2024年07月25日の見解
昨日の為替相場ですが、引き続きドル円・クロス円中心に大幅下落するというキャリートレードの巻き戻しの動きが大きく出ました。
ドル円は一時153.123円まで下落することになり、値幅では2.85円(285pips)動くことになりました。
そして米株価や日経平均も大幅な下落となり、現在の相場は「円高・株安」の動きとなっております。
では昨日の流れをまとめていきます。
昨日は東京時間から実需の買いが入るも、米系ヘッジファンドなどの「決済・損切り」などが断続的に持ち込まれている状況で、現状は円高に振れる動きが継続しております。
東京時間
来週に予定されている「日銀会合」が意識されている動きで、「利上げ」が行われるのではないか?という思惑が上記の動きに繋がっています。
そして夕方にも以下の報道が流れ、ドル円やクロス円が売り込まれる事になりました。
タイトルと内容に関しては少し差があるように感じていますが、このような記事が出たことにより、欧州時間からNY時間にかけて大きく下落する流れとなります。
ドル円は数分で154.931円→154.280円まで急落、そして日経平均先物は38970円から38830円に急落することになります。
そして欧州時間には以下の経済指標が発表されました。
欧州・経済指標
【仏製造業・サービス業PMI【速報値】】
製造業:予想45.8 結果44.1(前回45.4)
サービス業:予想49.8 結果50.7(前回49.6)
【独製造業・サービス業PMI【速報値】】
製造業:予想44.0 結果42.6(前回43.5)
サービス業:予想53.3 結果52.0(前回53.1)
【欧製造業・サービス業PMI【速報値】】
製造業:予想46.1 結果45.6(前回45.8)
サービス業:予想53.0 結果51.9(前回52.8)
【英製造業・サービス業PMI【速報値】】
製造業:予想51.1 結果51.8(前回50.9)
サービス業:予想52.5 結果52.4(前回52.1)
ドイツPMIが悪化しているのが目立ちますね。
欧州のPMIは、フランスのサービス業以外は全て予想を下回る形となり、瞬間的に下落する事になりました。
そして英国はマチマチの結果となりましたが、欧州通貨よりポンドが強い要因は、このように経済指標が堅調な所かもしれないですね。
上記の結果が出た後は、米国の金利に振らされる流れとなり、ドルストレートは全般的に上昇することになります。
そして注目されていたカナダの経済指標が以下になります。
【BOC政策金利&声明発表】
結果:25bp利下げ(4.50%)
【BOC声明】
世界経済は2026年まで年率約3%で拡大し続けると予想
インフレ率はほとんどの先進国で依然として中銀の目標を上回っているものの、徐々に緩和すると予測
米国では、予想されていた経済減速が現実のものとなり、消費の伸びは鈍化している
米国のインフレ率は再び下降傾向に戻ったようだ
世界的な金融状況は緩和しており、利回りは低下、株価は上昇し、企業債務の発行は堅調
カナダドルは比較的安定しており、原油価格は4月の金融政策報告書(MPR)で想定された水準付近にある
カナダは、今年上期に経済成長が1.5%程度まで上昇する見込み
労働市場には緩みの兆候がある
失業率は6.4%に上昇し、雇用は労働力人口の成長率を下回り続け、求職者は職を見つけるのに長い時間を要している
賃金の伸びは鈍化の兆候が見られるが、依然として高い水準にある
コアインフレ指標は、2024年後半に約2.5%に減速し、2025年にかけて徐々に緩和すると見込む
ガソリン価格に対する基準年の影響が主な理由で、今年後半にCPIインフレがコアインフレを下回ると予想
これらの影響が薄れると、CPIインフレは再び上昇し、来年には2%の目標付近に落ち着く可能性がある
幅広い価格圧力が緩和し続け、インフレが2%に近づくと予想されるため、理事会は政策金利をさらに0.25%引き下げることを決定
継続的な過剰供給により、インフレ圧力が低下している
理事会は、インフレに対するこれらの相反する力を慎重に評価
金融政策の決定は入手される情報と、それらがインフレ見通しに与える影響に関する評価に基づいて行われる
物価安定を回復するという確固たる決意を維持
注目されていたカナダ中銀の動きですが、2会合連続で「利下げ」をする事になりました。
マーケット予想とほぼ一致しており、声明も「ハト派」な内容だったことからカナダドルが売られる流れとなりました。
「インフレが予想通り緩和するのであれば、追加利下げも可能である」という内容が特に反応したように感じます。
上記の結果により、カナダドルの売りが強まることになりました。
そしてNY時間からは以下の経済指標の発表がありました。
米・経済指標
【米製造業・サービス業PMI【速報値】】
製造業:予想51.7 結果49.5(前回51.6)
サービス業:予想55.0 結果56.0(前回55.3)
【米新築住宅販売件数】
予想64.0万件 結果61.7万件(前回61.9万件→62.1万件)
いずれも予想を下回る弱い数字となりました。
この結果でドル安に繋がったかというとそうでもないのですが、弱い経済指標があることで、頭が重たい展開が続いているということもありますので、掲載しておきます。
(現在の相場)むしろ「日銀利上げ観測」で市場は振らされているので、こちらの報道を要確認です。
昨日は「自民党の茂木敏充幹事長」の発言も、NY時間の「円高」を誘った内容でした。
【自民党の茂木敏充幹事長】
河野デジタル相の『円安是正発言』にて動くことになりましたが、このような突発的な内容に巻き込まれないように、警戒をしておく必要がありそうです。
テクニカルでは、このような「日銀利上げ観測」がタイミングよく出ることで、一目均衡表では薄い雲を下抜けるきっかけ(材料)となりました。
(現在)チャートの意識されているライン(サポートラインと月足PivotのR2付近)は、152円のキリ番を下回るかどうか?に注目しています。
ワンタッチ後に反発されるとは思いますが、ここを突破する材料が出るかどうかという所ですね。
もしくは、今回の日銀報道が152円のラインまで到達する材料がだったと見るべきか。
いずれにせよ、材料(ファンダメンタルズ)とテクニカルの側面は、タイミングよく材料が出て・テクニカルで反応するということが、今回の相場がよくわかりやすい例だと感じます。
NY市場クローズ前に5年債の入札がありました。
【米5年債入札】
最高落札利回り:4.121%(WI:4.110%)
応札倍率:2.40倍(前回:2.35倍)
軟調な結果だったので米金利は上昇する事になり、154円台まで買い戻しが入り引けを迎えることになりました。
そして米株価指数は以下になります。
テック系が大幅に落ちていることが目立ちますね。
決算シーズンが期待外れのスタートとなったことで、強気相場から弱気相場に傾きます。
テック系中心として売り込まれているので、S&P・ナスダックにかなりの影響が出ています。
本日の指標&要人発言
経済指標
独IFO景況指数
米新規失業保険申請件数
米第2四半期GDP【速報値】/個人消費【速報値】
米耐久財受注&【除輸送用機器】
米7年債入札
要人発言
ナーゲル独連銀総裁
ラガルドECB総裁
上記になります。
本日は米GDPの発表が控えています。
現在は「日銀利上げ観測」がメインで動いているので意識されるかは分かりませんが、市場が一旦152円で落ち着いたタイミングであれば反応する可能性もありますので、確認しておく必要がありそうです。
この週末までキャリートレードの巻き戻しが続くのかどうかという所ですね。
本日もよろしくお願いします。
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