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【実例】住宅ローンのセカンドオピニオン 前編

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最近、住宅を買うために住宅ローンを借りることを計画しているご夫婦から相談がありました。不動産会社から紹介されたファイナンシャルプランナー(FP)から出してもらったマネープランをセカンドオピニオンとして確認して欲しいとの依頼です。

結論を先に言ってしまうととても無理な内容のように感じました。私のもとにセカンドオピニオンで来る方でこのようながとても多いので、今回は実例として紹介します。

首都圏在住の世帯年収1350万円
 旦那さま 会社員 40歳 年収800万円
 奥さま 会社員 35歳 年収550万円
現在の貯金額 約1000万円
現在の家賃 月13万円
住宅ローンでの借り入れ予定額 6500万円

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【マネープランで私が甘いと思ったところ
お子さまは高校まで全て公立に進学、大学は私立の文系学部への進学計画、今はお子さま1人だが、2人目のお子さんの希望もあるとのこと。
首都圏だとお子さまが中学から私立へ通う家庭も増えています。もしお子さまが私立を希望するとなると学費がかなり異なってきます。さらには受験対策で塾に入ると年間100万以上のお金が掛かります。この備えをしておかないと一気にマネープランの予定が狂います。老後資金が貯められないなど、ピンチな状態に一気に陥る可能性もありますので、教育費は予め多めに見積もっておくことをお勧めします。

次に6500万円を35年返済で借り入れるとなると金利によって異なりますが、現在のおおよその金利から考えても月々の返済額は20万円弱が見込まれます。現在の家賃13万円から大幅に住居代が上がります。さらには将来的な家の修繕を見込んだ備えを貯めていく必要もありますし、固定資産税や火災保険などのお金も別途必要です。そう考えると住居に掛かるコストが20万円を超えてくると間違いないでしょう。
現在の世帯年収1350万円でもこの返済額は無理のある状態になるように思います。まだ貯金を既にたくさん持っており備えがあればまだ大丈夫ですが、貯金も約1000万円と多くありません。昨年は約100万円の貯金のみとのことなので、支出のコントロールをして家計改善をしたところで、無理があるように感じます。

よって、借り入れ額を少なく買える物件に変更するか、もう少し貯金額を増やしたところで改めて購入することが良いと思います。世帯年収1350万円あるので借り入れの審査は通ると思いますので、買うことはできます。ただし、無理のある生活になってしまうことが大いに考えられますのでこの状態での住宅ローンの借り入れは私はおすすめできません。世帯年収が高い家庭は大きめな予算を計画しがちですが、人生には家以外にも必要なお金はたくさんあります。バランスを持って住宅ローンの計画をぜひされてください。

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