ、東京地下鉄の今が分かることを目指します。

そして、鉄道業界各社の決算短信については、こちらのリンクから交通新聞電子版の記事が読めます。JR各社や大手私鉄の決算短信について、有料記事を特別に全文公開です!

>>交通新聞電子版「決算」検索結果

リンク先では、鉄道業界の様々な企業の決算短信についても分析

もっとみる
CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造 (著・柳良平さん)

CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造 (著・柳良平さん)

エーザイ CFOを務められた柳さんの著書です。読んでみました。統計の知識が十分に足りていないのでバッチリ理解というところまでは行けていません。でも、非常に読み応えがありました。

第1章 日本企業の価値創造に係る資本市場の視座の変遷:グローバル投資家サーベイ時系列分析 (2007-2022)、第2章 近年の世界の投資家の声:2018年コメントと2022年速報 この2つの章の世界の投資家の声が大変興

もっとみる
柳良平CFOが導く新次元:価値の創造を巡る財務・非財務戦略の奥義  柳 良平CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造

柳良平CFOが導く新次元:価値の創造を巡る財務・非財務戦略の奥義  柳 良平CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造

この本は、柳良平氏が著した『CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造』です。この本は、企業経営において財務戦略が果たす役割や、企業価値向上のために、日本企業が有する潜在的なESG価値を顕在化する必要性について解説しています。
CFOポリシー〈第3版〉: 財務・非財務戦略による価値創造 | 柳 良平 |本 | 通販 | Amazon
第3版では、世界の投資家サーベイのアップデートに

もっとみる
【就活】「安定している」会社とは

【就活】「安定している」会社とは

マイナビキャリアリサーチLabの「2024年卒大学生就職意識調査」に、「企業を選択する場合にどのような企業がよいか」という質問項目があり、「安定している会社」が48.8%で5年連続(20年卒~24年卒)で1位になっている。

ちなみに、02年卒から19年卒までは「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が、ずっと1位だった。これが20年卒で逆転され「安定している会社」が5年連続で1位になっているという

もっとみる
人的資本経営に興味のある皆様へ〜未開拓資本を活用する未来〜

人的資本経営に興味のある皆様へ〜未開拓資本を活用する未来〜

人的資本経営は昨今のパワーワードで多くの方が注目しています。人材が均一な財務会計数値に置き換えられてしまっていた時代において、私も長らく大きな違和感を感じていました。それは、人は均質なモノではないという人権主義者的な側面もあれば、従業員の立場でも自らが企業価値にどう貢献できているかという意識が希薄なことも、違和感の原因だったように思います。

資本であるとはどういうことか?人が「資本」であるとはど

もっとみる
先行対応企業の開示から考える人的資本に関する指標の注目ポイント

先行対応企業の開示から考える人的資本に関する指標の注目ポイント

※本記事は2023/06/23に株式会社パーソル総合研究所サイト内で公開された内容を再編集したものとなります。

有価証券報告書に人的資本情報の記載が求められるようになった。有価証券報告書の提出が決算から3カ月以内であることから、このコラムが公表される2023年6月には、最初に義務化対象となる2023年3月期決算企業の開示状況が明らかになる。他社の状況を見て、今後の開示に活かそうとする企業・担当者

もっとみる
もうコストじゃない!?ヒトを投資対象とする人的資本の考え方知っておくべきこと 3選

もうコストじゃない!?ヒトを投資対象とする人的資本の考え方知っておくべきこと 3選

「人的資本って何?」
「人的資本を開示することには意味がある?」

人的資本という言葉、聞き慣れませんよね。
人的資本の情報開示が義務化されていると言われても、すんなりその重要性を理解することはできません。

実は、人的資本とは、企業が成長をする上で、従業員が重要で不可欠な要素として捉える考え方です。
なぜなら、人的資本に適切な投資と取り組みを進めている企業は、財務指標も良好で、企業価値向上にも貢

もっとみる