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2024年08月22日の見解

昨日の為替相場ですが、前日の下落のショートカバーが東京時間から入り、ドル円の買い戻しが続いていましたが、NY時間の注目されていました、「米労働統計局(BLS)年次改定」の結果により、下落することになります。

その後もFOMC議事録公表の内容を受け、昨日の底値を探る展開となり、頭が重たい状況が続きました。

では昨日の流れをまとめていきます。


まずは東京・欧州時間ですが、前日の下落からのショートカバーが入り、午前中からドル円の買い戻しが入ります。


昨日にもお伝えしている通り、「米労働統計局(BLS)年次改定」についてJPモルガン・チェースの予測では約36万人減で、ゴールドマンは60万人以上(もしくは100万人ほどの下方修正)の改定を予想しているとされていました。


この年次改定について報道が出したのが今週の月曜日からなので、そこから考えるとドル円は約3円(300pips)の下落幅となります。


ここまで織り込まれていた事もあり、発表前までにショート勢のポジションの移動もあったのか、買い戻される状況が東京から欧州にかけて行われた印象です。


結局昨日の東京時間から欧州時間にかけての買い戻しは、1.25円(125pips)ぐらい入ることになり、NY時間を迎えます。


そしてNY時間に突入し、日本時間の23時から「米労働統計局(BLS)年次改定」の発表予定でしたが、結果的にこの時間には発表されませんでした。

しかし、23時になった瞬間大きくドル円は上昇することになります。


その要因としては、2023年度の改定値「30.6万人」が今回の数字と勘違いされ、「アルゴが反応したのではないか?」と言われています。


そして、結局正確に発表されたのは23時30分になりますが、下方修正が「81.8万人」と発表されました。

これは2009年以来の下方修正の数字で、最大規模と言っても過言ではありません。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-21/SIKOLAT0G1KW00?srnd=cojp-v2


しかしこの発表後、相場はそこまで反応しませんでした。

過去最大規模の下方修正だったので、影響はあると思っていましたが、「100万人はいってないから?」それとも「既に織り込まれていたのか?」と思えるぐらいの動きとなります。


しかし発表から一時間後ぐらいからドル円相場は下落に転じ始めます。


そして注目されていたFOMC議事録公表が以下になります。

【FOMC議事録公表(8月6日開催分)】

  • 大多数の当局者は9月の利下げは適切とみている

  • 数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘

  • 多くの当局者は金利は抑制的だと指摘

  • 雇用に対する下振れリスクは増大しているとみられている

  • ほぼ全員の当局者が利下げ前にインフレデータの詳細を希望している

  • ほぼ全員当局者がディスインフレの継続を予想

  • 一部当局者は労働市場のより深刻な悪化のリスクを指摘

  • 当局者はインフレの上振れリスクは低下したと指摘

  • 7月に利下げの論拠を複数の当局者が示した

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-08-21/SIKY0ET0AFB400


これからのデータの条件はあるものの、「大多数の当局者は9月の利下げは適切」など、ほぼ9月は利下げに踏み切りそうな内容だっただけに、「ハト派」と捉えた様子。


しかも「数人の当局者が7月会合で利下げの論拠を指摘」と7月時点でもそのような事だったので、ほぼ9月の利下げに関しては決まりとマーケットは判断しております。


ジャクソンホール会議にてパウエル氏の発言が注目されていますが、9月はほぼ確定とのことから、年内の動きに対しての発言がどのように出るのか?に注目点が変わりそうですね。


現状のFedWatchに関しては以下になります。


そして米株価に関しては以下になります。

昨日の動きは非常に難しかった印象です。

23時時点の勘違いでの動きは上昇することになりましたが、結局23時30分の発表時の株価の下げは限定的で、金利低下による株高の方にシフトして上昇していく流れとなりました。


いわゆる「bad news is good news」の動きになったということです。

もしかしたら、「米労働統計局(BLS)年次改定」に関しては過去の事なので、そこまで反応しなかったかもしれませんね。


そして昨日株価の動きで優先された金利に関して、現在の長短期金利の水準は以下になります。


一般的に言われている短期金利が2年で、長期金利が10年になります。


当然10年の方がリスクを伴うことから、利払いが多くないといけないのですが、現在は短期である2年の利払いの方が多いことが上記を見てもわかると思います。


この現象を「逆イールド」と言いますが、景気悪化の前兆と言われていて、政策金利を急激に上げ出した2022年夏頃からこの現象は続いております。


政策金利を利下げに引き下げることによって一番影響があるのが、「短期金利」になります。

なので、上記折れ線グラフを見ていただいてもわかると思いますが、現在の「利下げ」観測がでだして急激に下落し、長期金利である10年の方は緩やかに回復傾向にあるので、「順イールド(通常の金利水準)」に戻りつつあるということになります。


このような金利低下は株価にとってはプラスに働くので、昨日はFOMC議事要旨の内容もあったことから、上昇に転じたという内容の方がしっくりきます。


「債券・株価・為替」に関しては常に連動しておりますので、細かい所ではありますが、チェックしておいてください。


本日の指標&要人発言


経済指標

  • 仏、独、欧、英、製造業PMI【速報値】

  • 仏、独、欧、英、非製造業PMI【速報値】

  • ECB理事会議事要旨公表(7月18日開催分)

  • 米新規失業保険申請件数

  • 米製造業PMI【速報値】

  • 米非製造業PMI【速報値】

  • 中古住宅販売件数


上記になります。


本日は各国のPMIの発表になります。

引き続き注目の経済指標になります。


そして本日からジャクソンホール会議になります。

発言自体は明日からになりますが、本日から思惑で動き出す可能性もあるので、警戒は必要です。


本日もよろしくお願いします。

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