川田 睦美

川田 睦美

最近の記事

◆ 63円の絆 ◆

2021年元旦、年賀状が今年も届いた。SNSで「年始の賀状ご挨拶を控えます」と前もって言えたら、どんなに楽になるだろう。 小学6年の時、好きな男の子に年賀状を出した。年賀状は年始の挨拶であり、ラブレターではないと自分に言い聞かせ、一大決心をして書いた。冬休みに入り、クリスマスを過ぎてから、親に隠れて自分で郵便局まで行き投函した。元旦の朝、何回も郵便受けを見に行った。雪が多い年だった。待ちに待った年賀状が届いたのは、御節も食べ終わり、炬燵で両親は昼寝をしていた午後2時頃だった

    • ◆ 文章に日を当てる ◆

      エッセイは、自分の体験を描いた文章。 共感したり感銘を受けるかは、読者が決める。 私が描き溜めてあるエッセイを、読んでほしくて投稿する。 夏休みに入り、小学生の観察課題『アサガオ』も、日に当たり、沢山花が咲くといいね。 私が小学4年生の時のお話です。 『ヘチマ捕物帳』(エッセイ) 私の通っていた小学校は、4年生でヘチマを育てる理科の授業があった。発育を1学期に観察し、夏休みには自分の植木鉢を

      • ◆ ハンドメッセージ ◆

        子どもを学校に送り出し、無事に帰って来てほしいと願うのは、親の願いだ。 四六時中、今何してるかな?大丈夫かな?とは思わないけれど、学校から電話がかかってきたら、ドキッとしたものだ。  学校が終わる時間に、私の仕事は始まる。 ピアノを習いに来る生徒の右側に座る。 小さな左手に目がいくのは、この子が右ききだからだろう。昨日は、メッセージを2つ見た。  「どうしたん?薄くなっとるけどハート描いてあるじ」 今日はレッスンの前に話からなのか?と、身体をこちらに向ける

        • ◆ 咲かぬなら...◆

          お買い物の時、ユリの花をみつけてから、 絶やさす花瓶に補充して、愉しむようになった。 毎朝の水替えと、花粉取りを日課にしている。 ユリ一辺倒の生活を1ヶ月。 一本の茎に、6個の花弁が着いたものを選ぶ。 そう、私は欲張り派です。 明日咲くかなと観察日記をつけるように、眺める時間も愉しい。 茎の先端の方の花弁が折れてしまった。 可哀想に。この花は咲くのかな。 小さな瓶に移してあげた。 今日は咲くかな。 何をためらっている。 本当に咲くのかなと、3日経ち心配になった。 私が

        ◆ 63円の絆 ◆

          ◆ アンインストール ◆

          4月某日、女友達が経営するカフェへ、珈琲を飲みに行った。20代青年男子が、珈琲を飲み終わったところに入ってきた。 「久しぶり~、どうしたん痩せたじ」 シュッとした男子に、隣に座れと言わんばかりに声をかけた。 青年男子はスマホを取り出し、 「この頃から15キロ痩せたんすよー」 若い男子の語尾に、50代熟女は、 「彼女喜んだやろ~」 と、若い恋愛話を聞きたかったのだが、 「それが、、、別れたんすよー」 もういいわ。 「ところで、どんなダイエットしたん?」 話題を変えて食いぎ

          ◆ アンインストール ◆

          ◆ ことばの日 ◆

          こ(5)と(10)ば(8)の語呂合わせから、今日は「ことば」を大切にする日と、日本記念日協会が定めた日なんですって。 5月16日、ことばの日制定記念オンラインイベントに参加しました。 前からコピーライター、阿部広太郎さんのnoteや書籍を読み、この方の熱い思いに50すぎの私は、ノックアウト状態でした。 阿部広太郎さんが主宰する講座『言葉の企画2019』の中から生まれた「ことばの日」 言葉を「ことば」と平仮名にしたのは、 手話や点字など広い分野で「ことば」を知ってほしいから

          ◆ ことばの日 ◆