焦り部屋探し

別に今住むところがないわけじゃないし、別にすぐじゃなくて良いのは重々承知してるわけだけど、やっぱり早く一人で暮らしたいという思いがないわけでもない。

だからといって、適当に決めるわけにはいかない。

それでも、不動産屋は小さくプレッシャーをかけてくる。

「良い物件はどんどん紹介しちゃうんで、埋まることは全然ありますからね」

「申し込みしてすぐに家賃発生するわけじゃないんですよ」

こっちの色々な都合なんて関係ないわけだし、色々言ってくるわけだよ。

私も色々気を使って返すんだけど、そんなことやってたら気力を使い果たして、部屋探し後の午後は一切動けなくなってしまった。

自室で座椅子にただ身体を預けてるものと化した。

「もう少し、条件を絞った方が良いと思います」

「うるせぇなぁ。

こだわりたいんだよこっちは。

お前らは早く決めてもらった方が良いのもわかるけど、人が住むんだぞ。

もちろんある程度絞っていってるつもりだけど、そのスピードはお前にいちいち口出されるようなもんじゃないんだよ。」

なんて逆ギレ的思考が湧いてくるくらい疲れてる。

部屋探しだけで、部屋探しを挫折しそうになるから、多分亀くらいのスピードで探すことにのるんだろうと、覚悟を決める。

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