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DENON AH-C820 イヤフォン

今回はDENONのイヤフォンの紹介です。実は元々昔からヘッドフォン派でイヤフォンは敬遠していました。何故かといいますと、イヤフォンはヘッドフォンと比べて、1.低音が弱い(ものが多い)、2.音場が狭い(気がする)、3.耳から落ちそうになる(気がする)、4.ヘッドフォンの方がよりスピーカーからの再生に近い自然な鳴り方をする、という感じで、ずっとヘッドフォンを愛用していましたが、とにかくヘッドフォンはかさばるので手軽に持ち運べないのが欠点です。ヘッドフォン愛好家にも違和感が少ない性能の良いイヤフォンはないものか...と考えていたところ、ありました

イヤフォンの種類

実はイヤフォンには2種類ありまして、ダイナミック型とバランスド・アーマチュア(BA)型に分かれます。ダイナミック型というのはヘッドフォンと同じ構造をしていて、基本的にはスピーカーを小さくした感じです。構造が簡単で価格も抑えやすいのですが、イヤフォンの小型化が難しく、普通はスピーカーに当るドライバーが1つで超低域から超高域まで幅広く再生しにくいところがあります。BA型は元々補聴器から発展してきたもので、小型化が容易で、1つ1つのドライバーの再生周波数帯域は狭いのですが、低域用、中域用、高域用とそれぞれ組み込むことで幅広い周波数帯域に対応させることができます。欠点は中〜高域の表現力は高いが低域が苦手であること、技術特許が多く高価になりやすいことです。最近はBA型が主流で、10万以上するBA型イヤフォンも珍しくなくなっています。

ダイナミック型とBA型の違いについて詳しくはオーディオテクニカのwebページの解説が図入りで分かりやすいです。

BA型のイヤフォンは何社か試聴してみましたが、有名なS社の10万近いイヤフォンでもヘッドフォンに慣れた身では低音がどうにも弱い感じで、音の鳴り方も自然な感じではありませんでした。

ダイナミック型イヤフォン

ダイナミック型イヤフォンは昔からあり、有名どころとしては、iPhoneに付属する「EarPods」はドライバーが1個の典型的なダイナミック型イヤフォンです。音質はiPhone付属品ですからそれなりのものです。最近ではドライバー1個のダイナミック型イヤフォンも音質は向上してきており、BA型とダイナミック型を合わせたハイブリッド型のものも登場してきています。

DENON AH-C820 イヤフォン

今回紹介するDENON AH-C820 イヤフォンは分類としてはダイナミック型イヤフォンです。ただ、音を出すドライバーが2つあります。下の図はDENON AH-C820の公式ページからのものですが、イヤフォンを挟み込むように緑色のダイナミック型ドライバーが配置されていることが分かります。2基のダイナミック型ドライバーを対向配置し、同相で制御することで2倍の振動板面積を実現し、超低域の再生や低域の量感の再現が可能になっています。

気になる音質は?

これがまたヘッドフォンかと思うくらい超低域から高域にかけて自然な再生をするのでびっくりです。特に低音は十分すぎるくらい出ていると思います。中域から高域にかけての伸びも大変良く、音場や空間の表現にも優れていて、一つ一つの音の分離も良く、微小音の再現にも優れています。さすがにMDR-Z1R並とは行きませんが、イヤフォンでここまで再生出来れば大した物だと思います。価格は2万前後と安くはありませんが、高級BA型イヤフォンの10万越えと比べれば大分安価です。欠点はリケーブルができず、バランス接続に対応していないことです。ただ、シングル接続でも十分な空間表現力を持っていますので、高性能なデジタルオーディオプレイヤーやヘッドフォンアンプと組み合わせれば困らないのではないかと思います。

試してみた感じでは、SONYハイレゾウォークマン®NW-WM1Z単独、DACヘッドフォンアンプ ifi micro iDSD BL、DACヘッドフォンアンプChord Electronics Mojo、DACヘッドフォンアンプXD-05のいずれも高音質で再生できました。ポータブルデジタルオーディオプレイヤーONKYO DP-X1単独ではシングル接続のためか音場や空間表現力に劣る感じで、DP-X1XD-05をUSB接続して再生するのが良い感じでした。

パッケージ

開封した写真は下です。

元々Comply™製イヤーピース TX-500がイヤフォンに取り付けられた状態で1セット標準で付属します。普通はこれで十分な感じです。装着性は良く、普通に歩いたぐらいで落ちることないです。イヤフォン装着中でも外の音は割合聞こえます。

総評

イヤフォンなのにヘッドフォン顔負けの低域から高域にかけて極めて自然な空間表現力を持つ再生をする恐るべきハイコスパなイヤフォンです。高性能なデジタルオーディオプレイヤーやヘッドフォンアンプと組み合わせるのが良いです。欠点はケーブル交換ができないこと、バランス接続に対応せずシングル接続しかできないことですが、シングル接続でも広い音場と空間表現力を持つので、高性能なデジタルオーディオプレイヤーやDACヘッドフォンアンプと組み合わせればバランス接続できないことはあまり欠点ではないように思います。

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