★文芸演習 小説創作ゼミ2 授業の狙い『合評編』他人の意見に耳を傾ける



合評は「ワークショップの初期設定が誰かの作品に置き換わる」、と考えれば良い。



『合評』は、芸術大学では伝統的に行われて来た教育手法。



半年に一回ほど作品を持ち寄って、「どこが良いとか、どこが課題かを」ディスカッションする場。



『ただ感謝の気持ちを表明したり、承認を与え合う場ではない』




コメントは聞き流すのではなく、きちんとメモを取ること。これが後に多くの気づきを与えてくれて、非常に役に立つ。




しかし、言われたとおりにするのはまた違う。




ただし、合評では複数の方の意見、AさんとBさんの感想が異なり、矛盾することもたくさんある。




最終的には自分の頭で主体的に考えて、自分で決断し、作品を開放してゆこう。



また、合評で色々と指摘してもらったことの間を取って、バランスを取ろうとする必要もない。



最終的に、「この小説はこうあるべきだ」という完成形を導くために、合評は存在する。




「もし自分が、その作品の書き手だったらどうするだろう?」ということを考えながら、書き手に敬意を払いつつ、他人の作品を読む。



「書き手や聞き手に広がりをもたらすような」コメントを心がけたい。




読むスキルが上がると書くスキルも上がり、逆もまた然りである。




正解はなく、書き手が譲れない視点まで変更する必要はない。




一つルールを挙げるとすれば、『指摘はより具体的に』



・ここが、こういう点で優れていると感じた
・ここは、こうしたほうがより良くなるのではないか



などというように、敬意を持って、建設的なコメントを常に心がけよう。




小説は自分の子どものようなもの。




書き手が泣きながら部屋を飛び出してゆくような、『人格の否定』は許されない。




創作とは『圧倒的な自由』の元にある。



しかし、自分自身が本当に面白いと思うこと、本当に心を打たれることとは何なのか、を深く知らなければ、他人を満足させたり唸らせたりする作品は書けないであろう。



すべては自分次第である。やればやったことのことが、必ず帰って来る世界でもある。




根気強い努力を重ね、『創作の不自由から跳躍する瞬間』を体感しよう。




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