書評 百年と一日 柴崎友香 「時間の経過」をモチーフにした短編集。著者の20周年記念作品らしい。
「時間の経過」をたどっている短編集です。
33作品のショートショートです。
1話5ページ弱。
柴崎さんにしては文章がシンプルで入りやすい。
「正」の文字を男系の名前に受け継ぐ銭湯の家の話しとかに
ふと、ある高貴な一族が浮かんだり
噴水にたむろしていた若者の話しに
自分を重ねたり
線路沿いの祖母の家にたむろする子供たちに
過疎問題を見てみたり
不動産バブル、戦争・・・
実に、色んな裏モチーフが見え隠れして
まるで宝箱みたいでした。
時間は残酷で、あれだけ「その場」にいた