210908 好きな曲

宇多田ヒカル Deep River
スガシカオ うきぶくろをもって
キリンジ エイリアンズ
川本真琴 タイムマシーン
井上陽水 帰れない二人


久しぶりに日食なつこ以外の曲を聞いた。

私の乗っている車はまあまあ古いものなので、スマホにつなげられない。なので普段はスマホのスピーカーで音楽を流している。しかしこの前スマホを忘れた日に、ひさしぶりに車載機器から音楽を流して運転した。

この車のカーナビにはCDを録音する機能がついていて、私や私の家族がツタヤなどで借りてきたCDの音源が登録されている。ようはiTunesのCDインポートみたいなかんじ。10代の方はビックリするかもしれないが、15~20年前ぐらいの車はこれが主流だった。むしろ録音機能があるだけすごい。それより前の時代はいちいちCDを入れ替えてたんだから。

ここ最近はまったくCDを登録したりしてないが、過去に入れた曲はすべて残っている。そのなかから好きな曲をながして運転した。思いついた特に好きな曲はこの5つだった。どれも流すと意識を曲に支配されるぐらいの強い曲。

いずれの人も独自の日本語のバランスをもってると感じる。詞が模倣じゃないんだよな。そういう言葉が頭に流れるのはとてもよい。曲の巧拙とかはまったくわからんので単純に耳に気持ちいいかどうかでしか判断できないのだが。


エイリアンズ、ずっと俺だけが知ってる名曲だと思っていたのだが、めちゃめちゃ有名だった。

中学ぐらいのときに、エイリアンズがある番組の月間エンディングだったことがあって、そこで心打たれたんだけど、でも学校ではぜんぜん有名じゃなくて、ずっと俺だけの曲だと思ってたよ。


川本真琴は詞がめちゃめちゃ独特でいて理解しやすいし、比喩もめちゃめちゃうまいのですごい。オモコロ頻出の「神様はなんにも禁止なんかしてない」の人です。この詞もすげえな。

窓をつたう雨の粒みたいに
線香花火のしずくみたいに
ひとつになったら落っこちちゃうの ひとりぼっちでいなくちゃだめなの

これ、すごいのよ。タイムマシーンの一節。結ばれない恋歌みたいな感じの表現なんだけど。

まず、ひとつになったら落っこちちゃうものとして比喩1と比喩2の精度の高さ

窓をつたう雨の粒 という、暗く物悲しい情景 部屋でひとり "あなた"のいない部屋

ひとつになる線香花火のしずく、ということはそこには線香花火をもつふたりいるんですよね。結ばれないふたりが。

めちゃめちゃたしかに感の高い比喩1比喩2でありながら、それに強い意味がついてるんですよ。これ、すごいです。少ない文字数で強い効果を生み出す天才。

そんで 線香花火のしずく という表現、これがすごくて、線香花火の花火部分って、なんて言います?いま「しずく」というひとつの正解を知らないとして、あなたはあれをなんと呼ぶ?

あれを「線香花火のしずく」という表現をしたのは彼女がはじめてなんじゃないかと思うんですが、それでいて「線香花火のしずく」で、すんなり入ってくるじゃないですか。あそこのことを言ってんだな、って。いや、あそこのことを言ってんだな、とも思わない。そういう『理解』というフェーズをとびこえた『そういう言葉』として脳に入ってくる。

それがすっげ~~~~~~~~のよ。

こういうことって普通できませんからね。日本語八段です。



川本真琴のすごさで盛り上がってしまった。とにかく川本真琴はすごい。残りの曲の話もしたかったが寝ます。


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