まちづくりに触れて|#訪問体験記
今回は、外の人。
7月の3日間、体験プログラム~まちづくり実践型~に参加した遠藤くんの記事です📒
7/15~7/17にかけて、私はMYSH/よりみちのまちづくり体験プログラムに参加しました。「面白い町だから見てくるといいよ」きっかけはゼミの先輩のそんな誘いからでした。
それから現地の方にもお話を伺う機会があり、南相馬は馬のまち、そしてロボットのまちであることを知りました。
…いや、どんな町なんだ。
そんな少しの好奇心に動かされ、都内在住・大学3年の私は、福島県 南相馬市へ行って2泊3日のプログラムに参加しました。
到着
東京から特急ひたちで3時間30分。原ノ町駅に着いて、まず目にしたのは道の奥までずーっと続く大量の旗でした。
私が訪れたのは南相馬のビッグイベント野馬追が迫った時期で、まちは祭りに向けて盛り上がっているところでした。
(このあと3日間、行く先々で「祭りの日も来な!」と勧められます笑)
ちなみに公道では普通に馬が歩いてました。
さっそく馬のまちを目の当たりにしたところで、今回の参加者と合流します。ほとんど同年代の大学生2人と社会人2人が集まりました。よりみちオフィスで自己紹介をして、いよいよ南相馬を巡るプログラムがはじまりました!
はじまり
現地ではとにかく写真とメモをとることを意識しました!
正直たのしすぎて観光気分になってしまう時もあったのですが、「いやいや学びにきたんだぞ!」と気持ちを入れ直しつつ臨んだ3日間のフィールドワーク。
自分はどんなことに気づき、なにを学んだのか。振り返ります!
1日目
最初に訪れたのは“ロボットテストフィールド”。様々な企業が実証実験を行っていて、空飛ぶ車もここで飛んでいるみたいです!
沿岸沿い、なにもない平野に施設は建てられていました。ここは東日本大震災で大きな被害を受けた地域でした。しかし、何も無くなってしまったからこそ、こうした大規模な施設をつくり、新たなチャレンジをすることができたのです。
ロボットのまちと呼ばれるようになった背景には、そうした震災とのつながりがありました。
そのあと午後に訪れた小高区も、震災の影響が強く残っていました。小高は5年間、居住が許されなかった地域でした。
しかし、震災の被害があった一方で、ここでも新たなチャレンジが生まれていました。
民家をリノベーションした酒蔵“haccoba”、芥川賞作家・柳美里さんがつくったブックカフェ“フルハウス”、起業家たちが集まるコワーキングスペースを運営する“小高ワーカーズベース”。
これらの場所は震災後に移住してきた人たちがつくったもので…駅前にコンビニもない地域に、こんなにも新しくて面白い施設があるんだとびっくりしました!
小高区はチャンレジをする人たちが集まる場所になっていました。
しかし、ここで知ったのはそのチャンレンジの難しさでした。
パン屋カフェ「アオスバシ」をオープンした森山貴士さんは、以前からこの地域で事業に取り組んでいます。
小高区については「いっかい災害でゼロになってるけど、ゼロから町のシステムを作り出すことができる」とまちづくりの楽しさについて語ってくれました。
一方で、そこで起きる問題についても話してくれました。
実はこうしたコワーキングスペースなど新しくて面白い施設が増える一方で、前から住んでいる地域住民の人たちはそれを利用してない現実があるそうです。
すると、どうしても住民の方からの理解は得づらく、時には対立が生じてしまったこともあったそうです。
そして森山さんは小高区のまちづくりには、そうした完全にゼロになったわけじゃない難しさがあると話してくれました。
森山さんがこの地域でアオスバシというパン屋さんを開いたのは、地域住民の方にお店を使ってほしいという思いがあります。
1Fのパン屋さんには地域の中の人が集って、
2Fのコワーキングスペースには地域の外の人が集う。
中の人と外の人がゆるやかに繋がる、それがアオスバシという場が目指しているところなのだと話してくださいました。
2日目
2日目は南相馬の中で最も栄えてる原町区を、自由にまち歩きしました。まち歩きを終えたあとは、参加者同士で発見したことをシェア。
そこであがった、参加者のひとりである大学生の話を紹介します。その子はまち歩きをする中でとにかく沢山の人に話しかけたそうです。(気に入られたお魚屋さんには刺身までご馳走してもらったそう笑)
そうして住民の方と話す中で「この地域についてどう思いますか?」と聞いたそうです。すると多くの人からは「やっぱり馬の町じゃないかな?」と返ってきたり、「何もないところだよ」と話されたり…。満足のいく答えは得られなかったそうです。
実はこうしたやりとりには自分も心当たりがありました。なので、どうしてうまくいかなかったのだろう…と話し合いになりました。
浮かびあがったのは、ぼくたちのスタンスの問題でした。
僕たちは学びを求めて、地域のテーマを探して、まち歩きを行いました。だけど、そこに住んでる人はただ住んでるだけ。急にまちのテーマなんて聞かれても困るのは当たり前のことでした。
つまりここでも地域の中の人と、僕たち外の人のズレがありました。
地域の人たちを学びの対象にしてしまうのではなく、もっと普通のコミュニケーションを大切にしようと思いました。日常的な会話を話して、そこからヒントを得れたなら、テーマを考えるのは自分たちがやることでした。
明日からはそうしたフィールドワークにしようと、大きな気づきを得られた2日目でした。
……と、そんなマジメな話し合いもしつつ、夜はMYSHハウスで宴会でした。昨日に行ったhaccobaのお酒をのんで、住民の方と収穫した野菜で料理をつくって、「帰りたくないなー!」とみんなで話したのをおぼえてます笑
3日目
最終日はダムのある自然ゆたかな鹿島区を巡りました。この地域でカフェを開業するという松野さん案内のもと、まち歩き。
レトロな商店街には味噌屋さんや鯛焼き屋さんなど気になるお店もありました。お店に伺って、売ってる食べ物のことや野馬追のことを聞きました。前日の気づきもあり、最終日がいちばん地域の人たちと話せたなあと思います。
その中で気になることがありました。
この鹿島は南相馬の中でも震災の影響が少なかった地域で、3区の中でも国からの補助金が少なかったそうです。補助金を受けて新しい施設が沢山できる小高区、それに比べて「鹿島はなにもないよ」という声を住民の方からもすごく聞きました。
松野さんもここでカフェを開業すると話したときに「なんで小高でやらないの?」と言われたそうです。
松野さんはなんて答えたんですか、と聞くと「鹿島の自然、そして何より昔からの商店が営まれている風景が南相馬市の中で一番好きだから」とのこと。
もしかすると長く暮らしているからこそ当たり前になっていて気付けてないだけで、僕も鹿島には他の区にはないそ魅力を感じていました。僕たち外の人たちだからこそ、気づけることもある。
これもまちづくりのヒントになりました。そんなところで、南相馬を巡る3日間のフィールドワークは終了しました。
振り返りワークショップ
最後は、よりみちオフィスに戻って3日間の振り返りを行いました。南相馬ってどんな町だったかを考えます。
南相馬を巡る前は、「馬」だったり「ロボット」だったり「チャレンジ」だったり、いま思うと簡単なイメージしかありませんでした。
それが実際に3日間まわってみた結果、南相馬はどんな町か、ひと言で言い表すのがとても難しくなってしまいました。
中の人と外の人、伝統とチャレンジ、そして3区それぞれにある背景、それらを知れたからこそ南相馬という市のイメージが自分の中でごちゃごちゃになってきました。
単に新しいことをすればいいわけではないし、そこにもともと住む人たちも無視できない。だから、まちづくりに絶対的な正解はないんだなと。
南相馬で目にしたのは、そんなごちゃごちゃした中で、ああでもないこうでもないと試行錯誤をしながら、それぞれの方向からまちづくりに取り組む皆さんの姿でした。
そうした考え、迷いながらも最後には南相馬を ”まちづくりができるまち”とまとめました。
おわりに
最後にお世話になったMYSH/よりみちの方々、3日間ありがとうございました。
松野さんに、次は自分が南相馬に何ができるかを考えてみてほしいと聞かれて、すごく悩みながら書いてます笑
たしかに自分は3日間で南相馬のことを好きになれたし、まちづくりに関われたら関わりたいくらいの気持ちになってます…。
だけど、それはもっと南相馬のことを知ってからでもいいのかなとも思いました。
それはMYSH/よりみちの方々といっしょに行動したからこそ感じたことでした。
一緒に歩いてると、地域の方に「よりみちの人だよね」と声をかけられては「こんどまた野菜取りいくね!」や「いっしょにお家でパーティしましょう」と話されているみなさんの姿がやっぱり印象的でした。
そうしたさりげない場面の数々から、みなさんの南相馬のまちづくりに対する思いや姿勢が伝わりました。
たかが3日間、されど3日間。ということで学びある日程だったのは間違いないのですが、皆さんのまちづくりに比べてまだまだ自分は南相馬に入りこめてないんだなと思います。
だから忘れないよう…口先だけにならないよう…また繰り返し繰り返し訪問することがいまの自分にできることかなと思います。
ということでまた来月さっそく参ります!
その時はまたどうぞよろしくお願いします!
遠藤くん、素敵な記事をありがとうございました👏
また南相馬を知るために、ぜひ来てくださいね。
9月お待ちしております~!
遠藤さんの参加した体験プログラムの様子と参加者のリアルな感想をまとめた動画はこちらです👇
こちらも、ぜひご覧ください~!
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