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自分だけのちいさな家の話

初めて自分だけの家=スペースを持った時のことを覚えていますか?

多分、小さなベビー用の籠の中?…………まあ、それは記憶にないとしても 多分、テーブルの下に潜り込んで過ごしたあの幼い日かもしれません。

子どもたちは小さい頃、椅子を背中合わせに並べて上からタオルケットをかけて家を作ったり、段ボールハウスを作ったり、毛糸やひもで結界を張ったりして自分だけの小さな家なるものを作って遊んでいたように思います。

大人はつい、小さな子供に声をかけがちだけれど、本当に小さいうちから自分だけの小さな家を大切にしてもらって育つことってとても大切じゃないかなと思います。

ところが反対に、こどもが容赦なく大人の一人の家、一人時間に入ってくるとき、どんな反応をしているでしょうか?

テレワークになって、これが家庭内の問題になってしまったという話を聞くと「うるさい!」と声を荒げたことが何度かあるという人が多いのです。

無理もありません。あまりにも急に仕事が家に持ち込まれて、場所の確保で手一杯。小さな家族の日常は、あらら……という感じ。

でもね、自分だけの小さな家が必要なのは、大人も子どもも同じだとおもうのです。ひとりにしてほしい という気持ちは普通のことだ思うのです。

だから、だれかが自分だけの小さな家にいる感じを受け取って、声をかけるときには是非、そっと、静かな声で伝えてあげられたらいいと思うのです。

大人にはへんてこに見える こどもだけの小さな家

家の中に広げた傘の中だったり、机の下だったり、お母さんのつばのひろい帽子の中だったり、ベッドに潜り込むことだったり。

子どもにはわかりにくい おとうさんだけの小さな家

新聞紙の向こう側だったり、ソファの上の居眠りだったり        パソコンに向かう険しい表情だったり

触られたくない おかあさんだけの小さな家

ちょっとしたうたたねだったり、キッチンにこもっているときだったり

今まで、忙しく寝るためだけに帰ってくるような家だった人も、これからは家族で過ごす家の日常を大切にしていく暮らしに変化していかなければならないでしょう。もしかしたら、遠い昔の暮らしのなかでは当たり前のことだったかもしれません。絵本から、そんなことが受け取れるかもしれませんよ。



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