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nyansを退職しました

この度、2年在籍した株式会社nyansを退職しました。

退職エントリーを書こうと思い、ひとまず写真の整理から始めてみると、あの時はああいうことがあって大変だったなとか、楽しかったなとか、いろんな思い出が蘇りました。創業前から携わった会社で、初めて入社した会社だったので、全てが初めてで、学び多い濃い時間でした。ここでは、思い出や退職理由、今後について書こうと思います。長くなりますが、お付き合いくださいませ。

nyansってどんな会社?

まず、会社の説明をすると、『街中の猫をみんなで見守る』を当たり前にする、猫の飼い主のコミュニティサービス「nyatching」を提供している会社です。また、最近は猫のトレーディングカードを使った販促支援も行っています。

一言で言うと、猫好きな少数精鋭のクリエイティビティの高い会社です!
働き方は猫のように自由気ままで、働きたい時にガッツリ働き、気持ちが乗らない時は休みます。昨年9月からはメンバー全員がフルリモートで働いていて、代表曰く、インスピレーションの湧く環境で働いて欲しいそうです。そんな一見ゆるそうな会社ですが、想いは熱く、思いやりのあふれる社会や自然と動物と人間が共存できるような社会を目指しています。

入社きっかけ

始まりは現代表の谷口と学生エンジニアの宮崎から誘われたことでした。発足間もなかった九州大学起業部の合宿で「数学科だからプログラミングできるよね。うちのチームこない?」とお誘いを受け、このチームだったらいち早く起業し成果を出せると思いジョインしました。案の定、すぐに起業しました。しかも、最初に出したnyatchingの事前登録のプレスリリースがホリエモンにツイートされたこともあり、反響を呼びました。

これにとどまらず、猫の飼育頭数が犬を超えてナンバー1となり、猫向けのサービスにとって追い風となりました。そして、資金調達もうまくいき、サービス開発が本格化していきました。

初のリリース

当初、私はProgateのRailsコースやJavascriptコースを終えているくらいの状態でした。そのような状態でしたが、私も宮崎もなぜかうまくいくと思っていて、リリース日を5月22日(ゴー・ニャンニャン)に設定し、その日に向けて開発を進めていました。後から必要だと知ったのですが、当時は仕様書も見積もりもないまま開発していました。ただXDのデザインとメンバーの頭の中で共有された仕様のイメージのみがありました。エンジニア2名と代表だけだったので、それが最速だったんだろうと思います。

リリース日の1ヶ月前くらいになって開発を手伝ってくれるものすごくできるエンジニア(業務委託)を2人、代表が連れてきてくれました。強力なスケットがきてくれたと喜んでいたのは束の間で、状況を知ったそのエンジニアによると、どうやら開発が相当遅れているようでした。なんとか間に合わせないといけないという思いから、急遽沖縄合宿を行うことになりました。Airbnbで家を借りてそこに籠もって開発をしました。しかし、それでも間に合わず、福岡に戻って再度リリースに向けてデスマーチが始まりました。50時間は寝なかったと思います。4人のエンジニアが50時間ぶっ通しで開発しました。今でもこれがnyansでの一番の思い出です。辛かったというよりはむしろ楽しかったです。皆がハイになって、リリース後ユーザーからどんな反応がくるかワクワクしながら作っていました。体はしんどかったですが、サービス作りってこんなに楽しいんだなと知りました。

結局5月22日にリリースしたもののバグが多く、メンテナンス期間がしばらく続いてしまうという結果になってしまいました。そこは本当に申し訳なかったです。しかし、良い経験、教訓になりました。焦っても良いものはできないこと、開発スケジュールにテストの時間をいれる必要があること、リリースしたものに対しては責任を持ってバグの修正や改善を続けていく必要があることなど多くのことを身を持って理解しました。何もわからない学生でしたが、こんな環境に飛び込めたことは幸運だったと思います。

nyatchingの作り直し

残念ながら最初にリリースしたnyatchingはユーザーの満足のいくものとはなりませんでした。コンセプトと必要最低限の機能があればある程度うまくいくと思っていましたが、人をマッチングするには十分ではありませんでした。能動的な行動をするのはごく一部で、ほとんどのユーザーは受動的に行動するということを知り、私たちは作り直しをすることにしました。デザインも一新したかったため全部一から作り直しました。作るべき機能はある程度固まっていたこともあり、業務委託の方もがっつり採用しました。エンジニアが6名、デザイナー1名、代表の合計8名でサービス作りを行いました。私は、唯一の正社員だったこともあり、他のエンジニアの協力も得ながらプロジェクトの進捗管理や簡易的なスクラムの実施なども経験させてもらいました。進捗を見ながらリリースに間に合いそうにない機能などは、代表と相談しリニューアル版のリリース後に実装するようにするなど、品質を保てるように努めました。また、フロントエンドもバックエンドもテストコードをしっかり書きました。その甲斐あって、この時のリリースではほとんどバグなくリリースできました。最初のリリースに比べてかなり改善されたと思います。

その後、ユーザーも少しずつ増えていき、テレビでもたびたび紹介されるようになりました。マッチングしたユーザーからお礼のメールをいただいたり、ブログに書いていただいたりすることも度々ありました。ユーザーの方々に喜んでもらえるサービスにできたかなと思うと嬉しかったです。

退職理由

理由は大小様々ありますが、結婚したため収入を上げたい・1->100のサービス作りに携わりたい・他のエンジニアと一緒に切磋琢磨しながら開発がしたいなどが主な理由です。実は最後の半年は一人で開発を行っていました。また、自分が猫を飼ってなく、ユーザーの気持ちに共感しづらかったのも大きかったと思います。

ただ、今までも今後も、社会にとって意義のあるサービスに関わりたいと思っています。「このサービスが広まれば社会はもっとよくなる」と思って仕事するということだけは変わらずにありたいと思います。

今後

3月末に神奈川の鎌倉市と横浜市の市境あたりに引っ越しました。4月よりエンブレース株式会社に入社予定です。医療系のベンチャー企業になるのですが、妻が助産師なので医療関連の情報が入りやすいこと・10->100のフェーズで上場を目指していること・業務委託としてRubyのコミッターが在籍されており技術力も高いのが決めてでした。

少人数のスタートアップから50名程度が在籍する企業に移るので、様々違いが見えてくると思いますが、nyansで経験したとこを生かせればと思います。

最後に

nyansに投資してくださったエンジェル投資家の方々、Pixivの元CTOの高山さん(元社外技術顧問)・福岡オフィスに在籍されていたエンジニアの皆さん、業務委託として携わってくださったエンジニア・デザイナーの皆さん、そしてnyansのメンバーには本当にお世話になりました。また、nyatchingを使ってくださったユーザーの方々にも本当に感謝しています。ありがとうございました。

nyansでの経験は人生の財産になりました。それを生かしながら、今後も活躍できればと思います。本当にありがとうございました🙇‍♂️


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