第3週「いばらの道」#カルメン幻想曲
NHK連続テレビ小説「エール」第3週11話に登場した曲です。
【裕一は商業学校の四年生】 カルメン幻想曲(サラサーテ作曲)
先日、放送回としては翌日の12話に登場したカルメン前奏曲(ビゼー作曲)を先にご紹介させていただきました。 この曲もカルメン前奏曲の時と同じくドラマの中で裕一が所属するハーモニカ倶楽部が演奏していた曲です。
カルメン幻想曲は、スペインの作曲家であり、ヴァイオリン奏者のサラサーテの作品です。サラサーテは幼少の頃からヴァイオリンの演奏が認められ、16歳から演奏活動を始めるなど稀な天才ヴァイオリニストでした。仲の良かったサン=サーンスを始め、作曲家のラロやブルッフからも曲を献呈され、チャイコフスキーやブラームスなどにも影響を与えています。
一方、そのヴァイオリンの自身の超絶的な技巧を活かした作品も作曲しています。代表的なものは「ツィゴイネルワイゼン」で多くの著名ヴァイオリニストによって演奏され、CD化もされています。
またスペインのバスク地方で生まれたサラサーテの作品には民謡や舞曲の要素がリズムにもメロディーにも盛り込まれています。
「ツィゴイネルワイゼン」の次に有名なのが「カルメン幻想曲」と言えます。 正式な題名は『ビゼーのオペラ「カルメン」のモティーフによる演奏会用幻想曲』です。
幻想曲とは形式にとらわれず、元の作品を変奏や即興など自由に展開させる曲のことを言いますが、現代でいうとREMIX?でしょうかね。
「カルメン(Sarasate Remix)」なんて。
ビゼーの歌劇「カルメン」はオペラの中でも特に人気オペラで、色々な作曲家が様々な楽器のための幻想曲を作曲していますが、中でも一番有名なのがサラサーテの「カルメン幻想曲」でしょう。
曲は、序奏部分と4つの部分で構成されています。ドラマ「エール」では序奏部分が使われています。 冒頭からカルメンとわかる印象的なリズムで始まります。 また曲名のアラゴネーズ(Aragonaise)はスペインのアラゴン地方の踊りという意味だそうです。 裕一の幼馴染の史郎がハーモニカのベースパートが単調でつまらないとぼやく部分はここか!とクスッと笑えてしまいます。
1. 序奏部分、第4幕前奏曲「アラゴネーズ」 2. 第1幕「ハバネラ」 3 . 第1幕「カルメンの鼻歌」 4. 第1幕「セギディーリア」 5. 第2幕「ジプシーの歌」
大人気となったドラマ「のだめ」でもドラマ最終話で水川あさみさん演じるヴァイオリニスト三木清良が演奏しています。 また、フィクションの物語ではありますが、名探偵シャーロック・ホームズも、サラサーテのロンドンでの演奏会に足を運んだという事です。
サラサーテは「バスク」を題材にした「バスク奇想曲」など、有名曲以外にも魅力的な作品を残していますので、ぜひこの機会に聴いてみてください。
NHK連続テレビ小説「エール」 (NHK総合月〜金 朝8:00〜8:15、12:45〜13:00、土曜日は1週間を振り返ります。その他NHK BSプレミアム、NHK BS4Kでもオンエア中です。) *放送予定 3月30日〜9月26日
またNHKオンデマンドでも見逃し放送をご覧になることができます。
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