
映画『he』始動。いったいそれは、誰にとっての天使で、 誰にとっての悪魔なのか。
LAに来て一年強、やっと次作が始動。
実は日本にいた2年前に監督(オット)が書き上げていたのだが、当時はあまりに難解でアート性が強いことに加え、低予算では実現できない内容だったため、お蔵入りにしていた。LAで1年試行錯誤した結果、今こそ『HE』を撮るべきだとやっと確信が持てた。ただの感覚ではなく、確実に作品の市場があることをアメリカで体験できたことがとても大きい。
さて、『ハイヒール』をご覧いただき、インチョル監督に興味をもっていただいたみなさん、おまたせしました!先出しで、企画書の内容を抜粋して公開します!映画の企画書は詩集のようなイメージでつくるので、そんな気持ちで想像力を膨らませて読んでくださいね。
『he』
流れ星が降り注いだ夜、
人々の欲望が理性から開放された。
自分の欲望を叶えた人間は、
天使となるのか、はたまた悪魔となるのか。
いったいそれは、誰にとっての天使で、
誰にとっての悪魔なのか。
Synopsis
4人家族の一家で、無残な殺人事件が起きた。ただひとり生き残った幼い少年が容疑者となった。
平凡で退屈なアメリカの田舎の小さな町。ある夜、大量の流れ星が降り注ぎ、町の賑やかなニュースとして話題になった。
ところがこの日を境に、窃盗や殺人、強姦などの凶悪事件が町のあちこちで起きはじめた。
一家は流れ星もざわついた町の様子にも一切無関心だったが、「彼」はすでに目覚めていた。
一家を惨殺した「彼」は、いったいなにものなのか。
彼が見た、その悪魔。
彼が見た、天使。
彼らが見た、彼。
何が本当に彼を追い詰めたのか。
天使と悪魔、
誰がどちらか、どちらが彼か。
どうやって判断できるのか。
天使と悪魔、彼らは違って見える。
人々が見ている天使と悪魔。
いったい、どっちがどっちなのか。
誰がどうやって判断できるのか。
私が変われば、彼も変わる。
彼が変われば、天使は悪魔。
Character introduction
he 主人公の少年
新人キャスティング
一家を殺した容疑者となる少年。家族に苛立ちを感じながら、その思いにどう向き合えばいいかわからず、鬱屈とした日々を送っている。
he 少年の父親
イメージ:イーサン・ホーク
映画監督だが仕事に問題を抱えており、神経質になっている。
敬虔なカトリック信者である。
he 殺人犯
イメージ:バリー・コーガン、エズラ・ミラー
一家を殺した犯人。正体不明。
少年の母親
イメージ:ナオミ・ワッツ
専業主婦。神経質な夫に本当に思ったことを言えず、夫婦関係に暗い影を落としている。虚しさの矛先を障害を持った息子に向け、献身的な世話をしている。
少年の弟
新人キャスティング
障害を持った子供。
Short Film Project
he -prologue-
長編作品のプロローグとして「彼」の天使と悪魔のもう一つの物語を、
ショートフィルムで表現します。
Synopsis
学校で無差別殺人をしようと決意した少年と、
それを止めさせようとするもうひとりの少年。
取っ組み合いをして争った末、
少年が持っていた拳銃が発泡して、二人は倒れる。
しかし、倒れた二人の姿は、驚くべきものだった。
さて、いかがでしたか?あなたの豊かな想像力が刺激されたのではないでしょうか!
まず年内中にショートフィルムを完成させる目標で動いております。クラウドファンディングも検討中です。ぜひ応援してください。またアップデートします。
監督情報もあらためて↓
監督/脚本 イ・インチョル
韓国で映画製作の演出部を経て、2008年から日本に拠点を移す。2017年に初監督作品「ハイヒール〜こだわりが生んだおとぎ話」を日本で公開。30分の短編でありながら、全国19都市で単独上映されるという快挙を成し遂げる。主演はアカデミー賞ノミネート俳優の菊地凛子、さらに衣装の一部はCHANELから特別協力を得ており、新人のインティペンデント作品とは思えないデビューを飾る。ファンタジア国際映画祭コンペ部門で上映、NYCの劇場での上映イベントとQ&Aは満員御礼となり、ニューヨーカーから活発な質問が飛び交う。高評価のためさらに2回のアンコール上映となった。現在はロサンゼルスを拠点に活動。