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書評 沈黙の終わり 堂場瞬一 警察小説のおもしろさ凝縮。最後のオチは好きです。

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30年前から続いていた幼女殺人事件
埼玉と千葉で起こっていたので同一犯の犯罪という認識はなかった。
所轄と所轄の間の溝が、この事件の長期化の問題点でもあります。

千葉のロートル記者と、埼玉の若手が遠隔でタッグを組み
事件を抑え込もうとしている警察内部の敵と戦う
背後に大物政治家が出てくるというありがちのパターン

とにかく、謎めいた人物が複数出てきて
いろんななヒントを出してくれる
寄せては押し戻され飛ばされていく
また、寄せていく

女流作家で元警察官僚の女性の描き方が好きです。
ヒントの出し方も洒落ている。

上下巻という長丁場なのですが
展開がおもしろく読みやすいのであっとという間に読めます。

ただ、長いというのはあって
この内容なら1冊でもいけたような気がしてならない。

ミステリーですが警察小説に近く
問題は、警察幹部による長年にわたる事件の隠蔽です。
トリックとか、そういうのはありません

ラスト、犯人が死に、もはや、これまでという時に
警察小説ならではの解決がおこなわれ
正義は勝つということで終わります。

2021 5月8日




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