
笑顔は美味しい
僕は友人のオススメというのを絶対的に信用している。
たとえば、映画好きの友達が感動した映画ならば一度見てみたい。
その理由として映画好きの彼が太鼓判を押す映画だからというのもちろんある。
しかしそれ以上に、僕がその友達と友達である理由は何かしらの共鳴する部分があるからだと思っている。だからその友達のオススメの映画というのは何かしら自分も好きなポイントがあるはずだ。
これは映画や音楽にかかわらず、本でも人間でも、そして食でも当てはまる。
先日、友人の一人が美味しいキムチ専門店を見つけたと大絶賛していた。
僕は辛いのは少し苦手だし、キムチが特段好きというわけではない。調理が楽という理由で豚キムチを時々作る程度だ。
だけど、友達が大絶賛するキムチとなると話は別だ。一度食べてみたくなった。
そしてキムチ専門店という、あまり馴染みのない専門店に足を運びたくなったのだ。
友人の案内を頼りに車を走らせる。
くねくねと住宅街に入り込んで目的地についた。
お店に入ると清潔そうな店内にお兄さんが一人。本場のキムチということで韓国の方だった。とても気さくな方で話しやすく好感が持てた。どのキムチが美味しいか、辛さはどれぐらいか、人気のキムチはどれかを丁寧に教えてくれた。
お店側としては当然の対応と思うかもしれない。しかし、その笑顔は商売として接している以上のものがあり、お兄さんの人間性が垣間見れた。
家に帰って、早速食べる。ビールをあてに一口。こんなの美味しいに決まっている。僕はバクバクと毎晩キムチを食べている。そしてそれと同時にそのお兄さんの笑顔もいただいているような感覚になっている。
食べ物を作ってくれた人の顔を知っているということは時にどんな調味料にも負けないぐらいの味に変わりうる。それが笑顔だったらなおさらだ。
スーパーの野菜売り場に生産者の顔がわかるパッケージがされているがそれにも同じことが言える。
生産者の顔や、飲食店の店主の顔。
こんなことを考えると、やはり接客業や営業という仕事はおもしろい。
僕はどちらの仕事もしたことがないが、人となりというものに学ぶことは多いのだ。
今日は何の話だったか。
笑顔は美味しいということ。
そういえば、昔から時々「もう少し美味しそうにご飯食べたら?」と言われることがある。僕自身、嫌そうに食べている気なんてさらさらないのだがどうやらそう見えるらしい。
これは致命的な欠点だ。
笑顔は美味しいということ。
少し笑顔を心がけて食事をしようと思う。
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