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ロックバンドとDX | the marriage of creativity and digital

DXこと、デジタルトランスフォーメーション。
昨今、「マーケティング」同様バズワード化していて誤解が広がってたりするので、誤解を解くためにも「アーティストとDX」というテーマでnote書くことにしました。

より具体的なnoteにするために、今回「ロックバンド」にジャンルを絞って「ロックバンドとDX」について書いていきますが、クリエイティブ業界でも使えると思いますので、音楽業界外の方もぜひご覧ください。

注:そもそもデジタルもリアルも溶け合った世界に我々は生きているので、双方めちゃくちゃ大事だし自然にミックスさせなきゃいけない。というのが前提。デジタルに全て置き換える!と言う話ではありません。

ですので、実際には「+デジタル体験」ですね!


最初に要約

今回も長いnoteになるので、最初に要約を画像でまとめておきます。具体例はいいからポイント知りたい!という方はこちらの画像をクリックしてご覧ください。

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ここからは詳細のお話をしていきますね👍

なんでロックバンドか?

2つ理由があります。

1つ目は「バンドが好きだから!」というシンプルな理由。もう1つは、「DX視点を加えることで、シーンの最前線を席巻すると確信している」からです。

2020年のBillboard Hot 100にロックバンドは11組。2019年は14組。世界のチャートで言えばもっと少ないのが現状です... 
もっと多くていいでしょうよ!!いいバンドめっちゃいるんだから!!

変異株の影響でコロナ禍がまだ1年は続きそうなこの現状を見ていると、フェスやライブを現場にブレイクしてきたロックバンドは不利な時代が2年以上続くことになります。

このコロナ禍や、価値観・生活の変化に対応するためにも、DX的マインドセットが今こそ大事だ!と、私は思っています。


DXって何?

一言で言えば「ユーザー中心主義」
一行で言えば「プロダクト中心主義から、ユーザー中心主義へのシフト」です。

データ云々のお話はもちろんありますが、一番重要なのは「考え方のシフト」です。

顧客データを集めて云々的なことは、大きなファンベースのバンドでない限り難しいので、ここではどんなバンドでも実践できる話を中心にまとめていきます。

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時代への対応

DXは時代への対応のために行います。VUCAという言葉を聞いたこともある方もいらっしゃると思います。一言でいうと「ほんとどーなるかわからない状態」を言います。

今ですね!

ほんとに未来がわからない時代に突入しました...要因は多すぎますが、その一つにSNS・デジタル化があるのは間違いありません。

思えば音楽業界はCD以降、この10年iTunes、Spotify、YouTubeと業界のルールをIT業界に握られ続けられており、これは業界のルールがITに置き換わったとも言えます。

一方、出版業界は30%のプラットフォーム印税を持っていかれるものの、ジャンプ+マガポケサンデーうぇぶりとブランド力・資産を活かしたサービスを作ることで時代に対応しています。特にジャンプ+さんは数々のヒットを生み出していてパネぇです。本当に!

「週刊少年ジャンプ」発行部数と、「少年ジャンプ+」ユーザー数
・ジャンプ発行部数:1,404,167
・WAU(Weekly Active User):280万人
・DAU:140万人
※発行部数はJMPAデータ、ユーザーデータはImpress Watchの記事より

講談社さんも2019.12.1〜20.11.30の業績で「デジタル関連収入」が初めて紙媒体の「製品」売上を上回っていますね。


マンガの「ユーザー中心発想」

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「これからってスマホの画面が大きく綺麗にどんどんなるし、漫画ってスマホで読むよね。俺らもこんなにスマホで読んでるし。
漫画村にみんなめちゃくちゃアクセスして本当にむかつくけど、逆に言うとそれだけみんな読みたいってことなんだから、自分たちで作ろうや。紙で読んで欲しいっていうのはあるけど、読者がどういう形で楽しむのかは自由だし、作品を楽しんでもらえるんだったらメディアが何とかは関係ないっしょ!」

こんなやり取りがあったのかはわかりませんが、作品の楽しみ方は読者の自由です。

1. スマホの画面が大きくなったこと
2. 気持ちが高まった時にすぐ買える点
3. いくらでも持ち運びができること
いろんな点でマンガとスマホは相性もよかったと思います。

ユーザー体験(UX)を考えると、スマホでの読書体験をコアに置きながら全体設計をしていこう。という考えになるのは自然なことだったとも言えます。


音楽シーンではどうか?

「プロダクト(楽曲)中心主義」が強すぎるケースが多いと感じています。勿論、精神と体力、時間を削って産み出した楽曲ですから当たり前の話でもあります。

「作り手の想いどおりに聴いてほしいし、そうあるべきだ。」ベテランのスタッフになればなるほど、このマインドセットは強いはずです。これまではそれが可能でした。

メディアが限られて、タッチポイントがコントロール可能だったので、伝えたいメッセージを、意図した形で伝えれた時代だったので。

今はどうか?

スマホからWeb・SNSでみんな違うものを自由に見たり、発言したりする時代になったのでタッチポイントのコントロールなんて莫大な予算があってもほぼ不可能。だからこそグローバルでナラティブアプローチが注目されているわけです。

今後ますますアンコントローラブルになるので、「コントロールできる場所で届ける」というマインドセットは足かせとなってしまいます。その場所が少なくなりますし、同時に力を失っていくので。

このコントロールできない状況下において重要となるのが、ユーザー中心主義です。楽しみ方や語り口をユーザーに委ねます。では具体的にどうするか。

3つのテーマで具体的に提案します。

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1. バンド体験のDX

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一つ目の、バンド体験のDX。
ロックバンドは他のジャンルの中でも特に「現場主義」が強いジャンルだと思います。現場で得られるファンとの一体感は凄まじいし、成り上がり方も、「ライブ → フェス → マス」というステップでした。

ライブはバンドを100%の純度で伝えることのできる最高な空間で、「曲・アーティストを伝える」方法としてライブに勝る場所なんてないはずです。

ライブやフェスでのバンド体験を通して想い出ができたり、楽曲(アーティスト)の価値が高まりますよね。こんな感じに。

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ただ、コロナ禍において「ライブ・フェス」が難しくなってしまい、バンドはこの「曲・アーティストを高い純度で伝える場所」を一時的に失ってしまいました。

場所を失うということは、体験や想い出を通して楽曲の価値が高まる場所を失いますし、ライブに誘われて来ていた潜在的なファンや、既存のファンも失いかねません。

ですので、この「バンド体験」をデジタル活用で一時的に置き換える必要があります。

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つまり、バンド体験のDXとは「デジタル上にもバンド体験の場所を作り、楽曲(アーティスト)の価値を高める」ということです。

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具体的にはバンドや曲の価値を高めるデジタルコンテンツをつくることになります


2. コンテンツのDX

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そのデジタルコンテンツってなんやねん?と。
3つの切り口でお話しします。

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2-1. バンド・楽曲の解像度が高まるコンテンツ

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解像度が高まるとはどういうことか?

「葉っぱ」で例えてみます。

解像度が低いと、葉っぱを見た時に「緑だな...」で終わります。しかし、解像度が高ければ「この葉っぱは広葉樹で、光合成のためによく光が当たるように重ならず生えてて、葉脈があって...」と、色々な面がわかっている。そんな感じです。ニュアンス伝わりますでしょうか?

とわいえ何故、解像度が高まるコンテンツか?

バンドには「ビデオでの多角化と相性が悪い」という課題があります。シンガーやダンスボーカルグループは場所や行動に制限が無いため、多角化しやすいのですが、バンドは楽器を演奏するため、パフォーマンスや費用面で若干制限が生まれます。(尊敬するストプラの隅田くんが言ってて、確かに!ってなったので拝借)

そこで「バンドや楽曲の解像度が高まるコンテンツ」が重要になります。

ただここで普通にドキュメンタリーや、インタビューを行ってしまうとファン向けコンテンツとなってしまい、ますよね。ただ、そのコンテンツを「誰が見る・聴くか?」と考えた際、注目が集まっている時期でない限りドキュメンタリーやインタビューはファン以外から興味が持たれづらいので...

ではどうするか?

活動の本流内のリーチが生まれ得る場所で、
①バンドメンバーの解像度を高めるコンテンツ
② 楽曲の解像度を高めるコンテンツ

をつくります。

① バンドメンバーの解像度を高める

バンドメンバー1人1人が主役になれるコンテンツや楽曲をつくります。

「僕のヒーローアカデミア」や「呪術廻戦」では主人公だけでなく、周りのメンバーを深ぼる話が本編中に組み込まれてますよね。アレをバンドでもやっていきます!

バンドでこれをどうやるか?
バンド各メンバーがプロデュースした、アレンジver.・Remixが一つの方法です。

作曲が難しい場合は、例えばドラムラインやドラムブレイクが追加・強調された Drums Feature ver. のような形もいいと思いますし、〇〇Arrange ver. みたいな形もいいですね!

荒田洸(WONK)さんやAAAMYYY(Tempalay)のようなメンバーのソロ活動も、より解像度が高まっていくと思いますし、個人の活動からバンドを知ることにもつながっていくと思います。

以前から何回もお話しちゃってますが、Tom Mischのプレイリスト「real good shit」的なことをメンバー別にやるのもめちゃアリ!音楽趣味がわかるのって一番好感度上がりません?


② 楽曲の解像度を高める

「リリース」という本流の中で楽曲の解像度を高めることもオススメです。例えば、PUNPEEさんのコメンタリー・アルバム『MODERN TIMES -Commentary-』。

通常ファン向けになってしまうコメンタリーをサブスク配信することで、ストリーミングサービス上での露出も期待できますし、ニュースにもなりますし(大型アーティストなら特に!)、再視聴のキッカケにもなります。

一定レベルを超えたアーティストの場合、リーチを生み出すために最も有効なのはぶっちゃけリリースです。ストリーミングリリースにうまく、解像度が高まる楽曲やコンテンツを組み込むことで、アーティストや楽曲に対する情報量が高まり、曲からアーティストへ興味を遷移させていくこともできます。


2-2. 曲×プラットフォーム

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楽曲を各プラットフォームに適応させます。

動物は生きるために環境適応し、世代を超えて進化しています。同様に音楽もプラットフォームに適応進化させていきます。(最近出た本「進化思考」がめちゃ面白かったのでオススメ!)

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これ迄も楽曲を届けるメディアはどんどん変わり続けていますし、メディアに合わせて楽曲も色々変化してきました。

適応させていくのは自然な流れとも言えます。

- 音源メディアの変遷 -
ライブ

レコード

テープ

CD

iTunes

ストリーミング・プラットフォーム

Off Topic「テクノロジーがどう音楽カルチャーをシフトさせたのか」回も面白いので是非!

現代だと、Apple MusicやSpotify、Amazon Music、LINE MUSICといったストリーミングサービスへの適応と、YouTubeやTikTokといった動画プラットフォームへの適応、TwitterやInstagramといったSNSへの適応が必要となりますね。

ストリーミング:Podcast
Apple MusicやSpotify含め、現在はPodcastにめちゃくちゃ力を入れています。Anchor(Spotify)では「Music + Talk」という機能も実装され、ラジオ的な企画ができるようになりました。

ですので、東京事変さんがやってた「Liner Voice+」も自分達でできちゃいます。こんな感じに。(Appで聴く必要アリ)

次にYouTube・TikTokといった動画プラットフォームと、Twitter・InstagramといったSNSへの適応です。


YouTube & Shorts:
YouTubeにはMusic Videoの形であげたり、Audio Videoであげたり、Live Videoであげたり、Lyric Videoであげたり、色々な形が既に確立されていますね。

YouTubeは確立されていて説明するまでもないかな?と思うので、省略します!


TikTok:
国内バンドで活用しているケースはまだまだ少ないですね!ただコンテンツ次第でリーチが生まれるほぼ唯一と言っていいプラットフォームなので、活用しない手はありません!

コロナ禍の今、リーチを生み出す方法が本当に無いのでTikTokは重要かつ貴重なリーチの場所になります。

博報堂さんの調査では、TikTokユーザーが音楽に対してコンテンツ支出額が高いと言うことが明らかになりました。

まだまだ事例が少ないので、少し丁寧に方法を説明すると、少なくとも下記のような方法があると思います。

- 曲×TikTok -
1. MV(各Video)の縦ver.
2. LIVEシーンの活用
3. 舞台裏シーンの活用
4. #弾き語り
5. #duet & リポスト

1. MV(各Video)の縦ver.
こちらはMVやLive Videoを縦型で切り出すパターン。費用もほぼかかりません。

@oneokrock_official

The best video has been decided!! ONE OK ROCK - Broken Heart of Gold Japanese Version [OFFICIAL MUSIC VIDEO] #ONEOKROCK #brokenheartofgold

♬ Broken Heart of Gold - ONE OK ROCK
@oasis

'OASIS KNEBWORTH 1996' IS COMING TO CINEMAS WORLDWIDE FROM SEPTEMBER 23. TICKETS ON SALE NOW! #oasisknebworth1996 #oasis #knebworth

♬ original sound - Oasis

2. LIVEシーンの活用
LIVEをうまく撮影するパターン。SUPER BEAVERさんの「愛しい人」関連の投稿とかめちゃ素敵です!

3. 舞台裏シーンの活用
バンドの普段やLIVEの舞台裏を活用する方法もあります。5 Seconds of Summerとかいつも楽しそうです。新曲をちゃんとBGMにしてますね。

@5sos

How to make a drink with Luke Hemmings #5sos #wildflower

♬ Wildflower - 5 Seconds Of Summer

GREEN DAYは新曲をスタジオから届けたり!

4. #弾き語り
シンプルに弾き語るのも効果的。Coldplayも!

デュエットをTikTokユーザーに呼びかける方法もあります!

@oneokrock_official

#デュエット 機能を使って「Renegades」をTakaと一緒に歌おう!Takaと叫べ をつけて投稿!素敵な投稿には公式アカウントから「いいね」やSNSでシェアされるかも?沢山の投稿お待ちしてます! #ONEOKROCK #Renegades

♬ オリジナル楽曲 - ONE OK ROCK - ONE OK ROCK

5. #duet & リポスト
ファンの投稿に対してduetを行ったり、ファンの投稿を自分たちのアカウントで紹介したりもUGCが増えますね!(ロック事例じゃありませんが、SCHOOL OF ROCKだしロック事例!)

@jackblack

#duet with @amhband it’s time to pass the torch

♬ original sound - AMH Band


Twitter:
お次はTwitter。MVの切り出し投稿が基本になりますよね。(JASRAC未契約なのでお気をつけください。)
ここではスクエア動画と、3:4画像が圧倒的におすすめです!MVも16:9をスクエアに編集して投稿するのがお勧め!

NETFLIXさんも動画はスクエアで統一されてますね。最も効果的だからだと思います!

Twitterはフィード上でいかに存在感を出すか!というのが第一関門ですので、占有率をあげる縦の長い画像や動画はシンプルに効果的です。(Media Studioの利用もお忘れず)

あともう一つ、定期的なスペースもフォロワー向け比重が大きいですが、有効です。UI的にTwitter開いた瞬間に表示されますから。作品をテーマにした対談のスペースとか、広げ方は色々ありそうです。コラボによって、フォロワー向けのスペースにも広がりがでます👍


Instagram・Reels:
ストーリーズ・フィード・リールへの投稿ですね。ストーリーズが国内では使用率高いので、ファン向けにストーリーズをうまく活用することが重要だと思います。身近な存在に感じさせていく感じですね!

こちらでもMVの縦型化や、楽曲をストーリーズで使ってほしいシーンの投稿が有効なはずですし、コンテンツの制作過程や、アーティストの日常を伝えていくのがよさそうです!


2-3. コンテンツでの対バン

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ライブやフェスは、人が集まる場所です。そこに出て、新たに来てくれた人にいいライブを通してファンになってもらうから意味深かったわけです。

ライブが難しくなった今、音源やコンテンツで対バンするのはいかがでしょう?

自分たちのリリースを積み重ねても、それだけでは広がりは小さいのが正直なところ。新しい人に聴いてもらうためにも、音源やコンテンツで対バン(コラボ)することは重要です。プラットフォーム上における流入の関係でも。

最近だとコチラとか。

コチラとか。

菅田将暉さんはよくコラボリリースされてますよね。

BLACK MUSICではfeat.やREMIXは当たり前だったりして、プラットフォームのレコメンドにおいて、このfeat.やREMIXは効いてきます。ロックジャンルにfeat.やREMIXが少ないこともチャートアクションでの苦戦に関係しているかもしれません...


3. ファンジャーニーのDX

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最後にファンジャーニーのDXです。
ファンになってもらう過程のプラスデジタルですね。ポイントとしては2つ。

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1. Always On × Drop
Always Onとはその名の通り、常にオンの状態を指します。リリースやライブの時だけ活動的になるわけではなく、常にお客さんと接点がある状態(On)を作っておこう!というやつです。

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画像参照:宣伝会議

これまではフェスやライブハウスでまた見てもらうことで、リスナーとの接点(= 再視聴のキッカケ)があったと思うのですが、ライブがなくなってしまうとこの接点を失い、再視聴のキッカケも失ってしまいます。

ですのでキッカケを定期的に提供するためにも、Always Onな状態を作ります。勿論サプライズ的に隠す部分もありますが、バンドの日常や制作過程、色々な部分を共有していきましょう。プロセスエコノミー的な本も出てましたが、そーいう感じです。

コンテンツに関するAlways Onで言うと、ストリーミング上での連続リリースがあります。
何もない状況でファンとの接点を作り続ける事は困難ですが、リリースがあればリリースに伴う活動やコンテンツが増えるので、ファンとの接点も保ちやすいですよね。もちろんリーチも増えます!

で!このAlways OnにDropを加えていきます。DropはSupremeとかNIKEがやってる限定品の突然販売のことでWネームのパターンもあれば、数量限定品のパターンもあります。

目的は「話題の最大化」です。

ですので、話題化が見込める方法を考える必要があります。バンドごととしての話題ではなく、ジャンルとしての話題である必要もありますし、話題の規模はバンドの状況によって考える必要があります。

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HIPHOPで言うとWACKO MARIA × 舐達麻のコラボシリーズ。HIP HOPシーンだけでなくファッションシーンにとってのニュースですよね。(ファッションコラボしましょう!と言うお話ではないので誤解のなきように)

Dropによって話題を作り新規リスナーを獲得。その新規リスナーと常につながることで、よりファン化してもらうのが目的なので、話題の親和性とニュースの範囲は常に意識することが重要です。

で!お気づきの通り、このAlways OnとDropのかけ算こそがポイント。

Dropだけだと興味を持ってもらったのにファン化せず離れてしまいがちですが、常に接点を作ることでファン化の確率は高まります。

どちらかが欠けてもいけません。Always Onだけだと新規流入は少ないので、小さなファンの村が出来上がりがちですし、Dropによるニュースで入ってきた新規の方はニュースとともに去っていってしまいがちなので、定着が生まれません。ですのでAlways On × Dropが重要です。


2. 沼コンテンツの設計
沼とは、アニメとかでよく言う「沼落ちした...」とかのアレです!

沼の設計は、ファンになってもらうために作ります。よく「バケツの穴を閉じる」とかいったりしますが、せっかくバンドの曲を聴いてくれたりしたのに、ファン化設計ができていない(バケツに穴が空いている)と、ファンをとりこぼしてしまいます。

このバケツの穴を塞ぐための設計が重要です。大きくアプローチは2つ。

①ドライブスルーされないための設計
②継続視聴してもらうための設計

①ドライブスルーされないための設計
せっかく来てもらったのに定着せずに離れていってしまうことを極力防ぎます!曲からバンドへ興味をどう遷移させられるか?という観点で考えるのがポイント。

そのために必要なのはコンテンツ数×導線設計です。以前書いたYouTubeの3S戦略が参考になると思いますので、ぜひご覧ください。曲とバンドをつなげるSYNERGYコンテンツ作ろうぜ!的なお話しです。

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②継続視聴してもらうための設計
とっても大事です、継続視聴!ただでさえ誘惑の多い社会なので簡単に音楽聴かなくなりますし、アーティストの曲を聴き続けてもらうのは大変になってます。Apex LegendsとかPUBGやりたいですから!!

ですので、一度聴いてもらったら逃さない設計が重要。ここで重要になるのが「箱」的な考え方。

YouTubeやストリーミングはユーザーの滞在時間をできるだけ長くしたいので、その人が聴きそうなコンテンツを(アーティスト問わず)レコメンドしていきます。

ですので、プレイリストのような「連続再生の箱(場所)」が重要になるわけです。そういう意味で、シングルをコンパイルするEPはとても重要ですし、アルバムなんてもっと重要です。

メディアがCDからストリーミングに変わった今、収録曲数に囚われる必要もありません!(チャート視点では考えねばなりませんが)

KANYE WESTの新作「Donda」はCD(最大74分)を想定してないであろう108分 & 先日アルバムが更新されたのも話題になりました。

とはいえ、こんな蟹江先輩バリの大傑作を作り上げるのには多くの年月を費やしますし、EPを出し続けることなんて不可能なので、シングルリリースの時は告知時のYouTube・ストリーミング全てのリンクをプレイリストのURLにしちゃいましょう。

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あとYouTubeの説明欄やリンク、Spotifyのプロフィールとか、リンクを作れる部分は徹底的に導線設計しましょう!面倒だと思いますが、これでもか!って位やりましょう。

本当にチリつもです!

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まとめ

最後に簡単にまとめていきますね!

DXとは、
一言で言えば「ユーザー中心主義」
一行で言えば「プロダクト中心主義から、ユーザー中心主義へのシフト」

①バンド体験のDX:
デジタル上でもバンド体験の場所を作り、楽曲の価値を高める。

②コンテンツのDX:
・バンドメンバーの解像度が高まるコンテンツ
・曲×プラットフォームで進化させる
・コンテンツでの対バン

③ファンジャーニーのDX:
・Always On × Dropで、新規リスナー獲得とファン化
・沼コンテンツの設計で、継続視聴へ

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以上、今回のnoteではここまでとさせていただきます。実務に落とし込む時はもっと色々なことができると思いますので、ぜひバンドシーンの皆様、チャレンジいただけますと幸いです!

noteを気に入ってくださった方は、他のnoteもたくさんあるのでぜひご覧くださいデス!Notionに過去の記事まとめてます!

Twitterも音楽とサウナとトレランの話をいつもしてるので、よろしければぜひぜひフォローくださいー!


はやくフェス行きてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!

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