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編集部日記 #15|綴込って何?

創刊前、2018年秋から更新しているこの「マイカレ編集部日記」。
毎回、何らかの出版用語を絡めながら本誌の内容をご紹介しています。

9月23日に発売になりました「マイカレンダー」2020年秋号
今号は、マイカレ初の試みのワンテーマ構成、「まるごと1冊、タロット占い」として、これでもかとタロットを取り上げております。既にお知らせしました通り、今回は発売前に重版がかかるという、うれしい展開が……。

これもタロットを愛する皆さま、そしてマイカレを応援してくださっている皆さまのおかげです。本当にありがとうございます!

重版分は29日に出来予定ですので、しばしお待ちください。。

今回、もちろん語るべきはタロットなのですが、内容ではなく仕様の面で、実は1つ、大きな変化があるのです。

早速ですが、今回の出版用語はこちら!

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【綴込(とじこみ)】

シールとかはがきとかポスターとか、本誌とは別に綴じ込んだものの総称です。

よく「Book in Book」なんて書かれたりしていますが、これは「本の中に小冊子を綴じ込んでいる」というていなのです(多分、作り手以外そんなに意識していないと思いますが)。

今号のマイカレは、
1「マイカレ暦 10~12月」
2「あの人の気持ちがわかるタロットBOOK」
3「もうすぐ、グレコンがやってくる!」

……の3つを「綴じ込んで」いるということになっています(触るとおわかりいただけると思いますが、本誌と異なる紙を使っています)。

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なかでも「マイカレ暦」は小さな小冊子型、取り外し可能な貼り型など、創刊時から変遷を続けてきましたが、今号から【綴じ込み+ちょっとワイド】になりました!(なので本誌と一体化しています)

なぜこの形に収まったのか……。

何と言いますか、マイカレは何度も開いてほしい雑誌だったりします。

皆さま、体験されたことがあると思うのですが、一度読んだ本を何となくまた開いたら「こんな文章あったっけ?」と、見落としていた一文を発見したり、最初に読んだ時には気づかなかった、別の意味に気づいたり。その時々で気持ちは違いますし、心が反応する言葉も違います。

こうして何度も「読み返す」というのは、紙媒体ならではの体験だと思うのです。

実は「毎日の運勢」は、この「読み返す」というアクションを引き起こしやすくする装置なのでは?と思ったのです。

つまり……
「毎日の運勢があるから、毎日マイカレを開く
        ↓   
「その時々で目に留まった他のページを読むことで、
新しい発見や、より深い示唆を得られる」
        ↓
”読み込む”という体験が自然と発生する」

そういうことからも、毎日の運勢と本誌がバラバラに存在するのではなく、「綴じ込まれている意味」は、思いのほか、大きいのではないかと。

いわばタロットやビブリオマンシーのように、雑誌を手に取り、めくる行為がオラクル(神託)になっていたりするのでは……。

そんなわけでこの形にたどり着きました。

元『マイバースデイ』を読んでいた方からすれば「今さら!?」かもしれません。言ってみれば、創刊から1年半の紆余曲折を経て『マイバースデイ』や『ミスティ』でおなじみだった「毎日の占い」の形に帰ってきたわけですから……。

「そういう魔法を発生させる仕組みが、しっかり考えられた雑誌の作りだったんだなあ」と改めて感動しつつ、社長(マイバースデイの初代編集長)をちらりと見たところ……

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「社長!?」

「いや、ちょっと取れるかなと思ってね」(←好奇心旺盛!?)
雑誌の解体については過去にこんな事案無限に遊べる「きせかえ★占星術」をやってみた)もありましたので、割とマイカレではよくある光景です(とはいえ、雑誌の解体を推奨するものではありません)。

実は「編集部日記」の中の人の綴込付録、原体験がこれです。

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……姫ちゃんのリボン!(懐かしい
ではなく、こちら「宇宙(スペース)タロットカード占い」

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ムーンプリンセス・妃弥子先生監修、『マイバースデイ』1993年3月号の付録です。カードだけでなく、本誌綴込になっていた解説ページを切り取って、こうして後生大事にとっておいているわけです、「姫ちゃんのリボン」のファイルに入れて。

当時、10代前半だったと思うのですが、鈴木とも子さんのイラストが何とも神秘的で、虜になったのを覚えています。
そして30年後も変わらず(というか当時よりガチで)タロットをやっているとは、そしてそれを生業にしているとは思いませんでした。あの時に、もう運命は決まっていたんですかね。

特に今号に関しては、校了した直後に「今なら、手にタロットの聖痕が浮かび上がってもおかしくない」と思うほど、タロット漬けの3ヵ月だったのですが、マイカレ創刊号で石井ゆかりさんが語ってくださったところの

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私たちの親愛なる友?である、タロットの「今」(2020年現在)をお届けできたのではないかと。

とはいえ、もう1冊くらい作れる気がしています……(小声)。

タロットの8賢人は2ページに収めていますが、倍のページあってもいいくらいのお話をいただいていますし、タロット狂はあの5倍くらい語り合ってますし(これは近日、noteで公開します)、本当はスプレッドだけで1本、記事作りたかったですし、タロットと身体性って興味深いテーマだなとか、絵画や文芸との関わりについても調べたかったですし、マルセイユやトートにはほとんど触れられなかったですし、「タロットを描く」という行為について、人気デッキの絵師さんたちにお話聞きたかったですし、あとは……(以下略)

……本当に沼ですね。それくらいタロットは奥が深いということで。

皆さまもぜひ、お気をつけ、いえ、お楽しみください!

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文/マイカレンダー編集部・山田


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