ラジオをやった/やりたい #1

最近のわたしの動向として(そんなものを誰が気にしているというのですか?)、歌ったり喋ったりしていると言うんがある。

中学生の頃にどうにかこうにかお金を工面し、皆が新型の薄くて軽くてかっこいいのんを持っている中、煙草の匂いが染み付いた、黒くて太い旧型のPSPを買ったことがあって、それはもともとはといえばモンスターハンターをみんなと一緒にやりたかったからと言う理由だったのだけれども、けっきょくそれも友達の他力本願で一通りクリアしてしまって、それ以上ゲームをすることはなくなってしまった(去年それ以来10年ぶりくらいにゲームに触れることと相成った)。して、その当時は携帯電話を持っておらず、パソコンも家族共用で、好きな時間に触れなかった時分であるから、お小遣いをせっかくはたいて買ったPSPはもっぱらインターネットブラウザ機能を使ってTwitterをしたり、助平なイラストを眺めるための機械となったんである。

ちょうどゲーム機がインターネットに繋がり始めたあたりで、デバイスのファームウェアアップデートなんてものもそのあたりから始まったものであると記憶している。かつてはカセットを入れておらねばぴこーんとゲームボーイのロゴが出るのみでうんともすんとも言わなかったから、これはおどろくべきことである。電源をいれれば、ソフトが入っていなくても、「こんなことやこんなことは、まあ、できますよ」とメニュー画面が出てきてくれ、じっさいゲームなんて触らなかったからそれで十分、YouTubeから引っ剥がして来た音楽を聴いたり、カスタムテーマといってメニュー画面の見た目を変えられる機能で遊んだりしていた。

そんなPSPの使いみちのひとつに、Livedoorねとらじの聴取機能があった。有志が作ったiTunes風の見た目の拡張機能をメモリースティックに入れておくと、どこの誰とも知らん人が勝手にしゃべっていたり、音楽を勝手に流しているのを聞くことができたのである。ARIAのサントラをずっと流し続けている者もいれば、エロゲの実況をしているものもおり(頑張ってずっと聴いていたが結局Hシーンにはたどり着かなかった)、さよなら絶望放送の録音を勝手に流し続ける者がいたと思えば、同人イベント前に各サークルから試聴用音源を募り、順にそれを流しながらかんたんなレビューを添え、サークルチェックのお供にどうぞという者もいた。考えてみればこれがインディーの音楽に触れた最初の体験である。

いまでこそニコニコ生放送やYoutube Live、もしくはツイキャスなんかが一般的になり、個人がコンテンツを生で配信することも珍しくなくなっていて、むしろなんだか気軽にできる副業としておなじみであるが、当時はなんとかやり方をググってみてもサウンドカードがなんやと言われ、それはなんやと思ってまた調べてみると高っかい高いパソコンのパーツであって、結局生放送はできずに終わった。やったとて何を喋る気だったのかはよくわからないし、万が一録音など残ってなどいればわたしは今頃亜高速で遠ざかる星のように顔を真赤にしており、キーボードを叩き割ってしまっていたはずなので、これで良かったはずである。はずであるが、なんの弾みなんだかこの前YouTube Liveで4時間ほど喋ってしまったうえに、きっちり録音が残っている。

これはいったいどうしたことであろうか。(つづく)

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