見出し画像

「投手が打ち取ったと思った打球を確実にアウトにする」こと【7/1広島戦○】

写真はいつかのコブシ球場。

みやさまは守備の極意を「投手が打ち取ったと思った打球を確実にアウトにする」ことだと言う。

私はこれにえらく、感銘を受けた。そうだよな、それは、プロの仕事の本質だよな、と。

そこに派手なプレーはなくても、その積み重ねが信頼に繋がっていくし、もちろん、チームの勝利に繋がっていく。「守備」というのは本来そういうものだ。ヒットに見えた当たりをアウトにするプレーはもちろん目立つしかっちょいいけれど、仕事というものは基本的にそんなに派手なプレーばかりで成り立つわけじゃない。本質は、「投手が打ち取ったと思った打球を確実にアウトにする」ところにある。

今シーズンが始まってこの二週間の間に、私は幾度となくその安心感を目にし続けてきた。守備って大事なんだな、と、ようやく実感としてわかった。

エスコバーは多分、開幕以来、20点分くらいの失点を防いでくれている。(いや、まじで。)

もちろん今日の9回表の守備みたいに、すばらしくしびれるプレーもあるわけだけれど、その多くは、「投手が打ち取ったと思った打球を確実にアウトに」してくれている。

家ではkaraokeで熱唱しながら、ベンチでは熱心にメモを取る。アウトにできたらうれしそうに喜び、打てなかった時はめちゃくちゃ悔しそうな顔をする。その素直さから、生み出されるものはたくさんあるのだろうな、と思う。

イレギュラーな形で開幕した今年のシーズン、家族と離れて暮らすエスコバーは、それでも何だか楽しそうに、毎日過ごしてくれている。いつも思うのだけれど、私が好きなチームに来てくれた外国人選手が、楽しそうにしてくれているのを見るのは、これは本当に何だか、うれしいものだ。


試合は4-3で5回表を終えたところで、雨が強まり試合は中断した。解説の里崎さんは「あんまりルールわかってないんですよね、ルールブックとか正直読まないですし!ははは!」と、豪快に笑ったが、歩くルールブックこと私の親愛なるヤクルトファンの先輩は、野球規約とともに「このまま試合が終わればヤクルトの勝ちだ」と教えてくれた。「もうここでコールドでいいよ」と、私は思った。どんな形だろうと勝ちは勝ちである。

でも残念ながら(そう残念ながら)試合は再開した。

1点差、カープ戦、点が取れないまま後半に突入する投手戦、これはもう数々の悪夢がよみがえる。「勝利の方程式」はここでは通用しない。胃が痛い。永遠に胃は痛い。スコアボードは永遠に0を刻む。胃が痛い。

でも、試合再開後、ヤクルトはとにかくその0を守り抜いた。数々のトラウマを乗り越えて。私は今日もまた、寿命を50日ばかり縮めたと思う。でも致し方ない、それはもう甘んじて受け入れよう。

その0点は、救援陣がしっかり打者と向き合い、抑えた0点であり、同時に守備陣が「投手が打ち取ったと思った打球を確実にアウトにする」ことで、抑えた0点だ。

ミスもあったし、確実に取りに行きたかったけれど取れなかった1点もあったけれど、「しっかり守り抜いた」いい試合だった。そしてその「守り抜く」ところで、若い古賀くんが懸命にがんばっていたのもなかなか印象的だった。(走塁はたぶん、ベンチでめっちゃ怒られていたけども笑)

あとちょっと胃はまだ痛いので、次はどうかもう少し、胃に優しい試合をお願いします・・とは、思っている。



ありがとうございます…! いただいたサポートは、ヤクルトスワローズへのお布施になります! いつも読んでいただき、ありがとうございます!