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行政書士試験合格と、川栄李奈の魅力

(本投稿は、2019年2月3日に掲載したものを再掲するものです。)

先日、平成30年度行政書士試験の合格発表がありました。僕は無事に合格することができました。これからこのnoteに合格体験記を書くのですが、これから受験を検討されるかたはこの体験記をすべては信用せず、ほどほどの距離感を保って読んでくださるとうれしいです。

1. 試験結果

結果は、択一式186点、記述式34点の計220点でした。試験の合格基準点は300点満点の180点以上で、択一式だけでそれを超えることができました。

2. 自己紹介と受験の背景

大学を卒業してから、しばらくは社内システムを運用・保守するシステムエンジニア(SE)でした。その後、数回の転職を経て、現在は金融機関のようなところでコンプライアンスを担当しています。普段の業務としては、業界・業務にまつわる法・制度について改正の動向を確かめて社内の規程・ルールとして作りこんだり、法定帳簿をつらつら記入したり、契約書をレビューしたりしています。

行政書士試験を受けようと考えたのは3年前です。当時、異動でコンプライアンスを担当するようになったばかりでした。異動前は社内システムや総務を担当していましたが、異動後は金融商品取引法や業界団体規則を中心に、法令等が仕事で当たり前のように現れて戸惑いました。目の前の仕事をなんとかこなしてはいるけれど、このままではコンプライアンス担当として根幹の知識を得ることができない。そう懸念しました。そして、その懸念を解消するためには、法律に関する基本の理解が不可欠と思うに至りました。その点、行政書士試験は、憲法や民法をはじめとする法令等の基礎を学ぶことができる点で挑戦する価値を感じました。それとともに、普段の仕事で金融機関として免許に関する届出書類を作成して監督省庁へ提出することや、パブリックコメント(意見公募手続)を参照して法改正の動向を確認していたことから、行政法を学ぶことがコンプライアンス業務の基礎を築くことにつながると思いました。これが行政書士試験に挑戦するに至った背景です。

3. 受験勉強期間

3年前、行政書士試験に挑戦することを決意したのはいいものの、勉強はほとんど進みませんでした。理由は、業務の繁忙やそれによるメンタルの疲労でした。それでも平成27年度の試験に受験はしましたが、300点満点で108点しか取ることができませんでした。

今回(平成30年度)の受験においても、業務の繁忙は続いていました。しかし、タイミングがよかったことに、同じ業界でコンプライアンス業務を担当できるポジションから内定をもらい、転職することが決まりました。2018年7月に前職を退職し、現在の会社に入社するのが9月だったので、8月にまるごと1ヶ月休むことができました。その1ヶ月の休養で温泉旅行や海外旅行へ行くことも考えましたが、行政書士試験に挑む絶好の機会ととらえ、1ヶ月間集中して勉強しました。勉強の教材は、TACの通信講座(プレミアム本科生)を使いました。

9月からは各予備校が開催している公開模試を受け、本番と同レベルの問題を本番と同形式で解いていきました。僕は他の受験生と比べて勉強期間も勉強量も極端に少なかったものの、初回の模試で予想を超えて188点を取ることができました。今思えば、TACの教材は基礎が見事に凝縮されていて、そのテキストや過去問題集を繰り返すことで得点を取ることができたのだと思います。その後の模試も、最低点172点、最高点240点、平均198点と、おおむね順調に得点することができました。

ただ、不安要素は2つありました。

ひとつめは、行政法の得点力でした。「行政法を制する者は、行政書士試験を制する」ともいえるほど行政法は重要なのに、僕は行政法が完全に不得意でした。合格するためには、行政法の択一19問中、15~16問程度を正答できる実力が必要です。しかし僕は模試で12~13問しか正答することができませんでした。

もう一つは、択一式問題の正答率でした。「択一式だけで180点をとる」と戦略を立てていたのに、模試でほとんど到達していなかったことが不安でした。行政書士試験は、択一式240点と記述式60点で構成されています。そのうち択一式は、試験本番直後に予備校の解答速報を照会することができ、その自己採点結果がゆらぐことはほぼありません。しかし、記述式は部分点を含む配点や採点基準が必ずしも明確ではなく、予備校の採点サービスを活用してもその予想得点はゆらぐことがあります。試験が11月第2日曜日に行われ、合格発表は翌年1月下旬と2ヶ月以上待たされることから、択一式だけで180点以上取れたことが試験直後の自己採点で確実視できれば、安心して合格発表を迎えることができることになります。このように試験を終えてから合格発表までの緊張感を最小限にするため、択一式だけで合格点に到達することを目標にしていました。しかし、模試では択一式の得点が150点~168点程度にとどまっていました。

これら2つの不安要素を克服するために、行政法の択一式で正答率を上げる勉強に腐心しました。僕はテキストと過去問題集が中心だった勉強法から転換して、試験の残り1ヶ月は条文を繰り返し読むことにしました。特に行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法の行政3法は、毎年3問ずつ計9問出題されて重要度が極めて高かったことから、行政書士試験六法を読むだけでなく、原則と例外を表にまとめて条数もすぐ思い浮かぶように記憶していきました。その結果、行政法の科目別答練において、9月には56点しか取れなかったものの、試験2日前に再度解いたら100点満点を取ることができました。これで試験直前に合格の手ごたえを得ました。

4. 合格発表後とこれから

試験から数日後に自己採点して、択一式だけで182点(その後、正式には186点)取れたことがわかりました。そのため、合格発表を待たずに合格を確信しました。まさに目標に設定したとおり、発表までの緊張感を和らげることができて本当によかったです。昨年9月に新しい会社に入ってから、繁忙な業務に精神が追い詰められたこともありました。しかし、その状況でも試験勉強を続けて、合格発表前に合格を確信できる実力を身につけ、たしかな得点で合格できたことは、相当の自信をもたらしました。

今後は、(1)現在のコンプライアンス業務をより質の高いものにして、(2)弁護士を目指して司法試験予備試験の勉強を進めて、(3)行政書士事務所を開設して許認可を中心とする業務を副業として始めて、(4)予備校が開設する行政書士対策講座の教材作成をサポートすることを並行で進めていくつもりです。けれど今は、行政書士試験には合格したものの、法律家を名乗るにはまだ実力がまったく及ばない。僕の好きな川栄李奈さんのように、どの仕事でも着実な成果を出せる人物になるべく、これからも研鑽を続けていこうと思います。この場ではもっと川栄李奈さんの魅力について語りたかったのですが、彼女への情熱とは裏腹にキーボードを打つ手が疲れてしまいました。またの機会に書き綴ろうと思います。ああ、これがタイトル詐欺というやつですか。今後気をつけますね。

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