四百字詰:1

「シン・エヴァ」を見た。一つの物語が終わった。95年生まれでこの作品と自分とは同い年であり、リアルタイムで楽しんだわけではないけれども不思議な縁を感じないわけでもなく、そんなものはただの偶然である。そんなに思い入れがあったわけでもなかったしテーマや設定だって自分の中では鮮烈ではなく(とても濃くて好きだけど)、しかし鮮烈であることと感慨があることとはまた別のお話であって未だに心をフィクションの世界においてきてしまっていて忸怩たる思い、あれだけ虚構と現実の間の壁を溶かし線を引かれたというのに。不思議なことであのあとフローティングポインツとファラオ・サンダースの新譜を聴いたらリアリティが凄くて驚いた、フェルトと鉄の衝突にはそれがフィクションであるかを問うことに意味があまりなく、嬉しい(しかし一方でコンヴォリューションリヴァーブやグラニュラーシンセシスに幻想を見ているのも認めざるを得ない)。

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