【人生をラクにする1冊】最近読んだ純文学を3冊紹介します
純文学を読んで”あたりまえ”を手放す。
純文学を読む。それだけで何も変わっていなくてもココロが少しだけ軽くなる。あたりまえだと思っていたことがあたりまえではなかった、それだけで人生がラクになる。そんな純文学、最近読んだ純文学を3冊紹介します。
純文学とは?エンタメ作品との違いは?に関しては次のnote記事を御覧ください。
【1冊目】「グレイスレス」(著:鈴木涼美)*再読
今年の1月は発表された第168回芥川賞のノミネート作品。
残念ながら芥川賞受賞とはならなかったですが、受賞作にも負けない1冊。
自分らしさ、ブレない自分というフィクションをいちいち他者に説明、示さないといけない謎の圧力がかかる現代で、どちらにも染まらない何者でもない自分でいることの心地よさを感じた。
白でもなく黒でもない、その間でグレーな心地よさを感じる"今っぽい"作品。それでもその心地よさをいつまでも感じることができなくなっていく。リアリティを感じる。
自分のことを全部自分で決めたくない!という気分の時に心地よさを感じたい時に読みたい1冊。
【2冊目】「改良」(著:遠野遥)
狭くて暗い閉じた世界観。
その自閉された世界観を客観的に、そして不気味さと同時になぜか心地さ感じながら読めてしまうのがこの遠野遥という作家の魅力。
彼はただ美しくなりたい。それだけなのに。
現実で起きたことというのは、世界を閉ざしたいという欲求とその閉じることを許さない他者や社会からの圧力の摩擦の結果としてある、ただそれだけなのかもしれない。
それがデビュー作ということもあって生々しく荒々しく描かれている。
閉ざされた世界の中になぜ美しさを感じるのか?
それを見出したい人向けの1冊です。
【3冊目】「破局」(著:遠野遥)*再読
その遠野遥の2作目で芥川賞受賞作。
デビュー作「改良」に続き独特な閉ざされた世界観が魅力的な1冊。完璧なスペックとは裏腹に、主人公の閉ざされた世界観とそれを許さない他者からの圧力との摩擦の結果として、主人公が迎える結末とは?
この破局の前作となる改良を読んだのと、ちょうど文庫版が発売されたので再読。改良に比べると生々しさは抑えられていて比較的サラッと読める閉ざされた世界と、その崩壊ぶりが楽しめる1冊。
今回紹介した3冊も個別に書籍紹介記事を書いていきます。
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AIを使えばクリエイターになれる。 AIを使って、クリエイティブができる、小説が書ける時代の文芸誌をつくっていきたい。noteで小説を書いたり、読んだりしながら、つくり手によるつくり手のための文芸誌「ヴォト(VUOTO)」の創刊を目指しています。