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銀座までラーメンを食べに行ったとある休日

先日、お婆ちゃんと一緒に銀座にラーメンを食べに行った。

わたしのお婆ちゃんは大のラーメン好きで
料理は全くしないし出来ないから
よく昼にカップ麺を食べている

夜寝る前には350mlの缶ビールを一気飲みして
それでも寝られない時は寝室でブランデーを飲んだりしている
泥酔して、酷く大きな声で怒鳴ったりしている事もある

わたしとしては体のことを思って辞めて欲しいが
もうそれが本人のルーティンになっているし
言っても無駄だと分かっているのでもう煩く言っていない
90歳手前だというのに、ファンキーなお婆ちゃんだといつも思う


それと、自分のステータスに誇りと自信を持っていて
もうそれは本当に凄まじい。
それを傷付けられようもんには容赦無い
兎に角、自分のプライドが傷付けられることが許せない性格なのだ

それだけ自信を持てるということ自体
わたしからしたら凄いことだけどネ
勿論平成生まれのわたしが想像できないくらい大変な時代に生まれて、沢山の葛藤や苦労があったと思う

でもそれは置いておいて、お婆ちゃんの場合 性格に難あり なのだ

わたしはどうしてもお婆ちゃんが好きになれなかった
自分の中のルールは断固として変えようとしないし
自分の立場が危うくなると怒鳴るし
すぐにヒステリーを起こす
最後には必ず、こんな自分は早く死ねばいいんだと言い出す始末だ


でも最近、お婆ちゃんの老いを感じるようにった

数分前に話したことを忘れているし
何度言っても同じようなミスをするし
食べた物を直後でも思い出せないし
テレビの音量はだいぶ大きくなった

何度も同じようなミスをしたり
自分を情けなさに落ち込んでいるお婆ちゃんを見ると
少し可哀想だな とも思う


冒頭にも話したように
お婆ちゃんは大のラーメン好きだ

以前お婆ちゃんの誕生日に約束をした。
「いつか美味しいラーメンに連れて行くね」

ずっと後回しにしていたけど
早くこの約束を決行しないと後々絶対に後悔する
という想いがわたしを駆り立てた

当日のお婆ちゃんはいつも以上にお喋りで
何やら沢山沢山話していて、全部は聞き取れなかったけど
終始楽しそうだった

自己満足だけど、お婆ちゃんがボケる前に一緒に行けて良かったな
次の日にも、「連れて行ってくれてありがとう」と言ってくれた

お婆ちゃんの事はきっと嫌いに分類されるけど
それでもここまで運良く生きられたのだから
最後の記憶くらいは楽しい記憶であって欲しい
自分は早く死んだ方がいいんだなんて思って欲しくないよ

お婆ちゃんが聞き取れないとつい大きな声になってしまうし
忘れていると「さっきも言ったでしょ!」とか「何度言えば分かるの!!」
ときつく当たってしまうから
もう少し労って、優しい気持ちで接したいと常日頃思う今日この頃です

おしまい!