見出し画像

ワイヤレスでDJできました。(2020/01/06 更新)


ようやく。

さて、私がDJ中に意識していることのいくつかのうち、結構その比重が高いものに

「できるだけたくさん、できるだけ大きく動く」

というのがあります。

ラップトップかつジョグダイヤルのないMIDIコンでプレイするため、作業に専念するとどうしても動作がコンパクトになってしまうからですね。

名称未設定

これはちょっとやり過ぎですね。

てなわけで、DJ中に大きく動くようになるとどうしてもネックになるのがヘッドホン。
一回一回外すのが面倒だったり、ヘッドホン外さないで動いてケーブルが横フェーダーに当たって音止まったりとかね。

なので

ワイヤレスでDJしたい!!


ずっと、そう思ってきたわけです。

AZDENのMOTO DW-05に始まり、B&O H5の新ロットからの仕様変更に泣き、そんなこんなで7年。ようやく夢が叶いました。


前置きが長すぎですね。そろそろ具体的な話を。
はい、ワイヤレスモニターでDJするために必要なものそれは…


aptX Low Latencyに対応しているヘッドホン(イヤホン)とトランスミッター


です。ちなみに私が実際に使用しているのがこちら。

写真 2019-10-08 9 45 44

とりあえずこれで既にキャパ150~200ぐらいの箱で2現場経験してます。
今のところ遅延などは一切感じず、通常時と遜色なくプレイすることができています。バッテリーに関しても途中で切れることなし。

暗くてわかりにくいかもですが、その時の様子がTwitchのアーカイブにありますので気になる方はそちらも。
(※1番手ですが、最初の何曲かミュートされてて6分ぐらいから聴けます)

ではその詳細について説明を。


イヤホンはまあ、イヤホンですね。
いや、イヤホンでDJやるのかよ、ってツッコミはとりあえず置いといて。

トランスミッターは何者だ?と

ワイヤレスモニタリングは、DJミキサーとヘッドホンをBluetoothで接続することで実現します。
しかし、クラブにある現行のDJミキサーにはBluetoothの機能なんて搭載されていません。
そこで、DJミキサーのヘッドホン出力から音を拾って、代わりにBluetoothで発信してくれるトランスミッターが必要になるのです。


では次、aptX Low Latencyは何かと。

aptX Low Latencyは、クアルコム社が推進するBluetoothのコーデック・aptXの一種。
aptX LLと略して表記されたりします。

コーデックとはBluetoothで音を転送する際の音声圧縮形式のこと。
ちなみに標準的なBluetoothのコーデックはSBCってやつ。
iPhoneでワイヤレスイヤホン使う時とかこれだったり、もうちょっと品質のいいAACってやつだったりします。

で、それが何なんだと。
大体の人が持ってる「Bluetoothって遅延とかあるでしょ」ってイメージはおそらくコーデック・SBCでのBluetooth体験によるもので、実際SBCの遅延時間は220ms(±50ms)、つまり0.2秒なので誰が聴いても「あっ、ちょっと遅れてるな」ってわかるレベルです。

一方aptX LLの遅延時間は、なんと40ms(0.04秒)未満…!!
実際使って貰えばわかると思いますが、本当に遅延を感しません。
まさに「Low Latency(低遅延)」の名に恥じないコーデック。

ただデメリットとして、このaptX LL、対応している製品がまだ少ない。
去年ぐらいからじわじわバリエーションが増え、今では高品質だったり廉価な機種もそこそこ増えてきたのですがそれでもまだチョイスの幅が狭い。。。

ただ、そこで「aptX LLは対応してないけど普通のaptXに対応してるからこれでいいや」ってならないように!

aptXとaptX LLでは全然違います。aptX HDでもダメ。
さっきの遅延時間の話でいうと無印aptXでは70ms(±10ms)。LLのおよそ2倍近く遅延があります。
aptXでもモニターできるか実際試してみたのですが、「まあ、やろうと思えばなんとかできないこともないかな」っていう感じで、若干の遅延の気持ち悪さはありました。

なのでaptX Low Latency対応というのは割と絶対条件。


ここまで、難しいかな?
いや、実際やる事自体はめちゃくちゃ簡単ですよ。

1. トランスミッターを起動する。

写真 2019-10-08 9 39 22

2. イヤホンも起動してペアリング(Bluetooth接続)させる。

写真 2019-10-08 9 39 54

3. 接続したトランスミッターをDJミキサー(コントローラー)のヘッドホンジャックに挿す。

写真 2019-10-08 9 41 09

以上!

簡単!


ではこれまでに使用した機種などの紹介を。

SENNHEISER CX 6.00BT

最初に私が現場で使ってたやつ。
DJ用のイヤホンを選ぶにあたって、家電量販店にトランスミッター持ち込んで、現行機種でaptX LL対応しているイヤホンで片っ端からテストしたんですね。
で、家電量販店のワイヤレスイヤホンコーナーなんて本当混線混線のカオスだもんで音質どころか機種によってはまともにペアリングすらできないわけです。
そんな中でこいつの繋がり易さはピカイチ…!
SENNHEISERはaptX LL登場初期から対応モデルをリリースしていたのでその辺のノウハウもあるのでしょうかね、音質に関しても値段に関しても納得の一品です。
上位版の7.00BTも試しましたが、音と形状が好みじゃなかったので6.00BTの方に。

SHURE SE215+RMCE-BT2

最近出たばっかのやつ。
SHUREのワイヤレスケーブル「RMCE-BT2」が2になってaptX LLに対応。
これが大本命かなと思ったんですけど、先に同じく家電量販店で試してみた時全然うまくaptX LLでペアリングできなかったのが気になりました。まあクラブでBluetoothが混線しまくってる状況はないと思うので現場の使用には堪えるかなと思いますが。
人気機種ですし元々このシリーズ使ってる人はいいのかも。

ELECOM LBT-RH1000XBK

国内メーカーで極めて廉価でaptX LLまで対応している機種です。
私も最初にこれを購入してテストしました。
音はまあ値段相応って感じですがとにかく安いので、とりあえずワイヤレスモニタ入門してみたい人はまあこれで。

Pioneer DJ HDJ-X5BT

最早現行DJ用ヘッドホンの標準器、HDJ-Xシリーズ。
ワイヤレスにするまでは私もHDJ-X7を愛用していました。
その中のHDJ-X5がワイヤレスで使えるようになったのがこの機種。もちろんaptX LL対応。
所持している友人にお願いして現場で何回かテストしましたが、何の問題なくプレイできたのでこいつが私の今の相棒です。
音質面でいうとX7よりも若干ドンシャリかな。


続いてトランスミッター。
トランスミッター側もaptX LLに対応している必要があります。
ただ、これもあまり種類がなく、これ本当に大丈夫かなっていうお隣国謎ブランド製品もちらほら…。試せるところもないので若干博打。

(2020/01/06 加筆)
また、aptX LLとaptX HD、両方に対応している場合の接続の優先順位の設定は機種によって異なるそう。。。
こちら側でコーデックを選択できない機種だとLLで接続しようと思っても、HDの方の優先順位が上位に設定されているトランスミッターを使用している場合にはLLで接続できません。
なので、心配な方はLLのみ対応しているものを選んだ方がよいかと。

とりあえず私はInateck信者なのでInateckのやつを使ってます。

私が持ってるのは旧モデルですが、デザインかっこいいし正常にaptX LLで繋がってくれてます。
現行モデルはaptX HDまで対応してるけど、レビューを読む限り意図的にLLと切り替えて使えるそう。

サイズと形に惹かれてHagibisのこれもテストしてみました。
が、どう頑張ってもaptX HDが優先され、aptX LLで接続できず、残念ながらお蔵入り…。
ジャック型で有能なトランスミッターもっと増えてくれー!


そうだ、一応最後にデメリット的なところも言っとかないとですね。
ざっと考えてみたところ

・一般の人が多数往来する野外ステージなどでは混線してまともに使用できなくなるリスクがある。
・電池切れしないように事前に充電しておく必要がある。
・イヤホンだと本体の自重が軽いのでジャンプとか大きく動いた時にめっちゃ煽られる、吹っ飛ぶ。
・そもそもジャックを挿すだけでできていたものをペアリングやら何やらするのはめんどくさい。

こんな感じかな。


では、最後にもう一度おさらい。ワイヤレスモニタリングに必要なものそれは

aptX Low Latencyに対応しているヘッドホン(イヤホン)とトランスミッター


です!以上!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?