P5Tプレイ覚書

※この記事にはスクショなどの親切なものはなく、覚書的なものです。

巷で噂のP5T、只今周回中です。
ペルソナシリーズ他作品、本作DLCも含めネタバレが混ざる可能性がありますので、読まれる方はご容赦を。肝心なところに触れそうなところは言葉を濁しています。
12月頭に感情が先走ってガサガサ書いたものに、進行度に合わせて加筆しています。
(うっかり1度その時公開したのですが、1月に上げ直しています)
既にプレイした方推奨です。










普段、ゲームは基本ガラパゴスなものしかせず、そのくせ人様の感想や考察を読み漁るのがとても好きです。書いている人は、P5Rをプレイタイムがカンストするぐらい周回しています。同じものを繰り返すことが苦でないのと、何度でも彼らに会いたくなるからです。
今回、折角なので記事を書く側になってみました。

上部にもありますが、注意事項です。
①配慮なくペルソナシリーズ含め過去作等を匂わすおよび言及することがあります。お気をつけください。
②調べが足りずに間違っているところもあるかと思います。力及ばず申し訳ありません。
③逆に、あえてぼかして固有の名前を出していない不親切な点もあります。
上記ご了承の上、ご覧ください。


マクロからミクロへ

元々、無印およびロイヤルでの怪盗団の目的は、個人に勇気を与えること、大きな影響力を持ったのはその手段、ということであったかと思います。
なので、視点は私怨から始まり、学校、メディア、実社会、世界と拡大していく。
今回は逆です。冒頭で流れる『失楽園』の一節にあるように、個人の中はある意味小さな世界、内なる宇宙であり、広い「王国」を旅したと思われた一行は、実は個人の内包するある種の「心の世界」のレプリカを垣間見ていたのだ、という結論に辿り着きます。
スケールダウンしているようにも感じますが、実はこれまでと大きく矛盾しているとも思いません。なぜなら、怪盗団という大きな可能性を内包している「個人のあつまり」が「大衆」に影響した例がすでに起きてしまっており、プレイヤーかつジョーカー本人である私たちは個人が変革を起こす力持つことを知っているからです。その萌芽を持つ人間に取り入り、ラスボスが止めようとすることがあってもおかしくないと言えます。
後述しますが、なぜ引用が『失楽園』なのか、も、ラスボスのヒントであると思われます。
モルガナも言及していますが、怪盗団が大人数で1人の人間を、しかも大の大人を救う……これもまた悪くない。

デフォルメだからこそ刺さる真実

ここからはキャラデザを絡めます。
本作は、Q2を併せてイメージされる方が多いと思います(未プレイなのが悔やまれます)。
ラスボス手前に出てくるトウシローの過去から引き摺り出された先輩の姿に、「怖さ」と「怒り」を感じました。無印/Rの若葉を見たときと同じ威圧感と、「なんて姿にしてくれてんねん……」というイーーーッとう感じというか。
そして、エルの隠された目と、足の甲冑の真実が、この前後ではっきり提示されるのです。
これが、あまりにリアルに描写されていたら生々しすぎて目を逸らしたかもしれません。逆に、デフォルメだからこそ真実の残酷さを私たちはまともに直視してしまえたとも言えます。
攻撃すると聞こえるうめき声、ほんと、辛い。
うめくんですよ……? はぁ……。倒しますけどね。
(ちなみに、このとき杏殿の放つ虜ちゃんや祐介の分身がオトリになってくれるのでとても便利です)

〜したいは〜すべきより強い。

トウシローについて。
私はわりといい大人なので、どちらかというと怪盗団たちよりこちらに立場の近い感じ。しかも、反逆心隠してもだだ漏れだったP5Sのゼンキチと違って、長いものに巻かれ放題、良い人がにじみ出てはいるが頼り甲斐もない、無味無臭という点においてとてもリアルな大人ですね(笑) 偉い人なのになー
リアルに怪盗団の同世代のプレイヤーさんはどのように彼を捉えたか、興味があります。ダルいおっさんなのか、カタルシス要員なのか、それとも深く共感した対象なのか。
私的には、あれだけを背負って、しがらみの中でようこそ生きていてくれた……というか。個人として(一応)神に狙い撃ちされるだけはある。どんなに早送りしても、覚醒とラストはできるだけちゃんと見るようにしています。
そんな中、今回は、オタカラを盗むという外的要因ではなく、過去に触れて自分から変わりたいという内的要因により「改心」しているので、よりリアル。現実の私たちも、人に言われるより自分で決めたほうが後々良いのは実は同じだったりします。だからこそ、外的要因で改心されたかの「悪い大人」たちは再びメメントスに囚われたとも言えそうですね。
現実にも実際に起こり得る人の心の変化の過程を丁寧に追ったのが、本作なのかもしれません。

新ペルソナについて

出てきたときに混乱したのは、「シャドウ眼の前にいてるやん」(=同一人物のシャドウとペルソナは同時に存在できないのでは?)だったのですが、敵の名前は一貫して「もうひとり〜」なので、シャドウではないんですよね(聴き間違いでなければここの付近のBGMのタイトルは『Alter Ego』)。
新ペルソナを見たとき、私が思い出したのは南条くんでした(が、こちらも未プレイで話を聞き齧っただけなのも申し訳ない)。そして、名前や帽子などからわかることとして、新ペルソナの元ネタはかのキューバの革命家であると思われるのですが……合っているならばかなりのチャレンジ……。最初、ジャンヌ・ダルクと予想していた方もいましたね。
ある意味キレイに神話や英雄の姿をなぞる他のキャラのペルソナに比べ、個人の想いがこれでもかと反映された姿でした。仮面の眼を出す穴が右(=先輩の包帯の側)にしかないのがなんとも。
性別については、ロイヤルでの川上先生の「大学でちょっとかじった心理学の話」を思い出しました。ワイルドだけの特権ではなかったようです。先生の言う通りだったよ!

あら、おひさしぶり。

ラスボスの話です。実は、女神転生3でお会いしてたんですね。私が出会ったのはリマスターなので
結構最近です。確かに、本作での主張と違わず、シジマ陣営でしたね。
本ラスボスは、キリスト教の失楽園のエピソードで、アダムとイヴにリンゴを食べるように唆した蛇(=サタン)と同一視されたりもするようです。
第1形態のデザインは、盲目というエピソードを強調したものかと思われます。
※参考はWikipedia。
ちなみに、ロイヤルのあのボスのミドルネームも同じですね。こちらは、七つの大罪に準拠してのことかと思います。

本作のボスアイコンは、イセカイナビのアレにも似ている「目玉」です。ヨシキキングダムにおいても、眼は家紋(どちらかといえばLOVEでEYEのハートかもですが)やカメラにも反映されています。
異世界の象徴としてだとは思いますが、先輩の眼や、ボスの容姿も想起しますね。
本作のテーマのトライアングルから、「プロビデンスの目」も思い出しました。みてるぞー的な。

ゲームシステムについて

タクティクスゲームは、考えてみると大昔にやったFFTが最後でした。
最初なんの気なしにNORMALで始めたら途中で息切れし、あえなくEASYに。で、現在全書が揃ったのでHARDでこつこつ→RISKYをなんとかクリア、という感じです(全書、配分わからず最後に埋まったのははアルダーでした……川上先生ごめんなさい……)。
あと、DLCのチャレンジモードはメモ取りながらぜぇぜぇしつつ全クリしています。地形と▽を制する者はステージを制す!……はず。

最初、スキルツリーをいじらないと追い討ちが1度しか発生しないと気づかず、クエストでムキーッとなっていました。というか1ターンシリーズはもれなくムキーッでした(笑)
ちなみに、周回時に1からスキルツリーが面倒かと思ったんですが、その時その時で重要視するものが違う(2周目は強い魔法持ちのペルソナをつけて魔法の火力に全振り、3周目は機動力重視、など)のでいつの間にか気にならなかったです。
NORMALまでだと仲間の巻き込みがないので銃であれば杏や春が便利ですが、巻き込みを考えると主人公や祐介が前線に出てくる。悩ましいです。かっこよくRISKY余裕でやってるぜ、と言いたいところですが、堂々と全書と強めの武器を引っ提げたにもかかわらず手こずりつつやりました。ラスボス戦一生終わらないかと思った……。P5Sでの地下水路バイコーンワンパンがトラウマなのでいつもRISKYはビクビクです……

テーマやモチーフについて

本作はとかく「革命」が叫ばれますが、ベルベットルームも革命繋がりですね。イギリス産業革命時に製鉄や蒸気機関が発展したことからきていると思われます(ちゃんと「ROOM」でなく「ARMORY(武器庫)」かつ、社名がイギリス流の「,LTD.」ってなってるところが律儀かつトンデモ感あって良き)。主人公の心の在りように入り込んだ成分が、革命は革命でも産業革命……。面白いですね。乾先生の歴史をちゃんときいていたからなのか、それとも……?
ちなみに少し違いますが、乾先生は授業内のフランス革命のところ(オクムラ・パレス攻略期間)で次のように述べています。

『革命と言うのは往々にして血生臭いもの…』
『自由のために立ちあがった革命家が、第二の独裁者になる…よくある話ですねぇ。』

ペルソナ5  ザ・ロイヤル より

いやぁ、今回の我々には本当に痛いとこついてきますね! 上記に対してモルガナが自分たちの行いは無血革命だと言っているのも皮肉です。

また、ベルベットルーム(という名の武器庫)に「IN“V”ON」という表記があります。Vはベルベットのこととして、“inon”とはなんじゃ……と調べてみたのですが、検索にはバスク語(フランスからスペインあたりにあるバスク地方の言語)で「どこにもない」という意味と出てきました。チーズケーキのあの「バスク」です。ある意味、ベルベットルームが彷徨って形を変えている、という点については所在が「どこにもない」ですね。
新ペルソナの元ネタの人物はWikipedia情報では、バスク系アルゼンチン人の血が流れているようです。なので関連しているとも考えられますが「IN.」「ON.」とピリオドが入っているので、少しこじつけで、ちゃんと別の意味があるのかもしれません。

歯車モチーフもなかなか興味深い。サブペルソナとしての汎用的な力の一端と見なすか、敵側の様に大量に作って武器として使い捨てるか、それとも「社会の歯車」の比喩とみるか。敵のモチーフとしても味方のモチーフとしても出てくるのは斬新ですね。
ベルベットルームとの画面の切替のところで、私のマシンではちょっとカクカクしているので、少し軽くなってヌルヌル動いてるとこも見たいなぁ……。

最後に

ということで、本当に雑感なのですが、現在思っているところ、気付いたところなどつらつらと書かせて頂きました。
何が言いたいかというと、やっぱP5って面白いなぁ、新キャラを含めて彼らに出会えてよかったなぁということです。
では、がんばって5周目の続きをしたいと思います! 皆様も良きP5Tライフをお送り下さい!


最後に2(少し社会的な話)

若干ニュアンスが違う話です。
トウシローの言うところの「いい大人」なので、現実とも向き合ってみます。楽しい話ではないので、合わない方はここでリターンを。

エルが持つ旗には‘’平和を欲さば戦いの備えを‘’というニュアンスの言葉がかかれています。
くしくも、現在世界で注目されている地域や宗教にゆかりがあるラスボスということで、今回の作品自体の放つメッセージにもとても思うものがあります。正義の裏返しは正義。革命についての一般論は乾先生が言った通りとは思いますが、とはいえ、血が流れて良いのか、いや、血を流さずに変えられないものもあるのではないか……
DLCにも触れると冒頭にかきましたが、本作のDLCはグラフィティ・アートと繋がりのあるストーリーです。現実で言えばバンクシーがあまりに有名ですが、そのバンクシーは同地域で起こる争いについて作品でメッセージを発し続けている作家です。
ゲームはそのあたりを意識しているわけではないと思いますが、偶然?の繋がり、ということで少しだけ言及しました。
ほんの少しだけでも頭の片隅に。そういう大人でありたいと思います。