我々は全員ドーパミンの奴隷だという話

理化学研究所の生化学シミュレーション研究チームリーダーの高橋恒一氏が「ドーパミン・ニヒリズム」という言葉をよく使っているらしい。もしスカイネットみたいなAIができて、それを殺す方法があるとすればこのドーパミンニヒリズムを利用するしかない。ボタンを押せば快楽中枢が刺激されるような装置をつくって動物実験を行うと、動物は永遠にボタンを押し続ける。

ハトの迷信行動というのをご存じだろうか。スキナーの実験でハトを箱の中のボタンをハトが押すと餌がでる箱にいれる。そのあと20秒ごとに勝手に餌がでる箱にハトを移す。するとハトは勝手に餌が出てくるとは思わない。自分が事前にやった行動;羽を動かすなど、をすると餌がでると勘違いする。つまり決められていることが理解できなければ、人間は勝手に法則を見出してしまう。

ドーパミンニヒリズムとハトの迷信行動は箱の中で生きるモノたちにとってドーパミンによる強化学習によるオペラント条件付けを完成させる。自分が今行っていることに対して一定周期で快感を得ることができれば人間はそこになんの因果関係がなくても法則を見出し信じるようになる。

例えば恋愛だ。もしこれを読んでいる人が自分の恋人や元恋人に対して自分が過去にやったことが今に繋がっているんだと考えたらそれはハトの迷信行動と何ら変わりはない。

仕事でもそうだ。過去に失敗したと後悔したことが今に繋がっているんだと考えたらそれもハトの迷信行動と何ら変わりはない。

ではもしあの時Aという女性と結婚していたら、Bという女性と結婚していたら…とパラレルワールドがあった場合。こうした選択は無数に存在する。しかし現実は一つしかない。過去の選択を悔やんで考えるということ自体そもそも過去と現在の因果関係を探ろうとする試みなのでこれもハトの迷信行動と同じでそれと変わらない。今は決められている。

人の振る舞いを変えるには

ドーパミンを排除しオペラント条件付けを緩める。それ以外に方法はない。

以下のやり方はミルトンエリクソンも催眠に取り入れている。

ゴールを示す :どのような変化がもたらしたいのかを明確にする。たとえば「体重を30ポンド減らす」など。
行動を観察する:求める効果が発生しているかどうかを確認しつづける。たとえば毎日、体重をグラフに記す。
求める行動を強化する:たとえば体重が減少したことを褒める。人間では、行動の記録が強化の役目を果たします。減量効果をグラフで確認できれば、当人はそれを見て「減量プログラムの継続」という行動を強化するだろう。これをより一般化するとトークン経済とされ、求めた行動の報酬としてトークンが与えられる交換システムである。トークンは、後で希望の賞、報酬、威信、商品やサービスと交換可能とされる。
望ましくない行動へのインセンティブを削減する:たとえば、台所にスナックやキャンディを置かない。

以上wikipediaから抜粋。

こういったコーチングを取り入れている人は多いが心理学の分析に基づいているものだということを心にとどめておきたい。


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