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【ランニング日記】 悲しい事件を抱えて走る、一週間。それに対抗する良き物語のこと。【7/11(月)〜7/15(金)】

7/11(月)

週末はずっと仕事(といっても交流会という楽しいお仕事だけれどもそれでも一応仕事は仕事なので)だったので、金曜日から「月曜日は自主休みにする!!」と、決めていた。だいたい、世の中ほんとうにいろんなことがありすぎてすっかり心身ともに疲れてしまった。

で、私にとっての休み、というのは「走らない」ことから始まる。ので、今日は思い切って走るのもやめて、少しゆっくりに起きた。ゆっくり部屋を片付け、ねこたちのトイレを掃除し、水をいれかえ、週末ほったらかしにしてしまったグリーンたちにも水をやる。子どもたちを送り出し、朝ごはんのシ食器をゆっくり片付ける。

走らなかったけど、土曜日にできなかったきんにくんのオンラインフィットネスはアーカイブで見ながらやることにする。まあなんせ週末はよく飲んだので、ここでしっかり燃焼せねばならぬ。

体がすっかり疲れている気がするけれど、これはまあたぶん、この週末の大きないろいろで、そして選挙のいろいろもあり、疲れているのは心なのかもしれない。ほんとうは一日だらだらしちゃいたいけれど、でもそういう時こそしっかり体は動かして、栄養しっかりとって、その上でちょっとお昼寝したりゆっくりしたいと思います。みなさんもどうぞ、ご自愛ください。

7/12(火)

昨日は宣言どおり、自主休み!にして、一日ゆっくりすごした。まあ家事したり少し仕事したりしたけれど、いつもよりはずっとスローペースだし、お昼寝もしたし、夜ごはんは近所の居酒屋に子どもたちと行って焼き鳥を食べた。特にものすごくおいしいお店というわけではないですが(おい)、でももう、子どもたちと居酒屋、というだけで楽しいのだ。ごはん作らなくて良い自主休み、最高である。

夕方になるにつれ、どんどん元気になっていく感じがあった。子どもたちにも「なんかちょっとずつ元気になってきた!」と言うと、「よかったねえよかったねえ」とにこにこしていた。

しっかりパワーチャージしたので、今日は朝からちゃんと走る。

気温はそんなに高くないけれど、いかんせん曇りで気圧も低い。走っているうちに湿り気を含んだ空気がじとっとまとわりついてくる感じがある。でもなんとか、キロ6分7秒は超えないようにして走る。そうすれば8キロ走って、キロ6分の計算+1分以内でおさまるのだ。誤差はせめて1分くらいにしておきたい。1分以上、長く走るのは、いやだ、なんとなく。

日本で起こった悲しいことと、それに大きく影響を受ける選挙の結果と、自分の非力さと、漠然とした不安と、ヤクルトの27人(27人!!!!!!!)の離脱と、その不安と、もうあらゆることを抱えながら走る。

政治家の家に生まれ、政治家としての道を歩き続けた人に、「新興宗教により一家が離散することがある」というのは、想像もつかなかっただろうと思う。今も、想像もつかない人が多くいるだろうと思う。それを暴力でしか示せなかったことがあまりにやりきれない。きっとそれでも、伝わらないのだ。その暴力の余波は間違いなく、思いとは違う方に進んでいってしまう。暴力が解決できることはなにもない。だけどどうすれば、助けられたのだろう。弱者を今の与党がどうすれば、見つけていけたのだろう。考え続けると、暗澹とした気持ちになってくる。

だけど例えば、村上くんが見せてくれたたくましさについて考える。考えながらとにかく今日も、なんとか走る。そしていつもより少しだけていねいに、筋トレをする。

体が急に、大きく変わることはない。なにかが劇的に好転することはまずない。毎日走って毎日筋トレをして、それでもちょっと食べすぎたり気を抜くとあっというまに体重は増える。だけど、続けていくことで確実に、良き変化は生まれていく。すぐには目に見えないくらい、少しずつ、少しずつ。

希望を忘れちゃいけない。なげやりになっちゃいけない。今、この環境でできることを、いつだって考えていかなきゃいけないのだ。きっとしぬまで、あきらめちゃいけない。私は走りながらそんなことを、思う。

簡単な答えなんかすぐには見つからない。でも考えることを、あきらめちゃたぶん、いけないのだ。たくさんたくさん考えて、そして足を動かし続けなきゃいけない。走り続けなきゃいけない。

まっすぐに、少しずつでも。

7/13(水)

カリカリマシーンが故障していて、「電源を引っこ抜くとカリカリが出てくる」という謎の動きをするようになっている。それをしっかり覚えたねこが、毎日毎日すぐに電源を引っこ抜いてはカリカリを勝手に食べている。昨夜はそれで、3回ねこに起こされ、3回電源プラグを差し直した。

それですっかり寝不足になり、5時に同じ理由で起こされながらも二度寝して、起きたら6時をすぎていた。起きた時にちょっと仕事しようと思ったのだけれども気づけばベッドに倒れ込んでいた。

6時すぎになんとか体を起こす。5時に起きたときよりは体がずいぶん楽になっている。昨日はスーパーのロケからの撮影で、帰ったら体はくたくたに疲れていたけれど、まあでもおかげでねこに起こされながらも睡眠はしっかりとれたのかもしれない。たくさん動く、しっかり食べる、しっかり休む、これがやっぱり大事なのだなと思う。

さて、悲しいニュースの映像はまだ続く。例えば息子は「血が苦手」とはっきり自覚していて、できるだけそういうものを自分で見ないように気を使って生きている。私もそうやってはっきりと「これが苦手」というものが分かればよいのだけれど、息子ほど物事の解像度が高くないようで、なんとなく目に入るニュースで心が疲れている、という日々が続く。

なにがしんどいのかなーと、息子と話していて、ああなんとなくだけれど、「弱者がおいてきぼりにされている感じ」がしんどいのかもしれない、と思った。それについて、走りながら考える。

虐待のニュースを目にしたとき(これは私が一番、精神的にきつくなるニュースで、疲れているときはいったんニュースから距離をおこうと一番考えるものだ)、最近はみんな「だけど虐待した母親だけを責めることはできない、母親を追いやったのは社会かもしれない、一歩間違えれば自分もそちら側の人間になっていたかもしれない」という考えを口にするようになってきた。加害者のやったことは許されるべきものではないけれど、同時に加害者も社会の助けを必要としていたのではないか、という考えも多くみれられるようになってきた。

今回のニュースにおいて、当然「悪い」のは加害者であり、暴力が許されるべきでないことは明らかだ。元首相を偲ぶ人の気持ちもよくわかるし、残されたご家族の痛みは想像にあまりある。

ただ私にとって近しいのはもしかすると、「宗教によって一家離散せざるをえなかった」、「普通の」、市民の方なんじゃないかという気がする。私には、歴代政治家の家柄に生まれる人生よりも、そちらの方が、距離が近い気がするのだ。

どこかで歯車が狂い、「普通の」市民は、恐ろしき殺人者になってしまった。もちろん彼は法律で裁かれるだろう。だけど、そういった人を作り出したのは、この社会だったんじゃないのか、と私は思うのだ。自分が、自分の隣にいた人が、この社会の中でそうなっていてもおかしくなかったんじゃないのか、と。

でも今回のことはあまりに衝撃が大きすぎて、そしてその瞬間の映像が具体的にはっきりと残りすぎていて、みんなそんなことにまで気が回らないように思える。それが、私をなんだか、暗澹とさせる。

もちろん、しんどいことがあったときに暴力に訴えるのは間違っている。しんどいことというのは、自分の力で、自分の決断で、乗り越えていくべきものなのだ。必要以上に、「政府」に、そして「他人」に、救済を求めても仕方がない。それは、資本主義におけるたぶん、基本みたいなものだ。他人に「すべての」責任があると思う限り、救いは、きっとない。答えはいつだって、自分自身の中にある。それを忘れちゃいけない。だけどそれを忘れてしまうことというのは、あまりに多い。

だけど、例えば村上春樹は、それを悪しき物語ではなく、そして暴力を持ってしてでもなく、光を見つける一つの方法として、『アンダーグラウンド』と『約束された場所で』の中で、信者とそして被害者の両方にスポットをあて、話を聞き、書き切った。(『アンダーグラウンド』はサリン事件の被害者に、『約束された場所で』はオウム信者にインタビューしたノンフィクション。これは本当におもしろい本でおすすめです。)

そして、私はそれが「1Q84」という長編小説につながっていったんじゃないかなと思っている。悪しき物語に、対抗するために。

解決とは行かない、そんな力はないかもしれない、だけど一つの、光として、「良き物語」というものは存在しているのではないのかと、そう思う。

私はその力を信じていたい。そういうところに身を置いていたい。物語がある。この世界には、良き物語がある。それはすべての万能薬ではないけれど、一つの光だと思う。

7/14(木)

つい夜更かししてしまい、5時に起きたもののまた二度寝をして6時前にもう一度起きる。少しだけ仕事を進め(というかたぶん、あまりにも走りたくなかったのだ。)外に出る。

今日も昨日の雨の名残でそんなに暑くはない。だけどもちろん、走っているうちにすぐ暑くなってきて、スピードはいっこうに、出ない。

仕事をしてゴミ捨てまでしていたらまた出るのが遅くなったので、今日は7.5キロを走る。Apple Watchからは、シャッフルしている音楽がairPodsに届く。そういえばApple WatchもAirPodsも、発売された頃にはそのデザインにあまり馴染めない気がして買わなかったのに、もうすっかり、毎日の必需品になっている。そういうものを最初に作る人がいて、そしてそれを「馴染めるもの」にしていく過程がある。それってすごいことだ。できるだけ、作り出す人でありたい、といつも思う。

朝から胃が重く、というかここのところ結構重い日が多く、今朝もなんだかずどんとしている。昨日減っていた体重は、また少し増えている。まあ、いっぱい間食もしちゃったしね。そういう日もある。

でも体は少しずつ、変わってきたような気もしている。そういえばこの間久々に会うデザイナーさんに「虫明さんちょっとまた体絞りました?」と言ってもらった。体重は増えてるんですけども、でもそう誰かに言ってもらえるってめちゃうれしい。そして筋トレしてるとまじで、「痩せた」と言われるより「絞った」と言われる方が5万倍くらいうれしい。そういうのは私も積極的に言っていこう、と思った。いやもちろん体型のことばかり触れるのは場合によっては失礼だけれど、筋トレしてる人にポジティブな変化を伝えるってめっちゃ良いことだもんね、言われるとほんとうれしいし。

そんなことを思い出しながら、今日もなんとか走る。胃の調子はおそらくあれです、おやつの食べ過ぎと、あとなんかここのところ急いで食べちゃってるからですねたぶん。なんせ、ごはんがおいしくて。まあでもそれって、しあわせなことだ。(いや、だけどゆっくり食べるように気をつけよう。)

7/15(金)

さて、ヤクルトは元気に負け続けている。だいたい一週間くらい、負けている。いや試合がしばしなかったからなんだけれども、負けている。困る。仕方がないけど、困る。

でもまあとりあえず私は昨日はがっつり走って筋トレをしてそしてお昼寝をした。なんだか胃の調子がどうもよくなく、学校の個人面談を夫に代わってもらった。夫は先生に「お父さん初めて来ましたね」と言われたそうです。だって初めて行ったもんね。

そんなわけで私は昨日かなりがっつり休んだので、今日はちょっと復活した。なかなかに体調が良い。明日から休み!!!と、いう、喜びもあるのだろうけれども。まあ、単純なのだ、私というのは。

先週はなんだかんだ心も体も休まらない週末だったので、今週はしっかり休みたい。…横浜行くけど。

昨日はそれなりに気をつかっていたからか、今朝は少し体重が減っていた。まあこれでまた週末に突入するわけでまた元に戻るだろうけれどもいたしかたない。もう、すこーしずつ、すこおおおおおしずつ、落としていきたいと思います。

今週は(というかここ数ヶ月ずっと)走行距離が足りていないわけですが、今日もなんとか8キロ。マンションに戻ると、むすめとお友達がみんなで集まっていて、遠くからこちらに向かって手を振ってくれる。もう、めちゃくちゃかわいい。すっぴんでキンパツぼさぼさの母さんに、みんなにこにこしてくれるわけで、まあほんと、そういうのって良いよね。と、思います。

さあ今週もおつかれさまでした!三連休はよく休みたい!!!



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