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Photo by sirumari

1/20を引いて160万払って30%を通す白鯨攻略戦（申請予約と型式適合のお話）

ジェイさん@発信する遊技機クリエーター

前回の記事で"型式"について理解いただけたでしょうか。
✅前回の記事をチェック


今回は遊技機が市場に出回る上で最大の難関、"型式試験"についての話。

1)型式試験とは

パチンコ屋さんに設置される遊技機は、

ぱちんこ遊技機にかかる技術上の規格
回胴式遊技機にかかる技術上の規格
アレンジボール遊技機にかかる技術上の規格
じやん球遊技機にかかる技術上の規格

といった規則上の規格を満たしている必要があります。

つまり、型式試験はそれらを満たしているかを審査する試験です。

■型式試験とは
✅遊技機（型式）が規則に適合しているか否かを判断する試験

その試験によって適合or不適合がジャッジされます。

■適合とは
✅規則通りに作られた遊技機（型式）である事のお墨付き


現在型式試験を行っている指定試験機関は

✅一般社団法人 GLI Japan
✅一般財団法人 保安通信協会（※通称「保通協」）

の２箇所です。

GLI Japanはお台場（警視庁東京湾署近く）に、保通協は錦糸町にあります。

「GLI Japan」についてはまだまだ歴史が浅く、現在月間でぱちんこ機のみ10型式弱程度の受理を行っており、回胴に関してはまだ実施されておりません（2021年5月現在）。

保通協は"ぱちんこ"、"回胴式遊技機"それぞれ月間で80~90型式の受理を行っております。

ざっくり、メーカーが遊技機を開発してから型式が適合を受けるまでに

①型式試験の予約をとる（抽せん）
②型式試験の適合をとる

といった２つのハードルがあります。


①型式試験の予約をとる（抽せん）
については、保通協については2021年5月だと

ぱちんこ・・・約50件（１日５枠）
パチスロ・・・約100件（１日５枠）

となかなかの倍率です。

この予約をとるまでで数ヵ月またされる型式も珍しくはありません。

メーカーが別名義のグループ会社を複数持っているのはこの抽せん枠の為です。

たまにシリーズ機なのに聞きなれないメーカー名で販売されたりしますね。

頭数を増やして抽せんを受ける本数を増やす・・・

パチ屋の並びの軍団の戦法と同じです笑

さらに
②型式試験の適合をとる
に関しても

と決して高くない適合率の壁を乗り越えなけれななりません。

型式試験はみんな大好き１発勝負のガチ抽せんなので、どれだけ心を込めても無情に不適合になります。

また、型式を持ち込んでから適合までに約３ヵ月の試験期間があります。

1/20を引いて160万払って30%を通す白鯨攻略戦を３ヵ月見守る。

こんな突破型ちょっとヤバいですよね笑

しかも前回お話したように申請する型式には"テスト機"や"適合をとりあえずとるための安全版"などもある為、実際の売り物となる型式はもっと適合率が下がります。

パチスロの場合実際本命機と呼ばれている型式は10%未満の機械も珍しくありません。

また、適合＝ホールでの営業許可ではなくさらに各都道府県公安委員会の検定を通過しなければホールに設置する事は出来ません。

基本的に一般の方やホールの方が言われる（SNS等で出回る話の）適合は検定通過の事を指します。

型式が適合しただけではメーカーが口を滑らさない限り具体的な機種名が出回る事はありません。

型式が検定通過した場合は型式名が公示されるので一般の方でも情報を得る事が出来ます。

この点を押さえておくだけでも随分理解が変わります。

2)開発裏話

☑適合を待つ３ヵ月の間、開発担当はどうしているのか

１．プロジェクト休暇
→機種開発終盤は休みもとらずに仕事をしているので適合待ちの間に休む

２．営業用の機械を作る
→営業マンがホールさんに説明するようの機械を作る
最近だと動画媒体用に作ったりもします

３．次回申請版を作る
→次回申請時の型式を作る
（不適合だったとき、適合だったときなど主にスペック違いでいくつかパターンを用意）

４．次の機種開発へ・・・
→実際はこれです。。
サラリーマンなので適合まで３ヵ月も待ってません。もう次の機種が始まっています。適合したときには申請してた機種の事を忘れてます笑

3)まとめ

1)型式試験とは

✅遊技機（型式）が規則に適合しているか否かを判断する試験

2)指定試験機関とは

✅一般社団法人 GLI Japan
✅一般財団法人 保安通信協会（※通称「保通協」）

3)型式試験手数料

ぱちんこ・・・144.2万円
パチスロ・・・162.8万円

4)適合とは

規則通りに作られた遊技機のお墨付き
（型式が技術上の規格に合致している）

※ホール営業許可ではない事に注意


次回、『検定』、『認定』についてお話します。

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