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広告代理店不要論についての考察

近年、本記事のタイトルの通り「広告代理店不要論」が囁かれています。
私は株式会社ルネイム(https://www.lunaim.co.jp/)というデジタルマーケティング会社の代表を務めているということもあり、このトピックを見る度に色々と考察してきました。

私の友人・知人にも広告代理店に勤務している人が数名おり、定期的に情報交換も兼ねて会っているのですが、意外にも広告代理店不要論について語っている周囲の人々よりも本人達が一番痛感しているとのことでした。

折角こうしてnoteを始めたので、私なりに広告代理店不要論について色々と考察してみましたので、ご興味がある方は是非ご覧下さい。

広告代理店不要論は何故生まれたのか

広告代理店不要論が生まれた一番の要因は、デジタル化が進み広告業界も多様化した中で、広告主自身で広告を出稿出来る環境が整ってきたことではないかと思います。

上記は、2020年3月11日に電通が発表した「2019年 日本の広告費」というタイトルで、日本の総広告費と媒体別・業種別を推定したものです。
ご覧になった方も多いと思いますが、ニュース等でも一番注目されているのがインターネット広告費がテレビメデイア広告費をついに超えたというトピックです。

昔は広告と言えば四大マス広告(テレビメディア・新聞・雑誌・ラジオ)でしたが近年はデジタル広告の需要が急激に高まり、多くの企業がデジタル広告の導入を進めてきました。
その中でデジタル広告に特化した多くの広告代理店が誕生し、日本の広告代理店二大巨塔である「電通」「博報堂」も、傘下にデジタル広告に特化した広告代理店を持っています。

デジタル広告の勢いは今後も増していくと想定されており、現に媒体や広告メニューも10年前と比較すると比べ物にならないくらい増えました。
それに伴って、デジタル広告を出稿する際に使用する広告管理画面も発達して、より使いやすい設計となり広告出稿のハードルが一気に下がってきたように思えます。

そうすると、広告プラットフォームの自動化の波が加速している背景もあり、これまで広告代理店へ委託していた広告主である企業が自社運用を始め、最初こそ大変であったものの次第に自社運用がスムーズに回り出した結果、広告代理店不要論が囁かれるようになりました。

広告主からすると自社運用の場合は広告代理店に支払う手数料がないので、その分を事業や採用活動等へ費やすことが出来ますから、そう思うのも当然と言えば当然かもしれません。

広告代理店不要論は尚早

ここまでは、広告代理店不要論の要因についてお伝えしましたが、ここからは私の個人的な考えを述べさせていただきます。
私個人としては広告代理店不要論は尚早だと思っています。

確かにデジタル広告の勢いは凄まじく、今後は広告の中心となるでしょう。
また、テレビ離れが進みYouTubeなどの動画プラットフォームが台頭してきたこともあり、一見「テレビメディアは終わった」と思う人も多いでしょうが、私はそんなことはないと思っています。

確かに昔と今のテレビメディアに対する在り方は大きく変わりましたが、一定の需要は必ずありますし、無くなるということは恐らくあり得ません。
そして、テレビメディアの広告枠を確保出来るのは現状だと広告代理店であり、広告枠を提供しているテレビ局も広告代理店を必要としています。

また、四大マス広告も様々な形でデジタル参入化が進んでおり、より広告が多様化してくるのではと思っています。

一方、デジタル広告においても、確かに広告出稿のハードルは下がりましたが広告代理店を活用するメリットも忘れてはいけません。
運用する絶対量が多いのは広告代理店ですので、そこで得た知見やマーケティング関連の最新情報を抱えていることは大きなメリットではないでしょうか。

以前は入稿作業自体が大変でしたので、オペレーション部分の価値が強かった広告代理店ですが、今はクリエイティブのクオリティや運用スピード、インハウス化支援など様々な価値を見出しているのも事実です。

これらを総括すると広告代理店不要論は尚早であることにもご理解いただける方もいらっしゃることかと思います。

不要ではないが変化は必要

先述の通り、私個人的には広告代理店の不要論は尚早であると思っていますが、広告代理店の変化は絶対に必要です。

というのも、広告に限らずデジタルマーケティング自体が多様化されており、一つの手法でマーケティングが成り立つ時代は終わったからです。
今でさえ、広告・SEO・コンテンツマーケティング・SNSなど集客チャネルが多様化しており、今後は益々複雑になってくると思います。

今のように広告運用を代行した際の手数料ビジネスではなく、更にコンサルティングの要素や提供ソリューションを増やしていかなければ、広告一本でやっている代理店は時代についていけなくなるでしょう。

既に大手広告代理店では、様々なソリューションを提供する体制を構築しており、広告運用代行だけではなくデジタルマーケティングを一気通貫でサポート出来るように取り組んでいます。

実は私がデジタルマーケティング会社として、総合的なソリューション提供を行なっているのは、これが理由です。
実際に一つのクライアントでも、「広告+オウンドメディア」や「広告+SNS」などいくつかのメニューでサポートさせていただくことがかなり多くなっています。

クライアント自身もマーケティングを委託する外部パートナー選びそのものを考え直している時代ですので、広告代理店自身の変化は必要だと考えます。

まとめ

私なりの考察ではありますが、恐らく同じように考えているマーケティング業界の方は多いのではないでしょうか。
広告代理店不要論は極論的ですが、少なからず今後は広告代理店の在り方が大きく変化していくと思います。
私個人としても会社としてもお付き合いする機会が多いので、業界の発展に今後も貢献していきたいと思っています。

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