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10秒で分かった"気になれる"「UAE・イスラエル国交樹立」

詳しい方に怒られるのを承知で、タイトルのニュース、ものすごーーーーーくざっくり例えると

『地方の商店街(中東諸国)が、大型ショッピングモール(イスラエル)の強引な進出に力を合わせて長年戦ってきたけど、

この地域に影響力を持つ有力者(アメリカ)の仲介で、比較的影響力のある店(UAE)が和解のテーブルについた』そして

『商店街の反対運動のリーダーでもあり、一番の被害者でもあるパレスチナは当然「裏切り者!これまでみんなで一緒に頑張ってきたのに…」というものの、

他の商店主(中東のそれ以外の国々)としては「いやぁ、そうはいってもね、もう実際ショッピングモールが撤退することなんてあり得ないし、(貰えるもん貰って)その存在を前提とした上で、我々としてのより良い形を模索していくほかないんじゃないんですか…」といったやや冷めた反応、長年の運動に疲弊した様子』です。

ただまあ、一点重要な点としては『地域の有力者(アメリカ)と大型ショッピングモール(イスラエル)はズブズブの関係』というところでしょうか。


以下、言い訳と補足。

繰り返しになりますが、詳しい人には多分怒られる例えなので、用法容量は正しくご活用下さい。

私は中東に関わってからもう何年もたちましたし、そもそも住んでいれば自然とニュースが入ってくる量は増えますので、何となくニュースを見たときの適切な受け止め方が分かってきたつもりです。

でも一方で、やはり多くの日本人にとっては遠い存在で、「ニュース、気にはなるけどそれを理解するためにはかなり前提知識が必要だし、わざわざそのために何冊も本を読んで勉強するほどではないなぁ…」というのが、比較的一般的な反応…というより以前の私でした。だから今後も、そういった人向けに、“だいたいこんな感じ”を伝えられるよう発信していきたいです。

ちなみに今回のニュースは衝撃的ではあるけれど、正直そこまで驚きはなかった、というのが大方の受け止め方でしょう。


補足として、今回の商店街の例では盛り込めていないものとして、イランの存在があります。

ご存知の通りイスラム世界も一枚岩ではなく、一番大きな対立軸としてスンニ派とシーア派の境界があります。イランはこのシーア派の盟主ですが、UAE含むその他多くのアラビア半島の国はスンニ派です。

このイランが最近影響力を増しており(ニュースで目にする機会も増えたかと思います)、このイランと対立するスンニ派にとっては、イスラエルは味方ではないけれど、所謂”敵の敵”にあたるわけです。

このイランの脅威が、今回の合意のひとつの材料になったとも言われていますね。

ちなみに商店街を例えに出したポイントとしては、店によって被害の程度が違う、という点です。極端な話、床屋さんであれば大型ショッピングモールが進出してきても大して被害はないでしょう。

ただ、商店街という共同体にいるため、あんまり大っぴらにそういうことは言えないわけです。この辺が、表には出ない温度差になります。

また最後に重要な点として、今回は商店街を例えに出しましたが、いかに強引といえど合法的に進出してくる企業と違い、パレスチナをめぐっては多くの血が流れており、今でも難民だけなく、基本的人権が守られていない人々がいること、ご理解ください。

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