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物語「オリーブの木を育てよう⑨」

1ページ目 『シオーモの小径』にチェロを持った人が、ぞくぞくと集まって来た。 🌏🌏🌏🌏 2ページ目 にぎやかな港にアナウンスが流れた。 「今日は、『シオーモの小径』にお集まりいただきありがとうございます。 これから『シオーモの小径で全体乾杯』を開催します。 お配りしたパンフレットの2ページ目をご覧ください。 『朗読 雨ニモマケズ』 これから、5分ほどチェロの演奏があります。 思い思いの場所で朗読いたしましょう」 「雨ニモマケズ・・・・・ 手をつなぎ輪になってい

    • 物語「オリーブの木を育てよう⑧」

      1ページ目 『オリーブの木の苗を運ぶ人』は、荷物を取りに行き、下船の準備をはじめた。「さ〜飛ぶよ。準備はいいかい?」と、カモメが言った。 蜂すずめは、よだかの背中の羽の中に、しっかりともぐり込んだ。 「だいじょうぶ?」 「うん。だいじょうぶだよ、よだか兄さん。よろしくね」と、蜂すずめは言った。 カモメは、船着場の民宿の屋根に視線を合わせた。 ☀️☀️☀️☀️ 2ページ目 船は、海水に、やさしく、やさしく押されながら船着場に入っていった。 船員さんたちが、上陸の準備

      • 物語「オリーブの木を育てよう⑦」

        1ページ目 今日は、仕事がお休み。 島へ行くことができる^_^ 『オリーブの木の苗を運ぶ人』は、はじめて冬を越すオリーブのために『ぽかぽかシート』を用意していた。 たくさんの『ぽかぽかシート』を大きな大きな袋に入れた。 「さ〜行くべ〜・・・んん?」 なんとなく庭に出てみると・・・。 鳥が1羽。 目が合った。 🌳🌳🌳🌳 2ページ目 『オリーブの木の苗を運ぶ人』は、部屋に戻った。 そして、おにぎりを1つ、ガーデンテーブルの上に置いた。 また、鳥と目が合った。 すると・・

        • 物語「オリーブの木を育てよう⑥」

          1ページ目 夜⭐️ 『オリーブの木の苗を運ぶ人』は、『ふた昔前の店』という名前の店に行った。 時々、行っては、この店のカウンターの中に入って、店主と一緒に歌を歌った。 屋根裏部屋のような小さな細長い店。 過去を流すTVがあった。 🌲🌲🌲🌲 2ページ目 『満ちたものしか降りれない屋根』に、こんばんも、『D社の乗り物』がやって来た。 ガイドのフランチェスコさんが、宮沢賢治さんと『星めぐりツアー』のお客さんを屋根に降ろした。 カモメ、よだか、カワセミ、蜂すずめ、ルリビタキが

        物語「オリーブの木を育てよう⑨」

          物語「オリーブの木を育てよう⑤」

          1ページ目 『明日、島に行きます。 9時30分発の船で行きます。 オリーブ畑を見て見たい人は集まれ〜。 島にお店はありません。 お弁当忘れずに❗️』と、ブログに書いた。 そして、『オリーブの木の苗を運ぶ人』は、庭に出て、月や星、惑星を見て楽しんだ。 すると、夜空の奥の方で、キラッと『D』が見えた。 「お〜また現れたな〜。おいで、おいで〜〜」と言うと、もう、庭に透明な四角い箱の乗り物が着陸していた。 ガイドのフランチェスコさんが降りて来た。 ふたりは、とてもうれしそうに挨拶を

          物語「オリーブの木を育てよう⑤」

          物語「オリーブの木を育てよう④」

          1ページ目 6月、45本になった。 7月、50本になった。 9月、52本になった。 10月・・・ 島のオリーブたちのはじめての冬。 実験用のオリーブを地植えした。 できるだけ、できるだけ、島のオリーブと同じ環境にしたかった。 水は、雨だけ。 だから、雨がうれしかった。 ほどほどの雨がうれしかった。 🌿🌿🌿🌿 2ページ目 『オリーブの木の苗を運ぶ人』は、夢をみていた。 外は雷雨。 でも、ぐっすり眠っていた。 いつものように、船に乗り、島に着いて、凸凹道を歩きオリーブ畑に

          物語「オリーブの木を育てよう④」

          物語「オリーブの木を育てよう③」

          1ページ目 今日も島に行った『オリーブの木の苗を運ぶ人』 休みの時は、できるだけ島に行った。 それは、オリーブ畑を作る前からしていたことだった。 陸が海になった日から・・・ 島や浜、村や町を見に行っていた。 なぜか・・・むしょうに・・・そうしたかった。 『オリーブの木の苗を運ぶ人』は、ガーデンチェアに座りテーブルにお地蔵さまを置き実験用のオリーブを見つめていた。 お地蔵さまの隣には、2匹の猫が座っていた。 ✳️ ✳️ 2ページ目 「にゃ〜〜」「にゃ〜〜」 猫たちが夜空

          物語「オリーブの木を育てよう③」

          物語「オリーブの木を育てよう②」

          1ページ目 船着場の民宿の屋根にカモメは降りたった。 すると・・・ そこへ、たくさんのスズメが集まってきた。 「久しぶりだね」 「君がここにいるってことは、島の『心』に頼まれた人を見つけたんだね」 「島はオリーブの話しで、もちきりだよー」 「ねーねー『渡り鳥』やめちゃったの?」 民宿の屋根は、たいへんにぎやか❗️^_^ 潮風がやってきて、そっとカモメの羽をなでた。 「おかえり」 🌱🌱🌱 2ページ目 「もう2年・・・まだ2年だね」 近づく島を見て思った『オリーブの木の

          物語「オリーブの木を育てよう②」

          物語「オリーブの木を育てよう①」

          1ページ目 「私の体には、今まで一度もオリーブの木が植えられたことはなかった。 しかし、きのう、2本、私の体にオリーブの木の苗が植えられたのだ。 カモメよ、しばらく様子を見てきてくれないか?」 「いいですよ。 ここに来るには、船に乗らないと来れません。 どんな人間が植えたのか見てきますよ」 カモメは、この島の『心』に言った。 *・゜゚・*:.。..。.:*・'・*:.。. .。.:*・゜゚・* 2ページ目 港から島まで1時間。 1日数便。 いつ来るかわからない『オ

          物語「オリーブの木を育てよう①」