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WaCon ~やまとだましい〜

いつの頃からか、心の中にもやもやとしたものを抱えていた。私は日本という国が好きだ。日本という国の持つ歴史や文化も好きだ。けれど、なんだか日本の「いいところ」がここのところ希薄になってきているような…。

いつの頃からか、そんな漠然としたモヤモヤ感を心の中に持つようになった。

過去の私は、今の私よりももっとずっと臆病だった。そんな私が、なぜか突然ひらめいて、「アイルランドにワーホリに行く!」という目標を持った。アイルランドは中学生の頃にEnyaの曲を知って興味を持ち、いつか行ってみたいと思っていた国の一つ。小さい頃のささやかな夢の一つだった。それを温めに温めて…ぬくもりきった頃にはすっかり大人になっていた。海外なんてほとんど行ったことがない、英語も話せない、海外に友達も知り合いさえいないという、ないないづくしの中で仕事を辞めて日本の外に飛び出した。

初めて一人で降り立った海外で見た新しい景色。新しい経験。大変なことはたくさんあったけれど、どれも今の私を形づくる大切な記憶たち。ワーホリの間、いろんな国に行き、いろんな人に会った。世界は自分が想像していたよりも色鮮やかだった。

いろんな国に行ったけれど、私の心にはいつも「日本」があった。世界と日本、比較してどっちが素晴らしい、とかそういうのではなく、私の心の核になっているのは「日本」だった。

アイルランドの次のステップとして決めたのは紆余曲折を経て台湾に行くことだった。ここで日本語教師になることを決めた。

台湾はエネルギッシュな国だった。親日国とは聞いていたけれど、本当に親日の国だった。偏見かもしれないが、「ちょっとおせっかいな大阪のおばちゃんノリ」のような人たちがたくさんいた。住んでいたアパートの大家さんは私が日本人と知って、本当に優しくしてくれた。仕事から帰ったら部屋のドアのノブにライチやらマンゴーやらが吊り下がっていたこともあった。

台湾ではたくさんの日本人にも会った。ほぼ皆、駐在員として派遣されてきている人たちだった。この国のエネルギッシュさに影響を受けてか、みんないきいきしていた。人生を謳歌していた。

台湾での生活を終えて日本に帰ってきた。久しぶりの日本。数年ぶりに勤め人に戻ってみて感じたこと。「なんかみんな元気なくない?」

日本で始めた新しい仕事は子どもたちを海外に連れて行くことだった。アメリカ、カナダ、オーストラリア…。子どもたちは新しい環境に打ちのめされながらも、非日常的な経験を経て大きくなっていく。いつかの自分を見ているような感じだった。

子どもたちは海外でさまざまな人に出会う。その中で、現地で活躍する日本人に出会うこともある。子どもたちはそんな日本人からも刺激を受けて、自分の未来を想像し、創造するきっかけにしている。私自身も彼らから受ける刺激は大きかった。

でもちょっと待て。

海外で活躍する日本人はたくさんいる。しかし、日本で働く日本人はみんな元気がない?日本人は海外でしかいきいきと生きることができない?それって本当だろうか?

いやいや、きっと日本にも。自らの仕事に誇りややりがいを持ち、日本でいきいきと生きることを楽しんでいる人だってたくさんいるはず。

元気を失っている人たちも、そんな人たちの熱意に触れれば、刺激を受けて元気になるのでは?ひいては日本全体が元気になるのでは?それにつれて、日本の「いいところ」に多くの人があらためて気づき、それらを将来に遺すことができるのでは?

そんなことを考え始めて…温めて温めて…。

ようやく立ち上げる決意ができたのが最近のこと。日本の人びとに根付く、「やまとだましい」を将来に繋げていくことをモットーとして名付けた事業名は「WaCon」=「和魂」。

WaConの事業を通じて、多くの人たちが元気になってくれますように。私の大切な「日本」、歴史や文化がこれからも末永く後の世に続いていってくれますように。海外の人たちも日本に触れて元気になってくれますように。そして世界全体が平和で、元気であってくれますように。

そんな願いを込めて。これからやっていくことを少しずつ、この場を通じて皆さんに紹介したいと思っています。

これから、どうぞよろしくお願いします。

WaCon 代表 ちはや ふみ

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