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思考すること

思考は人を幸せにしない。なぜ人の脳は放っておくとネガティブなことばかり考えるのだろう。そればかりか何の根拠もない妄想を、強い感情を持って何度も繰り返す。それはまるで現実であるかのように錯覚するほど。時に記憶を歪め、捏造までする。

一体、思考とは何か。なぜその思考の持ち主を不幸にするようなことを何度も繰り返そうとするのか。

人の思考はその持ち主の命を守るために働くものだと思っている。基本的には損得勘定。究極的には生き死にのこと。しかし、損も得も本質的には同じであると考える。表でも裏でもなく、対立するものでもない。ただ偏りを表す状態のことだと思う。つまり出来事としては意味がなく、観測した者の解釈しだい。

出来事に意味がないなら、勘定のしようもない。またその必要もなくなる。現代において命の心配をしないといけない状況というのは、あまり考えられない。それなら損得勘定をする意味がない。

思考の仕事は損得勘定。けれど勘定の必要のない仕事は失せる。だから思考は消える。思考そのものに意思などない。

思考は今までの人生での経験と偏見の積み重ねや、解釈の詰め込みの結果。大抵の場合、無意識で自動的に走っているものだ。だからなかなか自覚できないし「人は簡単に変われない」と言われる理由になる。

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