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それは本当にSDGs?生活者の目利きがより必要な時代

先日、木村石鹸の木村社長のnoteを読み、久しぶりにnoteを書くことにしました。確かに、カインズの商品しか知らない場合、普通におしゃれだな、安いなと思って僕も買ってしまうと思います。

今回は少し別の観点になりますが、もし似たような商品があった場合に生活者として、どんな視点でモノを選んだ方が良いかを書いてみました。

1ヶ月ほど前でしょうか。とある会社からタオルの記事が出ていたので読んでみました(どこか忘れてしまったのですが今治の会社ではありませんでした)。そこにはこんなことが書いてありました。

3年以上、農薬や化学肥料を使用していない畑で育てられてオーガニックコットンを使っています。インドの畑で収穫してフェアトレード対応。

とても気持ち良さそうにタオルを使っているイメージ写真が、具体的なシーンと共に写っていて。

さらに綿花畑の写真まであって如何にも環境に良さそう。SDGsやエシカルのキーワードも入れていて、見せ方がとても上手。

値段を見て驚きました。IKEUCHI ORGANICの半分くらいの価格で思わず二度見しました。オーガニックコットン100%でフェアトレードで、こんなことあるのかなと(無印良品のような大量生産ならまだ理解できますが。)

どうやらカラクリはこうでした。パイル部分にはオーガニックコットン100%で、それ以外は通常のコットンで。

タオルの構造は、パイルと呼ばれるループ上になって表面に出ている縦糸と横糸、それから下糸の3つの組織でできています。

つまり、タオル全体に使われているオーガニックコットンは表に出ているパイル部分のみ。全体の半分以下の使用率ですが、表記はこうなります。

オーガニックコットン100%(パイル部分)

普通の人はパイル部分と書かれていても、綺麗な写真と、わかりやすい文章、使用イメージがあれば、なんとなく環境に良さそうだし、リーズナブルだし買ってしまう方が多いと思います。

もちろんオーガニックコットンを使用する事は環境にとっても良いはずなので、否定する事はありませんし、むしろこれだけオーガニックコットンが一般的になってきたのは、多くの企業がサスティナブルな方向に舵取りをしないと生き残れないと気づいているからだと思います。

ただ、最近は「エシカル」や「サスティナブル」という耳障りの良い言葉がトレンドになっていて、環境に良いキーワードや素材が、PRの一つとして使われている例があらゆる業界で見受けられます。

つい先日、大学で学生さん向けに講義をした時に大学教授にこんなことを言われました。

昔からIKEUCHI ORGANICを知っているので、商品の品質はもちろん、他の会社と何が違うかはわかりますが、学生がもし他にあるタオルと何が違うのかを見極めるのは難しいのではないか?

これは僕もそう思います。冒頭でご紹介したタオルのお話は、僕も商品ページを眺めて、一体何が違うのか?ぱっと見て見分けがつかない、と思いました。

そして、これはタオルに限らず至るところで起きている事でもあります。弊社のようなニッチな分野ならまだしも、仮にどこかの会社がヒット商品を開発しても、すぐに他社が似たようなコンセプトを掲げて、特に大手企業が参入する事はよくあります。

結果として、最初に明確なコンセプトを掲げて開発した商品よりも、卓越したマーケティング力と低価格で大量生産した商品が圧倒的な認知を獲得します。

自分の身の回りの品を全てが納得できる商品を買い揃えることは不可能ですし、どちらが良い悪いということではありませんが、僕は元々のオリジナルを開発したり、表面的なPRではなく、本当に生産者や作り手を尊重したモノづくりをしている会社の商品を出来るだけ買いたいと思います。

だからこそ、最近は大切な商品を買う時に、できる限り調べるようにしていますが、商品選びで迷った時に、どんな点が見極めのポイントになるかを挙げてみました。

1.その商品はどんな哲学で作ったかが書かれているか?

ホームページ上で、●●の認証を取りました、●●さん推薦です、環境に良い●●を採用しています、という言葉以上に、 「どんな人が、どんな考えで商品を作ったか?」が書かれているかを見るようにしています。

例えば、オーガニックコットンを採用したなら、どの産地のどんな哲学をもつ農家(会社)から仕入れをしたか、なぜその会社をパートナーに選んだのか、書かれているか。最終的に商品になるときに、素材以外に環境に配慮した取り組みをしているか?などが該当します。

2.直接スタッフや社員と交流してみて、矛盾を感じないか?

もし気になった商品で、疑問に思った事は直接その会社に質問してみたり、その会社のスタッフがSNSで発信をしているなら、実際にフォローをしたり問い合わせをしてみると良いかもしれません。あれ?全然商品のこと好きでないのかな?商品知識がないのかな?質問に対する回答が丁寧でないなど、違和感がある場合は、僕は買うのを控えるようにしています。

3.パートナーや生産者をリスペクトしているか。そこに人を感じる事ができるか?

実際に販売する会社と作り手が違う会社が多いと思いますが、その場合は、自社に関係するパートナーや生産者さんをリスペクトして紹介しているか?は見るべきポイントです。

例えばIKEUCHI ORGANICでは、綿花はタンザニア・インドの契約農家さん(REMEI社)のオーガニックコットンを採用していますし、ホームページやnoteでも、出来るだけ彼らの声や顔を紹介するようにしています。

また、私たちは最近は一流レストランのシェフの方々と取引がありますが、彼らは生産者さんを心からリスペクトして、自分たちの目で確かめようと産地に行く姿をよくみます。

食品ではない、タオルのようなレストランで使う日用品まで、弊社の工場にまで足を運ぶシェフもいるほど、顔の見える関係を重視しています。

結局のところ、どんなに優れた会社や人でも全ても自分たちで完結させるのは不可能な事が多く、どれだけ自分たちのこと以上に、自分たちが採用するモノ、人を熱く語る事ができるかどうか。

ここに自分たちの売上・利益だけしかみていないか、サスティナブル、SDGsのことを考えて行動しているかが見えてくるのではないでしょうか。

タンザニアとリアルタイムで繋ぐオンラインツアー

では私たちはどうなのか?と思う方もいるかもしれませんので最後に、とても大切なイベントをご紹介したいと思います。

IKEUCHI ORGANICの綿花は、REMEIという会社のタンザニアとインドの綿花を採用していますが、「毎年、ワインのようにコットンの違いを楽しもう。」というコンセプトから誕生した、タンザニア産オーガニックコットン 100%の「コットンヌーボー」という商品があります。

2020 年はコットンヌーボー発売10周年のメモリアルイヤーということもあり、オーガニックコットンの生産地であるタンザニアを繋ぐ、オンラインイベントをリアルタイムで配信することになりました。

当日は、コットンヌーボーの生産地、タンザニアとリアルタイムでつなぎ現地から REMEI タンザニアの責任者と、綿花の農家さんも登場します。
直接 REMEI タンザニアの責任者や農家さんが参加するのは今回が初めてで私たちもとてもワクワクしています。

タンザニアの自然あふれる雄大な風景を背景に、REMEI タンザニアと、IKEUCHI ORGANIC のコットンを生産する綿花畑も中継予定です。(当日の配信状況に合わせてプログラムは変更します)

と、夢のような内容を書いていますが、実はリハーサルを2度重ねていますが、水も電気もない場所もあるくらいですから、wifi環境も良くはなく、不安の方が大きいです。企画倒れになるのではないか?そんな声もちらほらと聞こえてきます(苦笑)

ですが、REMEIという会社なくして今のIKEUCHI ORGANICは存在しておらず、私たちのお客様はもちろん、コットンを取り扱う方にも、ご自身の目でどんな哲学を持ち、どんな人たちが綿花を作っているのか?ぜひたくさんの方にご覧いただきたいと思います。

リハーサルで農家さんのくしゃっとした笑顔を見れただけで、感激するくらいですから当日はどんなお話が聞けるのか本当に楽しみです。アーカイブ配信も予定していますが、ぜひリアルタイムで皆で楽しみましょう!

■「コットンヌーボー」タンザニアオンラインツアー概要

開催日時:2020 年 11 月 19 日(木) 20 時~21 時 20 分終了予定
※当日の配信状況により延長する可能性もございます。
参加費:無料
視聴方法:IKEUCHI ORGANIC 公式 YouTube にて配信。事前のお申し込みは不要となりますので、お時間になりましたら下記の YouTube のページをご覧ください。
●IKEUCHI ORGANIC 公式 YouTube
https://bit.ly/2I7qBLy






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