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神宮の風に吹かれながら大人だけでビールを飲んだ日 【6/27中日戦◯】

ピッチャーとキャッチャーが敵なのか味方なのかさえわからなかったような状態から野球を見始めた私に、選手の名前もぐっちのことも守備位置の数字の意味もDHの意味も教えてくれたのは、いつも神宮で隣に座る息子だった。

だけど昨日は初めて、子どもたちと一緒にではなく、先輩たちと大人だけで観戦をした。

そう、とうとう私はそんな息子の解説を卒業して息子なしで観戦へゆくのだ、私も大きく成長したのだよ息子・・!と、感慨深く・・・なる暇など当然なく、ただひたすらに大人だけでビールを飲める時間を全力で楽しんでいた。だってこの試合である。7-2で勝ちである。連勝である。信じられない。

去年、神宮へ観に行く予定の前日にヤクルトが勝つと、「ああ観に行く試合は負けるな・・」と、いつも思っていた。本当に、本当に、本当に、連勝をしないチームだったから。だけど今年はちがう。昨日勝っても、今日も勝てるのだ!信じられない!そういうのを連勝と呼ぶんですね!

1打席目からなおみちのヒット、エイオキの2ランと、昨日に引き続きあまりによくできた展開に、夢かな・・?と、思った。あんまりそういうことが続くとこの後なんかすごいどんでん返しがあるのでは・・・と思えてしまうから困ったものだ、ほんとうに。

だけど、ここのところのヤクルトはほんと、4月や5月にひたすらよく見たせいで染み付いてしまった「先制してもぜったいに追いつかれる」とう恐怖が、少しだけなくなってきた。リードを守りきれることも多くなってきた。いやもうそういうの、投打が噛み合うというのでは・・?強いのか・・?いやまさか・・(混乱)

と、喜びながらも戸惑っていると、なんかみるみるうちに得点が入っていった。というか、カラシティーが点をとっていた。誰だ、このめっちゃ打てる新外国人野手。

いつも、勝った試合でも、ぐっちが出ていなかったり、誰かの調子が悪そうだったり、どこかで小さく引っかかる何かがあることが多かった。まあよく考えれば当たり前だけれど、誰もが100%の力でプレーできることはまずないわけだから。

だけど一昨日と昨日の試合は、そういうモヤモヤすることがほとんどなかった。もちろん、なにもかも「完璧」だったわけじゃないけれど、完璧な試合なんてまず存在しないわけで、そんな中でも、明日の試合がちょっと不安になるような何かがほとんどない、というのは初めてのことかもしれない、それはなかなかすごいことだ、と思う。

もちろん、ちょっと調子が悪いのかな、今日は打ててないな、という人がいたりもするけれど、まあそのうち調子も上がるだろうなとなんか楽観視してしまっている。・・いや待て大丈夫かなこの余裕、なんかやっぱり不安になってきた。うん。(慣れない)

だけどまあ本当に、仲の良い先輩たちと、神宮の風にあたりながら、ビール飲みながら、ぐっちの明石焼き食べながら、野球の話をしたり全然関係ない話をしたりしながら、笑い合って見る野球は、あーこういうのをしあわせと呼ぶのですね、というくらい、いい時間だった。こんなに楽しいことを教えてくれてありがとう野球のかみさま、と、私は思った。こんな良き日に、勝ってくれてありがとう、ヤクルト。

手元にあるチケットが、それが勝つ試合になるのか負ける試合になるのか、終わった時に笑っているのか泣いているのか、それは全くわからない。とぼとぼ帰る日だって、山のようにある。でも、たまにはこういう、あーしあわせだなあとしみじみ思えてしまう時間をくれる、魔法のような一枚になる。

なんだかんだでもうすぐ6月も終わり。きっと夏はあっという間に過ぎ去ってしまうから、それまでの間にまた良き試合がたくさん見られますように、大好きな人たちといっぱいハイタッチできますように、と、ただただ、思う。


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