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ジャイアンに共感するあるシーン

漫画が本当に好きな人というのがあなたの周りにも一人ぐらいはいるだろう。高校になるとそういう漫画好きの友人が学校に持ってきて休み時間はおろか、授業中も読んでいた。僕の家は漫画が多くある家庭ではなかったから読んだことない作品に触れることができて嬉しかった。

僕の家は三人兄弟。二人の兄が野球をやっていたことで僕も同様に野球を始めた。そういうわけで家には野球漫画ばかりあった。

しかし数ある野球漫画の中で唯一と言っていいぐらい野球漫画ではない漫画があった。それはドラえもんだ。
自分の裁量で買えた漫画がドラえもんだった。週刊少年誌を購読していなかった我が家ではどの漫画が面白いかの判断は本屋でしかできない。本屋でジャケ買いをして変な本を買ってくるならば兄に咎められたりしそうな気がしたのだ。

ドラえもんなら間違いない。だって国民的アニメだからだ。兄と長編映画を観に行ったこともある。そんなわけで本屋に行くたびドラえもんを買ってもらっていた。


そろそろ本題に入るわけだが、ではなぜドラえもんの話を始めたかというのには理由がある。


それはここ最近、脳裏に浮かぶドラえもんのあるシーンがあるからだ。

ジャイアンにいじめられているのび太。
のび太が例のごとくドラえもんにおねだりしてひみつ道具をもらう。
そのひみつ道具を使っている間は、やることなすこと上手くいくというものだった。
のび太はジャイアンに仕返しをするために背後を狙ってジャイアンのお尻を蹴り飛ばした。非力なのび太の蹴りでもジャイアンのダメージは大きく、ジャイアンは泣きながら逃げていった。
しかし、その道具の効力が切れてジャイアンはのび太に更なる仕返しをするというシーンがこの物語のオチだ。

ドラえもんではよくあるパターンのオチなのだが、なぜこれが最近脳裏に浮かぶかというと、ジャイアンがのび太に仕返しをするときのセリフがこれだからだ。

「のび太ー!さっきはよくもお尻のオデキを潰してくれたなぁ!!」

今回ばかりは僕はジャイアンの味方だ。
そう、何を隠そう。僕はただいまお尻にオデキができている。
以前からそこに居座っていたのはわかっていたのだが、ここ数日で肥大化して椅子に座るのも一苦労だ。クッションをお尻に引き、ポジションを探してウネウネとしている。気を緩めてオデキに刺激が加わる座り方をしたら悶絶するほどだ。

ジャイアンの気持ちが大いにわかる。この状態でお尻を蹴られるものなら泣くのもわかる。



お尻に手を当てて日に日に肥大化しているのはわかるがどうにもこうにも、自分の目で確認することができない。鏡を前にしてお尻をグイッと引き寄せて体をねじらせてもうまく見れない。

こうなったら仕方がない。
妻にケータイのカメラを起動させ、写真を撮らせることにした。
他人のケツのオデキをカメラに収めさせるなんてなんとも侮辱的な行為である。裁判で訴えられれば多分負ける。

妻は抵抗感を見せるもののオデキをカメラに収めてくれた。そこには赤く腫れ上がったオデキが写っていた。
そしてとりあえずの処置として、いいか悪いかはわからないが絆創膏を貼っている。座るときのダメージを軽減させるためだ。

小さな絆創膏ではカバーしきれないから、手塚治虫の漫画に出ているような大きめの絆創膏を張っている。

幾分かマシになったような気もするが、ここでひとつ問題がある。


びちゃびちゃのウンチをした時、絆創膏がウンチまみれになってしまわないかということだ。


びちゃびちゃのウンチをしたならば丁寧に拭き取った上で、妻に絆創膏を外させようと思う。これは訴えられたら確実に負ける。

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