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映画 イブの時間  これまで見たアニメ映画の中で一番かもしれない・・・。見終わった時、もう一度最初から見たくなった。

 普通に、家事ロボットがいる世界で、ロボットとの恋愛禁止とか、ロボットが芸術の面で仕事を人間から取るとかある世界。ロボットは奴隷のようで、人間には逆らえない。

 ロボットが従うべきとして示された原則がある。ロボット三原則とも言われる。「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」を目的とする3つの原則から成る。これはアイザック・アシモフの“ロボット三原則”の考え方で、それが重要なモチーフになっていた。

 その店では、ロボットと人間を区別しない。

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地下にあり、そこにはロボットも人のように扱われるのだ。


吉浦康裕監督は言う。「喫茶店『イヴの時間』でロボットが“人間らしく振舞う”という条件を成立させるためには、店の外でロボットが“その対極の扱いを受けている”という事実を描く必要がありました。その結果として家電製品という扱いに落ち着いたわけです。奴隷ではなく家電かな、と。一見すると人間そっくりな姿の存在に対して、そのような扱いはショッキングかもしれませんが、アンドロイドが実際に日常生活の中に存在した場合をリアルに考えると、そうした価値観もありえると自分は考えています」

 そんなロボットも、ここに来ると悲しむ、心配する、笑う。人間と同じだった。不思議なカップル。祖父と孫。かわいらしい女の子。そして、主人公のロボット・・・。

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 そこにいる彼ら、彼女たちは少しも人間と変わらない。近未来における人間とロボットの未来予想図を見ているかのようだった。

 主人公の親友と子育てロボットの関係が感動的で、彼の父親はロボット否定派で「イブの時間」を潰そうとしていた。店にやってきた密偵を見つけると、そのロボットは禁を破り声を出す。

 父親に息子に話しかけるなと命令されていて、その少年はロボットに裏切られたと思っていた。だが、その父親が「イブの時間」に通っている人間をも処罰しようとしているのを知り、彼の為に家出してやってきた。そして、彼の為に叫ぶ。命令違反をする。

ロボット三原則「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」

 この場合、少年の安全性を守る為、父親からの命令に違反する。ロボットは必至に叫ぶ。少年を危機から守ろうとする。

 つまり、父親よりも少年をとったということだ。ロボットは涙を流しながら、その心情を語る。どうして、いきなりしゃべらなくなったのか?。されど敵が消えると、また、しゃべらなくなる。もう、少年の安全性を脅かすものはいない。だから、父親からの息子と話すなという命令が復活したんだ。

 とてもいい映画だ。人間なんかより、よほどロボットの方が優しいし善良だ。こういう未来ならいいかもしれない。

2020 3/7




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