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長くて大きな愛

何かを追い求め続けることのできる長くて大きな愛が欲しい。
或いはそんな愛を持ちたい。

それはきっと無理に作り出そうとするものではなくて自然と気づいたらそうなっていたっていうもので。それはきっと眠れなくて辛い夜の原因でもありそれを乗り越える理由にもなるもので。それは気づいたらいつも側にあったもので。同時にずっと遠くに見えていて追い続けているもので。

朝起きる理由からもう眠りから覚めない理由でもあるそれは私の人生を違う次元に引き上げたと思ったら私を奈落の底に突き落とす。右と左に引っ張られるような苦しみは痛いのと同時に両方から手放された時の開放感も知ってしまう。

そんな矛盾の中で愛というものは人や仕事や生活や生きることに向けられ。それはときには私たちの身を滅ぼし。ときには私たちの側に寄り添って。かたちを変えながらも最後の息がこぼれるまできっとそこにあるものなのだと思うと、私たちは愛という病に呪われていて同時に祝福されているのだろう。

愛はきっと私をどこかもっと良いところに連れていってくれるだろう。もっと私を幸せにしてくれるだろう、というのは愛の一面しか見ていなくて現実の世界で愛なんてものはとても簡単に壊れてしまうし簡単に人を切り裂いてしまう。それでも私たちがそれを追い求めるのはきっとその裏に潜む影への愛もちゃんと知っているからだと思う。

生きることはだいぶ大変な営みで毎日24時間休みなく心臓を動かし何らかの形でこの世界に身を保っているみんな、すごいと思う。亡くなってしまったたくさんの命を横目に毎日生きている人間は傲慢なのかもしれない。今日も生きてしまったって思う波を何度も繰り返しながら気づいたら24年も生きてしまった。その間に私は長く愛を持ち続けることができただろうか。愛は嘘の上に立つとその崩し方を学ぶ。嘘は重ねると続かない。よって長い愛は不可能になってしまう。

長い愛の秘訣はきっと無駄な素直さと正直さなのかもしれない。それは羞恥心のないただ自分の気持ちをそのまますくい続けてきた人間の代償なのかもしれない。愛なんてものはないと信じてみたいけどそこにはいやでも愛が宿っている。人間として生き続ける限りは。

それでも私は愛を追い求めてしまう。

mugiho


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