名曲634 「OCEAN SIDE」【菊池桃子】

ーー私までオーシャンサイドーー

【Momoko Kikuchi - OCEAN SIDE】

 久しぶりに菊池桃子の曲を紹介。上の動画のサムネ、めちゃくちゃ気持ちよさそう。すーって人体まで透き通りそうな。ああ、海に行ったらあれをやってみたいですな。現実は波が鼻に入ってゲホゲホ言うのだけれど。

 「OCEAN SIDE」はシティポップの台頭によって再評価が進んでいる曲である。同じタイトルのアルバムもあり、そちらも有名だ。その中には『BLIND CURVE』もあり、過去にも取り上げている。そう思うと菊池桃子を取り上げている回数は比較的多い。

 というのも、私の崇拝する林哲司が関わっているからだ。この曲もそう。菊池桃子のか細い声にゴージャスなメロディー。そのおかげで菊池桃子自身が引っ張られるかのように名曲となっていく。中途半端な歌手だったら凡曲になっていたような気も。

{銀色に光る翼が ガラス越し胸の中reflex}

{本にはさんだチケット 南風を誘う 口笛 ときめくメロディ}

 淡々とひと言ひと言、進めていく。この曲は言わばデビュー曲に近い(「OCEAN SIDE」はファーストアルバムなのだ)ので初々しさと緊張感が伝わってくるではないか。「メロディ」の棒読み感がまたいかにも。まあほとんど素人同然なのだが、それをサポートしようと林哲司が一肌脱いだわけだ。かーっ、変な見方ですみません。

{友達と週末 海へ行くあなたを 淋しく ひとりでみてた}

{Fly me to the blue 夏のフレーム 心まで Ocean side 今雲の上 そう歩いてる気分 So anymore}

 歌詞がほとんどカタコトみたいなものなので読み解くのはさまざま解釈が生まれそうだが、そのほうがミステリアスでいい。謎の新人美少女、菊池桃子。だけれども新鮮味と爽やかさは失われない。つまりは神秘的なのである。

 それを演出させた周りのスタッフに脱帽。いまはまたシティポップで再評価されており、私もその波に乗って好きになった一人である。こう時が進んでから評価されているのを見ると、あのころの努力は無駄じゃなかったという風に勝手に想像してしまったりする。

 この曲は初期の名曲として紹介。という感じだったのだが、どこか穿った見方にもなってしまった。その2面性も狙っていたのだとしたら、菊池桃子恐るべし。あれですな、ひと言でいうと完成しきっていないから面白いのだ。

       【今日の名歌詞】

今気づいたの 言葉じゃなくて 愛のemotion


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