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2018年7月24日参照

2018/07/24
 仄暗くなったことで空と海の境目がなくなりそうです。ずっと見ていると、空が歪んできて、ゴッホの星月夜を思い出しそうです。私は黝い波の湛える光たちを既にどこかも知られなくなってしまった場所で眺めています。下のほうでは何やら人々が喧嘩をしています。
 私がこの町に来てから先生にはお世話になりました。先生の他にはいないでしょう。私は人の為に動くことの少ない、薄情な人間です。でも、先生のためには尽くせた。ギリギリという音さえ今では懐かしく感じます。先生から受けた恩恵はこの身体によく浸透しております。下にいる方々は殴り合いをしています。
 私にとって家庭も休める場所ではありませんでした。しかし、先生のおかげで休める場所になったのかもしれません。他の生徒からも尊敬されており、先生の背中について行く生徒も多くて、凄いなと思いました。下にいる方々は喧嘩になった相手を倒しました。
 先生、まだまだこの町には未練や愛着がありますが、私はここを出ます。どこに行くかは言いませんよ。きっと会えるでしょうから。下にいる先生の頭からは更に暗くなった海とどっちつかずの血液が月光を反射しながら波をちらつかせます。
2018/07/27
 見に行ったら鳩が集まってました。


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