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マーケッターだが、内装のデザインを考える

会社を買った。 数億の借金。あまりに額が大きくて、逆にマヒしている。コロナの影響で今期は、創業以来初の赤字計上が濃厚だ。 数年前自力で作った事業計画書(創業社長によりボツにされた)の見直しをし、来期完成するプロジェクトも順調だ。すでに2年前から計画していたもので、来年には公開のめどが立っている。税理士と弁護士は以前からお世話になっているところへ続投をお願いした。経営三表は、今まで以上にじっくり見て、コストカットに乗り出した。 そのうえで。 新米社長のわたしは、社屋の全

    • マーケッターだが、会社を買った

      7月。独立を決めて社長に話した。 「辞める?無茶言うな。無理だ。」 「いつでも辞める自由はある、と怒鳴ったり蹴飛ばしたりするたびに仰ってたじゃないですか」 「あれは、言葉のあやだ。本気じゃない。」 「わたくしは本気です。」 「裏切るんだな。一生恨むぞ。」 「わたくしはわたくしの人生を取り戻すんです。 罵声や暴力のない、ちゃぶ台返しのない国に行くと決めたんです。 部下は優秀、すべて委譲した、マニュアルも整備、引き継ぎもきっちり行う。同業はおこなわない、不義理はあ

      • マーケッターだが、ひとりが好きだ

        マーケティング部の人間は12名。8年前、発足当時のマーケティング部は、わたしひとりだった。外部スタッフに頭を下げながら、孤軍奮闘しているうちに、あれよあれよと業績を伸ばし、ひと月3万ユーザーだった自社サイトは、現在15万になった。並行して売り上げも4倍強になった。気づけば社長の懐刀と言われるようになっていた。かっこいいね。でも実際は懐刀どころじゃなくて、冷や汗まみれ、赤っ恥まみれの日々。走り続けて幾星霜…。この8年間は、わたしの人生においても3倍の濃さで過ぎた。 いろんな部

        • マーケッターだが、アバウトが好きだ

          上記の画像を見てほしい。 狼だ。何匹いる? わたしは答える。5、6匹。 もしも即答するなら。反射的に答えるなら。 この画像の狼をわたしは5,6匹ととらえる。しかし、もしも「正確に」答えなさい、と言われたら、まじめに数をかぞえるだろう。 お皿にブドウがある。マスカット、アレキサンドリア、巨峰、デラウェア…。帰宅後、お皿に何があった?と聞かれたら、「たくさんのブドウ、いろんな種類の」と答える。5房以上のぶどうは、わたしには「たくさん」を意味するのだろう。では、これがチョ

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          マーケッターだが、紅茶が好きだ

          紅茶が好きだ。子どものころからイギリス小説の好きな母の影響で、わが家では紅茶文化が発達していた。 母が愛飲していたのはトワイニングのブラック缶。 大学生になり、イギリスに1カ月滞在したときに、フォートナムメイソン、ウェッジウッド、ハロッズ、アーマッド、ウィリアムソンと出会った。フランスだが、べたなフォションのアップルティーと出会ったのもこのころ。 でも結局トワイニング紅茶で育った舌が好むのは、香料の強い紅茶ではなく、渋みの残るアッサム系のフォートナムメイソンやハロッズだ

          マーケッターだが、紅茶が好きだ