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5分でわかる抜けがなくなるオフィス移転の工事区分

オフィス移転の工事区分はしっかりと理解していないとプロジェクトが進んでいったある段階で大きな抜けが出る。

引越しを慣れている会社ならば総務がいるのでITが心配することではない。しかし外資では総務部はあまり移転に慣れていないことがおおく。工事区分の段階から業者に丸投げというケースも多い。そうなるととばっちりを受けるのはITである。

オフィス移転におけるITの仕事は本来であれば、ラック、LANのケーブリング等が完了して機器の搬入からになるはずだ。しかし業者に丸投げであり自社からの参加者が工事区分に疎いようだとある程度のスコープ、スケジュール管理にもITが参画する必要がある。

その時にまず理解しておくべきことが移転における工事区分である。つまりA工事,B工事,C工事である。そんなの常識だろうという考え方は捨てたほうが良い。経験上これらを移転プロジェクトのメンバーがきっちり理解していたケースはまれである。また理解していても細かいところで微妙に理解に齟齬があるケースもあった。

A工事、B工事、C工事は仕事内容、発注者、業者の選定、費用の負担者がそれぞれ異なる。

A工事

*仕事内容は主にビル本体及び共用施設に関連する工事。
* ビルのオーナーが発注する
* 業者はビルのオーナーが決める
* 費用はビルのオーナが負担する。

このレベルの工事に対してIT部門が関わり合いになることはまずないのであまり心配する必要はない。

B工事

* 仕事内容はテナントの専有部分であるがビル全体にかかわる仕事。
* テナントが発注する
* 業者はビルのオーナーが決める。
* 費用負担はテナント

このスコープの仕事が最もわかりにくく、スコープ漏れが起きやすい。この仕事には専有部分における電源、消火設備、個別空調、警備などが含まれる。

ITに関連するものとしては、以下がある。

UPSへのビルからの電源、サーバー室の空調、消火設備、サーバー室へ入退出するためのセキュリティドア

C工事

* 仕事内容は専有部分に関連すること。
* テナントが発注する。
* テナントが業者を決定する。
* 費用負担はテナント

ITに関連する仕事としては、ケーブリング、電話回線導入、ラック構築などがある。この辺りは総務・ファシリティがしっかりしていれば、そちらに標準があるはずであり、IT部門は気にしなくてよい。そうでない場合には信頼できる業者をいれて、IT関連については取りまとめてもらうのが無難である。

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