研究)「潜在看護師の復職支援」 7.総合的な考察※卒業研究ラスト!

7.総合的な考察
​7-1.本研究の限界

本研究で行ったインタビュー調査は、復職に成功した看護師のみにしか行えていない。
看護師たちに、周囲の潜在看護師の話は伺えたものの、潜在看護師本人の声を取ることはできなかったことが、本研究の限界である。


​7-2.考察

キャリアアンケートからも、看護師の中には将来家庭に入ることを見据えている者が一定数いることが明らかであった。
潜在看護師に効果的な復職支援策を構築することは、今の潜在看護師のみならず、
今後、潜在看護師になる人がいかに復職するかということにも関わり、将来的に不足する看護師を減らすという意味合いも持つ。


看護師への調査結果と、実際の復職支援とのギャップを埋め、
復職へのステップを円滑に看護師が歩んで行くために、効果的あると考えられる対策を各ステップについて述べた。


7-2-1.「復職支援研修」の活用
第1ステップ「困難感の払拭」には、現在行われている復職研修の活用を図ることが効果的であると考えられる。
その際、間口が狭いというイメージや敷居の高さを無くすことが求められる。
まずは、開催数を増加するとともに、参加者に対して参加のハードルを下げ、身近な場所など、
現在は行われていない医療機関や施設においても研修を導入していくことが必要だと考えられる。

また、医療機関側が作成したプログラムとしての研修以外にも、「体験入職」を行うことが効果的であると考えられる。
潜在看護師は、自分の医療技術とともに、現在の医療がどうなっているのかといったことも不安に感じているため、
実際に働いてみることによって、自分でもついていけるという自信をもつことが出来ると考えられる。
更に、体験入職から就職に繋がれば、医療機関としてもミスマッチを減らすことができるというメリットもある。

7-2-2.「誰もが情報を得られるような仕組み作り」の構築と、情報のミスマッチ解消

第2ステップ「復職のための最低条件」では、
情報を偶然得られた人だけが次のステップへ行けるという状態を解消することが効果的であると考えられる。
例えば、誰もが目につきやすいところへ情報を提示したり、潜在看護師の存在の把握を試みることで、
情報を与える側が積極的になったりすることが効果的であると考えられる。


それに加え、ナースバンクにおける全国情報は潜在看護師のニーズ(家の近くの情報を知りたいと考えている)に合っていないという現状があるため、
地域に特化した就職先の情報を伝えて行く必要があると考えられる。
これについては、厚生労働省が2015年以降に「看護師等人材確保法」の改正を行い、
看護師の情報をきめ細やかに管理し、復職支援につなげるとしている。


​7-2-3.「周囲からの理解促進」

第三に、「周囲からの理解」では、家族と職場における、仕事と家庭の両立への理解促進が効果的であり、
家庭と両立をして働くことへの家族からの理解促進を行う、コミュニケーション面からのアプローチと、
日本看護協会が制作した「Are You Happy?」の認知促進による、職場からの理解向上が効果的であると考えられる。


これら3ステップについての対策を行っていくことで、潜在看護師の復職を円滑化することができると考えられる。

私の卒業研究論文の内容は以上です。
今後も、noteは続けてまいりますので、次回もお楽しみに!

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