masao shimizu 再構築デニムパンツ


masao shimizu(マサオシミズ)の再構築デニムパンツ。
最近は資源枯渇等の理由から価格が高騰しているようである。
当初は3万〜の価格で販売していたようだが、そもそもその価格設定が安すぎたのだと思う。最近は6万円くらい。
クラフトとしても後世に残したいアイテムである。
とにかく凝りすぎて、毎シーズンどうなっているかわからないデザインでひしめいている。よくデザインが枯渇しないものだと思う。
再構築デニムは、ここ数年比較的流行と言える状況が続いていて、様々なブランドを観てきたが、技術や凝り具合で言えば、masao shimizuが特に秀でているように感じる。

こちらは、2014awのアイテム。個人的にとても好きなデザインであった。

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コントラストが、個人的にはブラックが落ち着いていると思う。

フロントの大胆な表裏の切替と玉縁ポケットが特に目を引くデザイン。

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玉縁ポケットと、持ち出しがついており、スラックスのような雰囲気。
ただ、持ち出しはトップスによっては見えなくなってしまうのだが...
一見大胆な切替に見えるが、履くと悪目立ち感は一切なく、シルエットの綺麗さも相まって、意外とシンプルにまとまる。
シームが綺麗。


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バッグは全体が裏返されているのだが、右に目を引くフラップポケットがあるのだが、

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見せかけになっており、フラップの機能はない。サイズ感もなかなか小さく、実用性は低いと感じる。なんせ二つ折りの財布がはみ出る。V字型にくり抜かれている分、非常に手で取り出しやすくはあるのだが。
フラップはポケットの下部が用いられていると思うのだが、どのように作られているかは、全く不明である。



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裏返してみた。
切替部位のアタリは特に気にならない。上手に作られているのだと思う。


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裏返した方が、このまま履いてもいいのではないかと思うくらい、自然なデザインになっている。



ここまで見ても、誰のためのデザインかと言われたら今一つピンとこない。近づいて見て説明されてやっとわかるデザインや、隠れてしまうデザインだったりと、個の主張はそれほどないように感じている。強いていうならば、デザイナーや着用者の自己満足のために作られているとでも言えようか。

再構築デニムでいうとマルジェラのアーティザナルが有名であるが、古着の良さや風合いを最大限活かそうとするマルジェラと違って、masao shimizuは、古着を用いた再構築アイテムの新しい提案であるように思う。再構築を脱構築という言葉にも置き換えても相違ないはず。現代性という言葉がぴったりと当てはまるような、そんなアイテムになっており、非常に洗練されている印象を受ける。
古着を用いないアイテムもあるが、無論古着へのリスペクトは感じられる。個人的には、古き良きものを、全く別のものとして、再解釈・アップデートされるmasao shimizuのアイテムが大変好きである。
今後のアイテム展開にも期待したいと思う。



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