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映画 ユメ十夜  めちゃぐちゃおもしろかった。人間の想像力は無限である。

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 この作品は、夏目漱石の「夢十話」という夢を小説にした短編集を映画化した作品である。かなりおもしろい。ファンキーで、ポップで、どこが漱石?と思うところもあるのだが、原作より上だと、僕は思った。

 もちろん、漱石の小説を読んでないと・・・。これは夢であるという設定がわかってないと「芸術は爆発だ―――」みたいな受け取り方になってしまいヤバいことになる。

 11人の監督(うち一組は共同監督)によるオムニバス作品であり、作品を見て、これは何を表現しているのだと、深堀りしてはいけない。これは夢だから、めちゃぐちゃなのである。

 プロローグ・エピローグ
監督:清水厚
出演:戸田恵梨香
第一夜
監督:実相寺昭雄、脚本:久世光彦
出演:小泉今日子(ツグミ)、松尾スズキ(百閒)、寺田農、堀内正美
第二夜
監督:市川崑、脚本:柳谷治
出演:うじきつよし(男)、中村梅之助(和尚)
第三夜
監督・脚本:清水崇
出演:堀部圭亮(夏目漱石)、香椎由宇(夏目鏡子)
第四夜
監督:清水厚、脚本:猪爪慎一
出演:山本耕史(夏目漱石)、菅野莉央(日向はるか)
第五夜
監督・脚本:豊島圭介
出演:市川実日子(真砂子)、大倉孝二(庄太郎)
第六夜
監督・脚本:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ(わたし)、TOZAWA(運慶)
第七夜
監督:天野喜孝、河原真明
出演:sascha(ソウセキ(声))、秀島史香(ウツロ(声))
第八夜
監督:山下敦弘 脚本:長尾謙一郎
出演:藤岡弘、(夏目漱石、正造)
第九夜
監督・脚本:西川美和
出演:緒川たまき(母)、ピエール瀧(父
第十夜
監督・脚本:山口雄大、脚本:加藤淳也、脚色:漫☆画太郎
出演:松山ケンイチ(庄太郎)、本上まなみ(よし乃)、石坂浩二(平賀源内)、安田大サーカス

原作に忠実だったのは、2,3,6、7,9,10話でした。

とくに、おもしろかったのは、3,5、6,10話です。

3話は、原作と対比するとおもしろく。監督は、「呪怨」の清水崇でホラー風です。「六部殺し」の話しを現代風にアレンジしていて良かった。背負っていたはずの娘が、気がつくと怖い化け物になっているのです。

5話は、原作とまったく違っていて、「夜が明けて、鶏が鳴くまで待つ」をキーワードに奇妙なパラレルワールド。異世界と現実がねじ曲がっていきます。BGMも秀逸です。この女性は何から逃げているのか。この男は何者なのか。過去のシーンは何を意味しているのか・・・。日常の家庭生活からの逃走なのかな?。

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6話は、大人計画出演。監督は、松尾スズキ。原作では、明治になっても運慶が生きていて、木を切るとそこから仏像が出てくるという話しなのですが、それを現代風におバカにアレンジした疾走感のある作品になっています。昔、流行った「キター!」「詳細キボンヌ」など2ちゃん語が頻繁に登場し「電車男」を思い出しました。

10話は、松山ケンイチ演じるモテ男が、絶世の美女本上まなみについて行き、そこで豚丼を食わされて、その製造過程を見せられ「うぎゃーーー」というコメディ。本上の熱演が笑えた。色男松山ケンイチが、本上まなみや安田大サーカスによってハチャメチャにぐっちゃめちゃに壊されていくところが見どころ。最後に大爆笑でした。

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この美女が・・・。

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ぶひーーーと叫ぶのです。


2020 4/12




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