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不透明な時代こそ読み返したい本 「チーズはどこへ消えた?」

こんにちは。今週末は新月と皆既日食という太陽と月のパワーを感じられそうですね。写真はチームラボの子どもの遊び場コーナー。光と空間を楽しむ芸術の中で子供が遊ぶ姿は美しかったです。

今日は読書感想文で『チーズはどこへ消えた - Who moved my cheese』について。ご存知の方も沢山いると思いますが、世界中でベストセラーになっている本です。

カナダへ移住する際にバイブル的になる本を数冊持って来たのですが、『チーズはどこへ消えた』はその中の1つで、今でも日本語版と英語版の2つが本棚に置いてあります。

この本の作者である医学博士、心理学者のスペンサー・ジョーンズさんは2017年7月3日に亡くなられました。彼が亡くなられた日に別ブログに書いておいたものを今日は少し編集して掲載します。

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この本は一見すると子供向けの本のようなのですが、実は世界中の企業が推奨するほどのビジネス書です。単純なストーリーながらも、危機管理能力や状況適応能力また判断力と言うビジネスマンとしても必要なスキルを暗喩しています。

物語は迷路に住んでいる2人の小人と2匹のネズミの話で、チーズステーションからチーズが徐々に消えていくというところからスタートします。チーズは人生における目標や夢のシンボルで、自分の人生において大切にすべきものとして描かれています。

小人の2人はネズミよりも優れていると言うのを自負していて、プライドがあり能力もあると自覚しています。だからこそ、チーズがある日無くなってしまった後も、きっと又チーズは戻ってくると願い無くなった事を認めることが出来ません。

そう言う彼らの姿は多くの社会人と似ているように感じられて、当時「こう言う大人にだけはなりたくない」と思いました。この本のおかげで「プライドを捨てられる人こそ格好良い」と言う価値観になったと思います。

一方、2匹のネズミは熟考することは出来ませんが、チーズが減っていくのには一早く気づいて、他にチーズがある場所はないかと嗅覚や直感を用いて迷路に戻り探し始めます。

先が見えない道に失敗を恐れずに突き進んでいくには勇気が必要です。子どもの頃は先行き考えずに色々な事に挑戦していたはずなのに、大人になると確実性や安定を求めて勇気を失っていきます。

この本の中には当時大人と子どもの間にいた自分に必要だったメッセージが沢山詰まっていました。今の不透明な時代にこそ響く、様々な素敵な言葉を以下にコメントと共に列挙していきます。

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Imagining myself enjoying new cheese even before I find it, leads me to it.
まだ手に入れていないものでも、それが手に入った事を想像すれば、それは実現する

人生においてイマジネーション=想像力ほど大切なものはないと私は考えています。子供は既成概念が少ない分、ありとあらゆる想像をして大人ではできない発想を持っていたりします。

想像力は言い換えればポテンシャルでもあります。想像できないことは実現されないし、逆を言えば、この言葉の通り「想像さえ出来れば実現する」と信じています。

私には「なりたい自分」というものが常にあって、この年までにこうなっていたいとか、具体的に1年・3年・5年後の自分を想像しながら生きています。もちろん、そうならない事もあります。

ただ、少なくとも想像できているというだけで具体的にそうなる為にはどう生きれば良いのか・何が必要かを考える事ができます。だから、想像力は自分のポテンシャル=想像力があればあるほどポテンシャルも高いと信じています。

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The quicker you let go of old cheese, the sooner you find new cheese. 古いチーズを諦める時期が早ければ早いほど、新しいチーズを早く見つけられる

日本人は忍耐とか我慢を美徳と捉える傾向があるので、この言葉はそれに反するように聞こえるかもしれませんが、私にはしっくりくる言葉です。

伝統や仕来たりやルールは昔の人が作ったものです。それを重んじていくのが大事な時もありますが、何かを手に入れる為には何かを排除していかなければいけないのも事実。

特に時代がすごい勢いで変わっていく中で、昔のやり方を続けるのには無理があるというのは今回のコロナ騒ぎで私たちが気づけた良いことの1つだと思います。

この言葉の通り、早めに見切りをつけて次に進む判断を下した方が、早くに新しい別のものを見つけられる可能性は確実に高まります。

諦める事や直ぐ次に進むことは逃げだとネガティブに捉える人もいるかもしれませんが、勇気のあるポジティブな志向の人だけが下せる賢明な判断だと捉えることも出来るはずです。

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He realized the fastest way to change is to laugh at your own folly, then  you can let go and quickly move on.
自分が変わる為には、いち早く自分の愚かさに気づき、それを認めること。そうすれば前進できる

プライドがあると、自分の愚かさや間違えを認めるのが難しくなります。自分が賢いと自負している人は、他人の悪いところや間違っているところを見つけるのが得意になります。自分が人より上だと思いたいからでしょう。

代わりに、そういう人は自らの過ちに気付いたり認めるのには時間がかかります。だからこそ、この言葉のように、自分の愚かさに気づき認める事ができると、それだけ次の解決策への近道になり得るのだと思います。

He had to admit that the biggest inhibitor to change lies within yourself, and that nothing gets better until you change.
最大の障害は自分の中にある。自分が変わらなければ好転しない

何かを変えたいと思った時に一番大事なのは、変えられないかもしれない周りの環境を変えようと試みたり文句を言うよりも、自分自身を変えることで周りが変わると信じることだと私は思っています。

それって本当に難しいことですが、長期的な目で見たら周りを変えるきっかけを率先して自分が作ったと言うことだと考える事もできます。自分が変わるという事は自らを否定することではないというのも忘れないで下さい。

Change happens、anticipate change、monitor change、enjoy change!
変化は起きる。変化を予期せよ。変化を監視せよ。そして変化を楽しめ

一見単純なことのようですが、実際に何かの渦中にいる本人は変化に気づく事ができなかったり、変化していることを認めたくなかったり、変化を楽しむ事ができなかったりします。

ネット社会になってから、どんどん変化していく時代に時々気後れしそうになりますが、「昔はこうだった」とか「昔は良かった」とか言い続ける大人になるよりも、変化を受け入れ楽しめる大人でいたいなって思います。

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改めて、まだ自信がなく迷っていた時期にこの素敵な本に出会えたからこそ自分軸を持つことができて今の自分がいると思えます。

当時は、正直自分がネズミだと認めるのは愚かな下等動物だと認めるようで嫌だったのですが、今はネズミ的な本能と勇気を持っている自分が誇らしいです。

これからも自分の嗅覚を信じて行動ありきで夢に向かって邁進していこうと思います。と言う訳で、今回は名言集のようになったので今日の一言はお休みですが↓

*今日の1曲:ラビリンス by MONDO GROSSO              イヤホンをして聞いて欲しいトラックと美しい歌声の融合曲





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