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『サバイバルファミリー』じつはお父さんが隠れテーマのサバイバル映画ー昔、映画が好きだった。そして今も好きなのだ 60s映画レビュー(20)

こういう映画をB級映画と呼ぶのが適切かどうかわかりませんが、屈託なく楽しめるという意味でB級映画のよさが満載です(私はB級映画という言葉をマイナスの意味で使ったことはありません)。

ストーリーは単純です。東京が突然、原因不明の停電状態になります。この状況下でドタバタを繰り広げるごく普通の家族(小日向文世・深津絵里・葵わかな・泉澤祐希)が主人公となります。

バス・鉄道が止まって駅が大混乱。歩いて出勤。マンションの10階から降りてゴミ捨て。財布を忘れて再び階段。ロウソクと自転車が飛ぶように売れて、500mlの水が1000円〜2500円etc…確かに、突然こんな事態になったらこういうことになるよね…というエピソードが次々と描写されます。ここがこの映画の面白さその1です。

この一家は東京を捨てて妻役・深津絵里の実家・鹿児島をめざして自転車の旅へ出発します。

さてこの映画を見終わって感じたのは、この映画は〈お父さん〉がテーマだということです。

主人公のしょーもないお父さん・小日向文世、旅の途中で会うカッコいいお父さん・時任三郎、同じく旅の途中で出逢うアメリカに息子家族がいるお祖父ちゃん・大地康雄、鹿児島の実家のお祖父ちゃん・柄本明…。

じつはこの映画は古きよき時代のお父さんを懐かしむ、お父さんムービーではないかと思います。やっぱり家族というものはお父さんに「大黒柱」でいて欲しいーそういう願望を持っていて、それがお父さんのマインドを支える大事なモチベーションになっているのだなと思いました。

「多様性」は大事ですが「大黒柱」という言葉はなくしたくないですね。


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